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第166回労働政策審議会職業安定分科会オンラインで開催(雇用調整助成金の特例措置の9月までの延長と、産業雇用安定助成金の要件緩和など)

2021-07-27 | 書記長社労士 法改正 労働関係
 第166回労働政策審議会職業安定分科会(令和3年7月27日(木)17:15~ オンライン開催)の議題は
(1)雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2)新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)


雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案について(概要)
1.趣旨
新型コロナウイルス感染症に伴う経済上の理由により、急激に事業活動の縮小を余儀なくされた事業主(以下「新型コロナウイルス感染症関係事業主」という。)に対し、雇用維持の支援を図るため、雇用調整助成金制度の特例措置を講ずるとともに、産業雇用安定助成金制度の特例措置を講ずることを内容とする雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)の改正を行う。

2.改正の概要
(1)雇用調整助成金関係
① 新型コロナウイルス感染症関係事業主が行った休業等について、1日当たり支給上限額を13,500 円、助成率を2/3(中小企業にあっては4/5)(令和2年1月24 日以降解雇等を行っていない場合には、助成率を3/4(中小企業にあっては9/10))とする特例措置の期間を令和3年9月30 日まで延長する。
② 新型コロナウイルス感染症関係事業主が行った休業等について、地域特例(※1)及び業況特例(※2)の対象となる期間を令和3年9月30 日まで延長する。
(※1)緊急事態措置を実施すべき区域、まん延防止等重点措置を実施すべき区域において、知事による、新型インフルエンザ等対策特別措置法第18 条に規定する基本的対処方針に沿った要請を受けて同法施行令第11 条に定める施設における営業時間の短縮等に協力する事業主に対する特例※ まん延防止等重点措置を実施すべき区域においては、知事が定める区域・業態に係る事業主が対象
※ 各区域における緊急事態措置又はまん延防止等重点措置の実施期間の末日の属する月の翌月末までの休業等(令和3年9月30 日までに行ったものに限る。)に適用
(※2)特に業況が悪化しているものとして職業安定局長の定める要件に該当する事業主に対する特例
なお、(※1)及び(※2)の助成率は以下のとおり。
・1日当たり支給上限額:15,000 円
・助成率 : 4/5
(令和3年1月8日以降解雇等を行っていない場合10/10)
③ 継続して雇用された期間が6か月未満の雇用保険被保険者についても助成することとする等の措置の適用対象を雇用調整助成金の対象期間の初日が令和2年1月24 日から令和3年9月30 日までの間にある場合に変更する。
④ 新型コロナウイルス感染症関係事業主が行った休業等について、支給上限日数に加えて支給を受けることができることと等とする期間を令和2年4月1日から令和3年9月30 日までとする。


 なお、7/21(水)夕刻の経済財政諮問会議において、田村厚生労働大臣が以下2点に言及したようだ。

(1)雇用調整助成金の特例措置について
 最低賃金の引き上げに関連して、与党から中小企業等への支援策強化の提言があり、以下を進める予定。
 ①業況特例を年末まで継続
 ②リーマンショック時(中小企業:最大9/10)以上の助成率を年末まで確保
 ③業況特例等の対象となる中小企業が、事業場内で最も低い時間給を一定以上引き上げる場合、10月から年末まで休業規模要件を問わず支給
(2)産業雇用安定助成金について
 特例として、企業グループ内での在籍型出向により雇用維持を図る企業についても助成対象とする予定。


(1)は、先日の日経新聞にも出ていた内容だが、助成額上限については特段何も決まっていないそうだ。
(1)③の「事業場内で最も低い時間給を一定以上引き上げる場合」の一定は、地域最賃の引き上げ額以上らしい。
休業規模要件は、中小企業は原則1/20だが、今のコロナ特例では1/40。
(2)については、以下の通り


(2)産業雇用安定助成金関係
① 資本関係、取引関係、人的関係等において密接な関係性を有する事業主間で行う出向のうち、職業安定局長が定める要件を満たすもの(以下「企業グループ内出向」という。)について、産業雇用安定助成金制度の助成対象とすることとする。
(ア) 企業グループ内出向に係る出向運営経費助成(※1)の助成率は、大企業1/2、中小企業2/3 とする。ただし、出向元事業主が解雇等を行っていない場合の助成率の上乗せは行わないこととする。
(※1)出向運営経費助成
出向元事業主及び出向先事業主に対して、賃金、教育訓練及び労務管理に関する調整経費等、出向中に要する経費の一部を助成するもの。企業グループ内出向以外の出向について、助成率は、大企業2/3(出向元事業主が解雇等を行っていない場合3/4)、中小企業4/5(出向元事業主が解雇等を行っていない場合9/10)
(イ) 企業グループ内出向については、出向初期経費助成の対象としない。
② 公益の目的のために、大量の被保険者を出向させる必要があると職業安定局長が認める出向については、出向運営経費助成及び出向初期経費助成について、1事業所につき1000 人まで助成の対象とすることができることとする。ただし、出向運営経費助成は3ヶ月までの支給に限る。
3.根拠法令
雇用保険法(昭和49 年法律第116 号)第62 条第1項第1号及び第2項
4.施行期日等
公布日:令和3年7月下旬(予定)
施行期日:公布日。(2)については、令和3年8月1日から適用。


