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令和3年度(2021年度)の各種助成金の見直しや新設などについて審議、第162 回労働政策審議会職業安定分科会

2021-02-26 | 書記長社労士 法改正 労働関係
 本日、第162 回労働政策審議会職業安定分科会が、オンラインで開催された。
主な議題は、令和3年度(2021年度)の各種助成金の見直しや新設などについて。

議 題
(1)雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(2)2020年度の年度目標に係る中間評価について

雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案について【概要】
(職業安定分科会関係抜粋)
○ 雇用保険法(昭和49年法律第116号)に基づく各種助成金等について、令和3年度分に係る制度の見直しや新設等を行うもの。見直しや新設の対象となるのは以下の助成金等であり、内容の詳細は別紙のとおり(安定分科会関係は下線関係)。
Ⅰ.雇用保険法施行規則(昭和50年労働省令第3号)の一部改正関係
 1. 労働移動支援助成金
 2. 65 歳超雇用推進助成金
 3. 特定求職者雇用開発助成金
 4. トライアル雇用助成金
 5. 中途採用等支援助成金
 6. 両立支援等助成金
 7. 人材確保等支援助成金
 8. キャリアアップ助成金
 9. 障害者雇用安定助成金
 10. 人材開発支援助成金
 11. 高年齢労働者処遇改善促進助成金
 12. 東日本大震災に伴う特例措置
 13. 認定訓練助成金事業費補助金
Ⅱ.労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律施行規則(昭和41年労働省令第23号)の一部改正関係
 特定求職者雇用開発助成金
Ⅲ.建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則(昭和51年労働省令第29号)の一部改正関係
 1. 人材確保等支援助成金
 2. 人材開発支援助成金
○ その他所要の改正を行う。

Ⅰ.雇用保険法施行規則の一部改正関係


1.労働移動支援助成金
早期雇入れ支援コース奨励金の見直し
【改正後の内容】
 当面の間、優遇助成について、新型コロナウイルス感染症の影響により離職した45歳以上の者を離職前と異なる業種の事業主が雇い入れた場合は次のとおり助成する。
《支給額》
通常の助成 30万円、優遇助成 80万円、優遇助成(賃金上昇) 100 万円


2.65歳超雇用推進助成金
(1) 65歳超継続雇用促進コースの見直し
 改正後の高年齢者等の雇用の安定等に関する法律 (昭和46年法律第68号)の施行(令和3年4月)を踏まえ、以下のとおり見直しを行う。
・60歳以上被保険者数の区分「1~2人」枠と「3~9人」枠を「10人未満」枠に統合のうえ助成額を見直し。
・他社による継続雇用制度の導入を行う送出し事業主が、受入れ事業主の就業規則改正等に必要な経費を全て負担した場合、送出し事業主に対して要した経費の1/2を助成。
・支給申請を行う事業主の負担軽減の観点から、助成金の支給手続から就業規則等の確認に関する事項を削除。

【改正後の内容】
1.定年引上げ又は定年の定めの廃止
60歳以上被保険者10人未満 措置内容(引上げ年齢)65歳25万円、66~69歳 5歳未満30万円・5歳以上85万円、定年の引上げ(70歳以上)又は定年の定めの廃止120万円
60歳以上被保険者10人以上 措置内容(引上げ年齢)65歳30万円、66~69歳 5歳未満35万円・5歳以上105万円、定年の引上げ(70歳以上)又は定年の定めの廃止160万円
2.希望者全員を66 歳以上の年齢までの継続雇用制度の導入
60歳以上被保険者10人未満 措置内容(引上げ年齢)66~69歳 4歳未満15万円・4歳以上40万円、70歳以上80万円
60歳以上被保険者10人以上 措置内容(引上げ年齢)66~69歳 4歳未満20万円・4歳以上60万円、70歳以上100万円
3.他社による継続雇用制度の導入 (令和3年度より助成対象に追加。)
支給額(上限額)66~69歳 4歳未満5万円・4歳以上10万円、70歳以上15万円

(2) 高年齢者無期雇用転換コース及び高年齢者評価制度等雇用管理改善コースの見直し
 支給要件である法令遵守の確認期間について、計画を提出した日の前日から支給申請を行った日の前日までの間とする。

3.特定求職者雇用開発助成金
(1) 助成金の整理統合
 障害者初回雇用コース奨励金の暫定措置については、令和2年度限りで廃止する。


4.トライアル雇用助成金
(1) 一般トライアルコース助成金の見直し
【改正後の内容】
 青少年の雇用の促進等に関する法律(昭和45年法律第98号)第15条の認定を受けた事業主が35歳未満の者を雇い入れた場合に、支給額を月額5万円とする助成措置を廃止する。
(2) 障害者トライアルコース助成金の見直し
 障害者がテレワークで勤務する場合(1週間の所定労働時間の1/2以上を在宅又はその事業主が指定した事業所であり障害者が所属する事業場と異なる事務所で勤務する場合をいう。)には、最大6か月までのトライアル雇用を可能とする。


5.中途採用等支援助成金
(1) 中途採用拡大コース奨励金の見直し


【改正後の内容】
 中途採用者の雇用管理制度を整備した上で中途採用者の採用拡大(①中途採用率の拡大、②45 歳以上の者を初めて採用又は③中途採用に係る情報公開を行い、中途採用者数を拡大)を図った事業主に対して助成する。


7.人材確保等支援助成金
(1) 各コースの改正概要
① 介護福祉機器助成コースの見直し
 機器導入助成については、令和2年度限りで廃止する。
② 介護・保育労働者雇用管理制度助成コースの廃止
 介護・保育労働者雇用管理制度助成コースについては、令和2年度限りで廃止する。
③ 人事評価改善等助成コースの見直し
 制度整備助成については、令和2年度限りで廃止する。
④ 設備改善等支援コースの廃止
 設備改善等支援コースについては、令和2年度限りで廃止する。
⑤ 働き方改革支援コースの廃止
 働き方改革支援コースについては、令和2年度限りで廃止する。


11.高年齢労働者処遇改善促進助成金
① 高年齢労働者処遇改善促進助成金の暫定措置
 雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保を推進する等の観点から、令和6年度までの間に限り、60