 ポイントを整理すると、
①出資比率50%超のグループ内企業間の出向も助成対象とする。
②助成率は、中小2/3・大1/2。 ※雇調金の在籍型出向メニューと同様
③上限額は、12,000円/一日一人あたり。 ※グループ外出向と同様
④出向初期経費は、助成なし。
⑤一事業所あたり上限人数は、グループ内外合計で500人。 ※特に緩和なし
 ただし、公益ニーズによる短期・大量の出向(例:オリパラやワクチンの対応)は外枠扱いで1,000人まで。 ※労働者側の要請と関係なく緩和
⑥申請時の計画届と出向協定書の様式が少し変更となる。
⑦施行日は、2021年8月1日(時期を遡っての適用はしない)。予算増額は行わない(申請増に耐えられる想定)。

 この現行の「産業雇用安定助成金」では、「出向元と出向先が、親会社と子会社の間の出向でないことや代表取締役が同一人物である企業間の出向でないことなど、資本的・経済的・組織的関連性などからみて独立性が認められること」という要件がある。
具体的には

出向元事業主について、
(ロ) 次のいずれかに該当する場合その他の資本的、経済的、組織的関連性等からみて、助成金の支給において出向先事業主との独立性を認めることが適当でないと判断される事業主でないこと。
a 他の事業主の総株主又は総社員の議決権の過半数を有する事業主を親会社、当該他の事業主を子会社とする場合における、親会社又は子会社であること。
b 取締役会の構成員について、代表取締役が同一人物であること、又は取締役を兼務しているものがいずれかの取締役会の過半数を占めていること。

出向先事業主について
(イ) 次のいずれかに該当する場合その他の資本的、経済的、組織的関連性等からみて、助成金の支給において出向元事業主との独立性を認めることが適当でないと判断される事業主でないこと。
a 他の事業主の総株主又は総社員の議決権の過半数を有する事業主を親会社、当該他の事業主を子会社とする場合における、親会社又は子会社であること。
b 取締役会の構成員について、代表取締役が同一人物であること、又は取締役を兼務しているものがいずれかの取締役会の過半数を占めていること。

 とされていて、グループ内企業の場合(親会社と子会社間、子会社間、純粋持ち株会社内(ホールディングス内)の会社間)、使えるケースが限定的だった。
それで、「コロナ禍の雇用維持のために行われ、かつ、コロナ前の通常の人事異動とは異なる類型の出向」についてを対象として貰いたく、運動してきたんだが、大きく前進した。

 ただし、残念な点が、次の通りあるが、とりあえず、大きく改善されたので、素直に喜びたい。
➊出向初期経費は助成なしとされたが、その理由が「出向の準備に要する負担軽減を目的としているため、グループ外出向より調整コストが低いグループ内出向には実施しない。」ということ。
たしかに、グルー内出向では、調整コストは低いが、出向の準備に要する負担はグループ外出向と同様に発生するわけで、理由に納得ができない。
❷グループ内出向には、出向元が労働者の解雇などを行っていない場合の助成率の優遇がなされていない点について、そうなると、業況特例の対象となる事業なら、グループ内出向の調整の苦労をするよりも、これまで通り、雇用調整助成金を活用しての休業を選択してしまうことにならないか、という問題もあるのではないか、と思う。


 ちなみに、議題1に関して、職業安定分科会は、このような内容で、分科会会長から、労働政策審議会に報告することになった。(一カ所、ミスタイプあるが、見逃してください)

議事次第
資料1-1:雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱
資料1-2:雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案概要
資料2-1:新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱
資料2-2:新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案概要
参考資料:緊急事態措実施置区域とまん延防止等重点措置区域

コメント

2021年上半期の「労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会」での私の発言だけ抜粋

2021-07-26 | 書記長社労士 労働組合
【26 💪部屋3-36 DBenchPress22.5kg DFly17.5kg WidePushUp Situp Crunch】 自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)見直しのための厚労省・労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会(専門委員会)は、4月23日に第5回を開催し、「自動車運転者の労働時間等に係る調査結果」の報告を受けた後、タクシー・バス・トラックそれぞれの労使から、考え方を聞き取った上で、今後は、分野別に検討をすすめることとなった。
5月28日には、ハイヤー・タクシー作業部会の第1回会合を開催、作業部会は、公益・労働者・使用者代表各2人の6人で構成され、両角道代慶応大学院教授を部会長に選出し、労使双方から出された考え方について、議論を行った。
今後のスケジュールは以下の通り。

2021年度
8月頃 第2回ハイヤー・ タクシー作業部会 ⇒ 改善基準告示の見直しについて
10月頃 第6回専門委員会 ⇒ 業態別の検討状況について
11月頃 第3回ハイヤー・タクシー作業部会 ⇒ 改善基準告示の見直しについて
2月頃 第4回ハイヤー・タクシー作業部会 ⇒自動車運転者の労働時間等の改善のための基準のあり方等について(ハイヤー・タクシー作業部会報告書)
3月頃 第7回専門委員会 ⇒ ハイヤー・タクシー及びバス作業部会報告書の報告について、トラック作業部会の検討状況について、今後のスケジュールについて
【よって、この間は今のところ未定】
令和4年度(2022)
~12月 改善基準告示改正・公布
1月~3月 告示周知・施行準備

令和5年度(2023)
4月~3月 告示周知・施行準備
令和6年度(2024)
4月 改善基準告示施行

第5回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会 

1 日時 令和3年4月23日(金)9時59分~11時49分
2 場所 三田共用会議所 第4特別会議室
4 議題
(1)自動車運転者の労働時間等に係る調査結果のご報告について
(2)改善基準告示の見直しについて
(3)その他

○藤村委員長 秋山さん、どうもありがとうございました。今、3つの資料を御説明いただきました。ここで少し時間を取り、この3つの調査結果についての意見とか質問をお受けしたいのですが、時間の制約がありますので、現時点で質問をしたいと思っていらっしゃる方は、ちょっと手をお挙げいただけますでしょうか。
○久松委員 意見も含めてでもいいですか。
○藤村委員長 意見も含めてです。お2人、3人ですかね。では、久松委員からお願いします。
○久松委員 久松です。どうぞよろしくお願いいたします。実態調査結果について、感想ということにもなるかもしれませんが、ハイヤー・タクシーの場合、事業者と自動車運転者の回答の内容に乖離が大きかったと思いました。その理由として、私が思ったことの1つは、自動車運転者の回答では、本来は労働時間・拘束時間に入るはずである洗車時間、納金時間、点呼時間などを労働時間としてカウントしていないという実態があったということと、もう1つは、改善基準告示の認知が非常に低いという点があったこと、これらによって、自動車運転者と事業者の回答の実態に大きな乖離がありました。その点を踏まえて、この実態調査を見なければならないという感想を持ちました。以上です。
○藤村委員長 分かりました。感想を頂きまして、ありがとうございます。本来は、もう少し議論をしていくといいと思うのですが、今日は議題2で、労使双方から具体的な数字を出していただきたいと思っています。そちらの議論に移りたいと思います。
 事務局、あるいは受託業者の方から、実態調査のみならず、海外調査や疲労度調査についての報告がありました。これらを踏まえて、令和4年12月の改正に向け、改善基準告示の見直しに関する御意見を、各代表から改めてお伺いしたいと思います。
それでは、ハイヤー・タクシー分野、トラック分野、バス分野の順に、各代表の皆様から5分以内でお願いしたいと思います。まずは、ハイヤー・タクシーについて、労働者代表からお願いいたします。
○久松委員 久松です。どうぞよろしくお願いいたします。これから具体的な議論に入っていくということですが、少なくとも私たちハイヤー・タクシーだけではなく、自動車運転の産業全てが、なかなか労働市場では選んでいただけない産業ではないかと思います。また、3年定着率も非常に低いということです。そこにはやはり長時間労働というのが大きなネックになっているということを考えれば、今回は960時間の時間外労働の上限規制が入るという前提の改善告示の見直しですから、やはりしっかりとした明確な労働時間の短縮をしていかなければいけないということが前提であるかと思っています。
 私たち労働側としては、年間の最大拘束時間は3,300時間以下である必要があると考えております。また、労働時間等設定改善法の勤務間インターバルの制度が将来義務化されていくことを見据えて、働き方改革推進支援助成金が9時間以上11時間と、11時間以上で設定されています。助成金は11時間が満額であるということを考えても、休息期間について日勤勤務は11時間必要であると考えています。1日の拘束時間については、そこから逆算してということになるのではないかと考えているところです。
 タクシーにおいて隔勤勤務というものは、また別に改善基準の設定があります。現状は20時間で休息期間が定められておりますが、少なくともここは24時間が必要なのだろうと考えています。そこを逆算して2暦日の拘束時間や、1か月の拘束時間を考えていく必要があると考えているところです。
 また、タクシーの特例の1つとして、車庫待ちの場合は、拘束時間などにおいて緩和されていますが、車庫待ちの定義というのが、営業所においてお客さんを待つ状況と、駅待ちとなっています。この駅待ちの部分が非常に曖昧なので、ここをしっかり明確にしておく必要があるのではないでしょうか。その上で、特例の時間数を決めていく必要があるのではないかと思っています。
 もう1つは賃金の関係ですが、長時間労働やスピード違反、交通事故を誘発する危険性が高いということで、タクシーの場合は累進歩合が禁止されております。現状、今は年次有給休暇の5日間の取得義務化があるのですが、累進歩合制度や、これに類似する賃金制度において、年休取得の抑制がされているということがありますので、長時間労働の是正を鑑みれば、累進歩合の厳格化も必要であると考えています。
 それから休日労働については、今は2週に1回ということになっていますが、これは現行を据え置くべきだと考えています。タクシーについては以上です。



第1回労働政策審議会労働条件分科会自動車運転者労働時間等専門委員会ハイヤー・タクシー作業部会

1 日時 令和3年5月28日(金)10時00分~11時47分
2 場所 労働委員会会館 講堂
4 議題
(1)自動車運転者労働時間等専門委員会ハイヤー・タクシー作業部会の設置・運営等について
(2)改善基準告示の見直しについて
(3)今後のスケジュールについて
(4)その他

○両角部会長 武居委員、どうもありがとうございました。ほかの委員から、久松委員お願いします。
○久松委員 久松です、どうぞよろしくお願いいたします。今、武居委員もおっしゃったとおりで、多くの事業者については1日の拘束時間、日勤13時間は守られているということです。使用者側の武居委員からもそれはできるということを言っていただいたので、やはり労働組合としては13時間を主張します。1日は24時間ですから、13時間の拘束時間で残りの11時間が休息期間ということでの主張です。
 月間が275時間です。武居委員は288時間とおっしゃいましたけれど、日勤勤務で1か月の拘束275時間としても、大の月の法定内労働が177時間、小の月で約171時間と、平均して173時間とすれば、まだ102時間余ります。そこから23勤務ということで1時間の休憩23時間を引いても、まだ79時間余ります。この79時間で時間外労働ですとか休日労働をしてもということで、十分に働ける時間のバッファーはあると思います。
 タクシーの労働者は歩合給が多いということですが、歩合給を選ばれているのは使用者であって、固定給を中心とした賃金体系で事業を行っている使用者もありますので、歩合給を選択するのか固定給を中心とした賃金体系を選択するかは、まずもって使用者の判断だと思っています。ただし、歩合給を中心とした賃金体系が多いということは確かです。
 これまで何度も改善基準告示の改定がされてきました。平成元年、1989年に改善基準告示が制定されて、1週48時間から労働基準法が46時間制に移行する際、1992年、平成4年に改善基準告示の見直しがされました。そして引き続き週44時間制に移行する際、平成5年、1993年に改定がされました。そして現行の改善基準告示になりますが、平成9年、1997年に週40時間に移行したということになっていますが、この間事業者は労働条件を維持向上するために、運賃改定を行っています。
 私は大阪出身で、大阪では6年以上運賃改定がなかったのですが、平成4年の週46時間制に移行する際、大阪はそれまで初乗り運賃が470円、消費税が入って480円だったのですが、これが1991年、初乗り運賃540円に改定しています。それから週44時間制に移行する平成5年、540円から600円に、平成9年、週40時間制に移行する前に、大阪では1995年、平成7年12月に600円から650円に運賃改定を行っています。
 運賃改定は値上げですから、利用者の皆さんには御負担をお掛けするのですが、そのことによって増収につなげて、その分を労働時間を短縮した分の賃金の維持に充ててきたという経過があります。タクシーの運賃というのは人件費や安全に掛けるコスト、車両費、燃料費などの原価に適正な利潤を乗せたものを運賃とするということで、この適正な利潤が乗せられないことになってきましたら、運賃の上限額の改定ということで、運賃値上げをすることができます。今回改善基準告示の見直しで労働時間が短くなったら、是非事業者の皆さんには運賃改定をしていただいて、適正な利潤が確保できるようにしていただき、人件費に充当していただきたいと思います。私からは以上です。


○両角部会長 清水委員ありがとうございました。ここからは御自由にお話いただきたいと思います。最初にお名前をおっしゃって、御発言ください。
○久松委員 久松です。すみません、今の清水委員のお話も踏まえて先ほどの言い忘れなのですが、日勤にしろ隔勤にしろ、原則となる拘束時間や休息期間をまず固めていくべきだと考えていまして、車庫待ちというのはあくまでも特例、例外ということになると思いますので、まず原則が固まってから車庫待ちの議論をすればいいのではないかと思っています。前回も発言させていただきましたが、ただし車庫待ちについては解釈が幅広くなっていますので、明確にしていった上で車庫待ちの議論もしてまいりたいと思っています。
 隔勤の件はまた後で、今は日勤の議論でということですね。

○両角部会長 一応そうですが、必要であれば隔勤の話もしていただいて構いません。

○久松委員 今の休息期間の関係ですが、休息期間11時間の主張というのは睡眠時間や通勤時間、また食事の時間、あと余暇の時間なども含めて、今の8時間ではそういった時間が確保できないので11時間にすべきだという主張です。
 現在は原則13時間の1日の拘束時間で、最大拘束時間が16時間となっていますから、24時間から16時間を引いても8時間ということになるかと思うのですが、私たちが主張しているのは休息期間は11時間で、もし今と同じように原則と最大拘束時間というものを考えるとすれば、休息期間が11時間ですから最大拘束時間が13時間で、では原則はどうするのかということ。それとも原則も最大もなく、一本とするのなら13時間でしょうという主張ですので、そこはよろしくお願いしたい。
 先ほども申しましたが、車庫待ちは別の議論にしていただきたいと思います。地方では車庫待ちという営業形態は確かに多いので、そこはやはり労働の密度が都市部と違って、低いということが前提で、拘束時間等の緩和がなされていると思いますので、まず原則を確定する議論をしていただきたい。


○久松委員 地方と都市部で考え方を分けていくということではなくて、統一した考え方で主張しています。先ほど寺田委員からありました、例えば早番をやっていて次に遅番に転換するときというところがあるのですが、大体、都市部においては週単位で早番から遅番に転換することが多いです。地方においては、先ほど武居委員がおっしゃったように、隔勤を途中にやったりするのですが、勤務と勤務、日勤勤務をした後には8時間以上の休息期間を取りますし、例えばシフト上、隔日勤務に当たった日がありましたら、その後は20時間の休息期間を取って次の勤務に備えます。早番から遅番に転換するとき、遅番から早番に転換するときも、最低は8時間でいいのですが、公休日を入れて転換させたりしますので、24時間の公休日と8時間の休息期間、合わせて32時間を挟んで転換させたりするということでやりますので、仕事上は、それをうまく組み合わせれば地方でも使えるわけですから、そこは何も問題ないのかなと思います。
 ただ、車庫待ちはまた別の議論ということですが、車庫待ちにおいては労働密度が低いということで、通常の勤務よりも緩くしています。ただ、車庫待ちについては定義をはっきりしてほしいと言っているのは、駅待ちも含めて車庫待ちなのですが、例えば川崎駅とか横浜駅の駅待ちの勤務と、真鶴駅のように東海道線が1本着いたら、2台の車にお客さんが乗って、あと6台ぐらいが並んでいて、その6台が前に行く。また東海道線が15分後ぐらいに1本着いたら、前の2台にお客さんが乗って、次の後ろの車がまた前に行くというような駅の形態の車庫待ちで、川崎駅とか横浜駅というのは、ずっと車がどんどん前に動くような状態ですから、これは指揮命令下に置かれているのかどうかとか、労働密度からいったときに、同じ車庫待ちなのかと言うと、違うのではないかと思いますので、駅待ちも含めた車庫待ちの定義を明確にしていかないと、車を絶えず動かさなければいけない、車を絶えず管理しておかなければいけない駅待ちまで、非常に原則より緩い拘束時間なりにしていくと問題が出てくるのではないかと思っていますので、議論を別にしていただきたいと思っています。

○両角部会長 今、隔勤についてのお話ですね。もう時間も大分進んできておりますので、今後は隔勤についても御議論いただきたいと思います。
○久松委員 隔勤についてということで、労働組合の考え方ですが、隔日勤務について言っておきたいのですが、相当過酷な勤務です。一昼夜連続で勤務を続けまして、次の日は非番ということになって、体内時計は48時間単位で、一昼夜、24時間ほぼ起きっ放しのような状態で家に帰って、すぐに朝ですから、朝は寝られない。そのまま夜に十分に睡眠を取って次の勤務に備えるということなのです。ここにおられる皆さんでも、たまに徹夜したら、回復に何日ぐらいかかりますかという感じなのです。しばらく体内時計がリセットされないとは思うのですが、そのような勤務を1日置きにやっているのが隔日勤務なので、相当過酷な勤務です。いつも隔勤の人が、たまに日勤勤務をやると、こんなに楽なのかと。元気に仕事ができて、売上げも上がるということなのです。
 タクシーの場合は、日勤勤務にすると、入庫して次の出庫までの間、入金業務、点呼、洗車などがあって、次の勤務の方が乗るのですが、その間、回送時間なども含めて、どうしても利用者の需要に応えきれない。その間の車の稼働が手薄になってしまうということがあって、通し勤務として隔日勤務を採用している会社が多いですし、運転手にとっても、1日頑張って仕事をすれば次の日が休みだということでは、通勤も半分で済むとか、余暇の時間もあるということで、隔勤でいいということになっているのですが、そもそもが相当過酷な勤務です。ですので、日勤勤務に比べて、短い時間の拘束時間などの様々な改善基準告示になっているということを前提に考えていただきたいと思います。
 具体的な数字ですが、2暦日の拘束時間については、労働組合としては20時間だと思っています。基準内労働が16時間、休憩時間が2時間、お客様の都合などがあって時間外が発生したとすれば2時間というところで、16時間、2時間、2時間で、20時間かなと思っています。月間の最大拘束時間については、20時間の勤務で最大で12.5勤務、その0.5勤務は公休出勤、休日労働の0.5勤務を1日勤務というように想定しているのですが、20時間の12.5勤務で、250時間が妥当であろうと思っています。休息期間については、24時間が妥当だろうと思っています。具体的な数字としては以上です。


○久松委員 そもそもなのですが、時間外労働分、法定外残業分も、労働時間としてシフトに組んで働かせていること自体が問題でしょう。36協定で時間外労働を行わせるときの理由は何と書いているのかと思うのです。
 だから、36協定で定めている時間外労働の部分が、そもそも何かあったときの幅の部分なのです。本来は法定労働時間の中で勤務をして、何かあったときのバッファーとして時間外労働があって、それで拘束時間を守ってくださいという話だと思うので、根本的なところで大きなすれ違いがあるのではないかと思います。
 先ほど、休憩時間について隔勤の20時間の中で2時間と申しましたけれども、そこは数字の根拠として申しただけであって、基準内の時間をどのように考えるのかということもあるでしょうし、1か月単位の変形労働性を取っているタクシー事業者は多いので、その1か月単位の変形労働制で時間を均せば、基準内は16時間ではなくてもう少し短い時間になると思いますので、休憩時間のところは、その辺の幅なのかなと。
 ただし、全ての事業者とは言いませんが、1日8時間以上の労働をした場合については、1時間の休憩を与えろということになっていまして、それは法定の最低基準です。16時間働いたら2時間なのかなということで申しただけなのですが、全ての事業者とは言いませんが、多くの事業者は就業規則上休憩時間を3時間と定めておいて、ここに何を期待するかと言うと、労働者が、その休憩を取らずに走ってくれると。そうすることによって、時間外労働の算定となる時間を減らすことが可能になることを期待してと。
 運転手はどうしても売上がほしいですから、休憩を取ったことにしておかないと、日報に書いておかないと怒られるということで、タクシー乗り場に並んでいる間を休憩時間に充てたり、そういう形で日報上は申告をしている労働者も少なからずあります。だから、3時間の休憩時間が必要だと、清水委員のところではきっちり3時間の休憩を取れということで労務管理していただいているとは思うのですが、一部の事業者においては、休憩時間を長く設定することによって、その間も走ってくれるだろうと。時間外労働の算定から外す時間にできるだろうという悪意をもった休憩時間を定めている会社もある。そうではなかったら、法定で定められた休憩時間でいいではないかということになるのです。そういったこともあるということだけは実態として申し上げたいと思います。


○久松委員 今、寺田先生におっしゃっていただいたとおり、労働時間の上限規制が施行されて、自動車運転者については5年間の猶予が出たということは、正に、そういったための生産性をどうやって上げていくのかも含めての猶予期間だと思っています。この改善基準見直しの結論へ早く行って、タクシーは運賃改定がまず必要でしょうということは主張させていただきたいですし、更に、生産性をいかに上げていくのかという議論も、それぞれ各労使でもやっていってほしいとは思うのですが、まずはどこかで結論をつけていかなければいけないのだろうなと思っています。
 今日はあまり時間がありませんから、次回以降の課題としていただきたいのですが、先ほど何度か言っていますが、車庫待ちについては、少なくとも車両に乗った状態の駅での待機状態は車庫待ちに含めるべきでないと思います。駅待ちであっても駅の横に営業所と駐車場があって、休憩施設があるとか、そういったところのような、車両を管理するようなことから解放された状態での駅待ちは、車庫待ちに含むけれど、そうではないものは含まないというようにしていけば、地方においてよくある車庫待ち営業の中での、どれが車庫待ちになるのかが明確になるのかなと思います。その上で、次回以降に車庫待ちの時間などについても議論していきたいと思います。
 先ほど松永委員がおっしゃっていましたが、これから日勤・隔勤をある程度固めていくということになるのですが、やはり使用者側からも課題として挙げられていた繁忙期はどうするのかというところが、我々としても考えていかなければいけないと思っております。その繁忙期をどうするのかというところで、年に何回とか、2か月平均でやるとか、様々な手法はあると思いますので、そこについては原則を決めて、特例として、少しそれを緩和する部分で繁忙期対応を考えていく必要があるとは認識しています。


コメント

今でも、オリンピックの開催は今すぐ中止すべきだと思っているが、出場している選手のことは応援はする、もちろん。

2021-07-25 | 書記長社労士 政治

 オリンピックのサーフィン、予選はテレビ中継がないので、ネットでの観戦。
大原洋人、前田マヒナ、都築あむろの試合はライブで見たが、五十嵐カノアのは浜に行ったから見逃した。
しかし、大原2位up、五十嵐1位up、前田と都築はリパチャージに回ってしまったが、なんとかR3に上がれてよかった😁
そもそも今でも、オリンピックの開催は今すぐ中止すべきだと思っているが、出場している選手のことは応援はする、もちろん。

 この東京オリンピック・パラリンピック。
招致するときには
・東京電力福島第一原発事故の汚染水は「アンダーコントロール」
・「この時期の天候は晴れることが多く、かつ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」という虚偽申告
・「東日本大震災からの復興の後押しをするとともに、復興しつつある姿を伝える」としながら復興の足を引っ張っている。
・竹田JOC会長の招致を巡る贈収賄疑惑

招致後の準備段階には
・国立競技場建て替えやエンブレム選び
・マラソン・競歩開催地移転問題
・東京湾トライアスロン会場の汚水問題
などで世界に恥をさらし…

コロナ禍になって延期を決めたまでは当然の判断ながらまぁ良かったが…
・開催中止や無観客などの判断に、国民の命や安全が考慮要素ではなかったこと
・コロナ対策で問題となった電通などの中抜き・利権がオリパラでも露呈したこと
・水際対策(バブル方式)が穴だらけで感染対策がまったく出来ていないこと
・国民に行動や営業の自粛を求めているにも関わらず、聖火リレーや大会のための人の移動は国を挙げて奨励という大矛盾
・非政府のスポーツ組織であるIOCが、日本政府より⤴️であるのか(?)という問題
・様々な差別をJOCが促進・擁護していた問題
・子供達の強制的学徒動員的観戦も問題(しかも無料ではない、スポンサー以外の飲料持参禁止ってなことまであった)
・今、オリンピック関係で仕事をしているボランティアや有償スタッフの感染対策が出来ていないどころかクラスターの危険が高い問題
・オリパラに参加している選手達のリスクは自己責任
・で、テレビなどの報道機関はオリパラ賛歌で、これまで以上の感染拡大が危惧されている今日現在において、危機感がまったくないこと(日本政府は寝てるんか?みんなで楽しくにやにやとオリンピック観戦しているのか?)
・無観客となったことで、さらに収益が悪化するんだが、それを補填する税金の問題(主として都民、そして国民)

 こんな状況で、感染拡大に拍車を掛けて、医療の崩壊とさらなる医療従事者などの疲弊、どうしてくれるんやって思うのだが、でも、その責任は、国(政府)・東京都・JOC・大会組織委員会、そしてもちろんIOCの誰も取らないのでしょ、ってことにも憤る。
うちのたくさんの組合員も、バスやタクシーの運送業務で、ワクチンも優先接種してもらえない上に、宿舎や施設や運送する対象からの感染リスクの軽減が不十分ななかで働かされている(ずっと以前から明らかになったリスクについては、その都度、行政や政府に要請しているがいっこうに改善されない)…。


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2021年6月に読んだ本

2021-07-05 | いい本読んでます?


 「白波大王夫妻からの40日くらい遅れのBirthday🎁」にブックカバーも含まれていた、ブックカバー好きにはめっちゃ嬉しい😀
イ草香る ブックカバー 文庫本 サイズ【松葉畳店】 (水玉赤)」ってのやけど、ほんとい草の香りに癒やされるかっこいいブックカバーだ。
静岡県焼津市にある「松葉畳店」ってところが、「イ草という天然素材の心地良さを身近な生活雑貨という形で」作っている雑貨の一つで、このブックカバーは「イ草の吸湿効果で大切な本を湿気から守り、手に汗をかいても吸ったり吐いたり、どこか懐かしいイ草の香りに癒される。」というもの。
栞が付いていないのが残念やから、なんか手を考えようっと。

6月の読書メーター 読んだ本の数:11 読んだページ数:3913

探偵の探偵 (講談社文庫)探偵の探偵 (講談社文庫)
読了日:06月04日 著者:松岡 圭祐
中堅調査会社が併設する探偵養成所に、決して笑わぬ美少女・紗崎玲奈が入校する。探偵のすべてを知りたい、しかし探偵にはなりたくない、という彼女には、自分から言えぬ過酷な過去があった。調査会社社長・須磨は玲奈の希望を汲み、探偵を追う“対探偵課”の探偵として彼女を抜擢した。☆★★ 「探偵の鑑定➊」を読んだら前があったんやってことで読んでようやくいろいろ腑に落ちた。が、この続きをどうしても読みたいってことではない。

大延長 堂場瞬一スポーツ小説コレクション (実業之日本社文庫)大延長 堂場瞬一スポーツ小説コレクション (実業之日本社文庫)
読了日:06月07日 著者:堂場 瞬一
公立の進学校・新潟海浜と、私立の強豪・恒正学園との夏の甲子園決勝戦は延長15回でも決着がつかず、再試合にもつれこんだ。両チームの監督は大学時代のバッテリー。中心選手はリトルリーグのチームメイト。互いの過去と戦術を知り尽くした者同士の壮絶な闘いのなかで、男たちの心は大きな変化を遂げていく。☆☆☆ この人、なんでこんなにスポーツ選手の心理描写が上手いんやろ。手に汗握って一気に読んだ。

そして名探偵は生まれた (祥伝社文庫 う 2-3)そして名探偵は生まれた (祥伝社文庫 う 2-3)
読了日:06月10日 著者:歌野 晶午
影浦逸水は、下世話な愚痴が玉に瑕だが、正真正銘の名探偵である。難事件解決のお礼に招かれた伊豆の山荘で、オーナーである新興企業の社長が殺された。雪の降る夜、外には足跡一つなく、現場は密室。この不可能犯罪を前に影浦の下す推理とは? しかし、事件は思わぬ展開に……。(「そして名探偵は生まれた」より)“雪の山荘”“孤島”など究極の密室プラスαの、ひと味違う本格推理の傑作!☆★★ トリックがずるいんでこういうのあんまり好きくない…。

新装版 銀行総務特命 (講談社文庫)新装版 銀行総務特命 (講談社文庫)
読了日:06月11日 著者:池井戸 潤
帝都銀行で唯一、行内の不祥事処理を任された指宿修平。顧客名簿流出、現役行員のAV出演疑惑、幹部の裏金づくり。腐敗した組織が罠を用意しているとも知らずに、指宿は奔走する。「総務特命担当者」の運命はいかに!? ☆☆★ 「花咲舞が黙ってない」ドラマ化エピソードが収録されている。銀行ってたいへんやな~ってしみじみ。

新装版 アームストロング砲 (講談社文庫)新装版 アームストロング砲 (講談社文庫)
読了日:06月16日 著者:司馬 遼太郎
幕末随一の文明藩、佐賀藩の鍋島閑叟(かんそう)は、若い秀才たちに極端な勉学を強いた。近習・秀島藤之助は、世界最新の高性能大砲の製造を命じられ、頭脳の限り努力する。酷使された才能は斃(たお)れたが、完成したアームストロング砲は、彰義隊を壊滅させ、新時代を開いた。風雲の中に躍動する男達を描く、傑作9編を収録。☆☆☆ 明治維新の裏話がどっぷりたっぷりと。司馬遼太郎は短編こそ面白い!

浮かぶ飛行島(少年倶楽部文庫)浮かぶ飛行島(少年倶楽部文庫)
読了日:06月19日 著者:海野 十三
欧州から帰航する途中の練習艦明石が、南シナ海のほぼ中央あたりにさしかかった。南シナ海には欧米中が出資した巨大な飛行島が建設中で、明石の乗組員も二十四時間上陸して見学する事になっていた。明石に乗船中の川上機関大尉も又飛行島に上陸した。しかし二十四時間後の点呼時、川上は帰艦しなかった。川上の行方は?そして飛行島の正体とは?★★★ 後に日本SFの父とも呼ばれる作者。これを読んだ子供は自分の未来にどんな夢をもち、どんな日本にあこがれたのか…。今の子どもには勧められない。

瑠璃の雫 (角川文庫)瑠璃の雫 (角川文庫)
読了日:06月22日 著者:伊岡 瞬
母と弟の3人で暮らす小学6年生の杉原美緒。母のアルコール依存によって、親類に引き取られた美緒は心を閉ざしていく。そんな折、元検事の永瀬丈太郎という初老の男と出会う。美緒は永瀬の人柄に心を開いていくが、彼はひとり娘を誘拐されており、大きな心の傷を抱えていた。数年後、美緒は事件を調べ始め、あまりにも哀しい真実を知る。家族とは何か。赦しとは何か。☆☆☆ 自分は人を許せるのか、そして自分は自分を赦せるのか。複雑に絡み合っていく様々なエピソードで読み進めるのに頭を使うが、作者の筆力のおかげで一気に読んだ!

夜の橋 (文春文庫)夜の橋 (文春文庫)
読了日:06月22日 著者:藤沢 周平
博奕に溺れたせいで夫婦別れしたおきくが、半年ぶりに訪ねてきた。再婚話の相談で、もう自分には関係ないと一旦は突き放す民次だったが、相手がまぎれもないやくざ者と分かるや、危険を顧みず止めに出る…雪降る江戸深川の夜の橋を舞台に、すれ違う男女の心の機微を哀感こめて描いた表題作他八篇を収録。☆☆★ 舞台を時代劇にしているだけで、現在と通じる人情話がほろりとさせられる、秀作粒ぞろい!

【映画ノベライズ】女子ーズ (宝島社文庫)【映画ノベライズ】女子ーズ (宝島社文庫)読了日:06月23日 著者:百瀬 しのぶ
名字に色が入っているだけで、ヒロイン戦隊・女子ーズのリーダーにされてしまった赤木直子。しかし、恋、仕事、美容などで忙しいことから、戦いの場にメンバーが集合しない。そう、女子とは、そういうものだから…。直子たちは地球の平和を守れるのか!?爆笑必至の脱力系戦隊ヒーロームービー、まさかの小説化!!☆★★ なんだ、映画ノベライズやったのか。面白かったけど、名前と色がややこしいんで、映画観た方が早い(笑)

ぼくは勉強ができないぼくは勉強ができない
読了日:06月26日 著者:山田 詠美
「ぼくは思うのだ。どんなに成績が良くて、りっぱなことを言えるような人物でも、その人が変な顔で女にもてなかったらずい分と虚しいような気がする」―時田秀美は17歳、サッカー好きの男子高校生。勉強はからっきしだが、めっぽうモテる。発表から四半世紀、若者のバイブルであり続ける青春小説の金字塔。☆☆☆ 山田詠美がこんな青春小説も書けるんや!めちゃくちゃおもしろかってんけど!!

宴のあと (新潮文庫)宴のあと (新潮文庫)
読了日:06月30日 著者:三島 由紀夫
もはや恋愛と無縁だと思っていた料亭の女主人福沢かづは、ある宴席で、独り身の野口雄賢に強く惹かれた。熱情と行動力を備えたかづと、誇り高き元外相の野口は、奈良への旅を経て、結婚する。野口は請われて革新党候補となり、夫妻は選挙戦に身を投じることに。☆☆★ 高級料亭「般若苑」の女将・畔上輝井と、元外務大臣・東京都知事候補の有田八郎をモデルにした作品で、後に、三島と新潮社が訴えられ、長期の裁判沙汰となり、「プライバシー」と「表現の自由」の問題が日本で初めて法廷で争われたそうだ。日本の政治とそれに係わる日本国民の民族性の本質も絶妙に捉えられていて非常に興味深い作品だった。
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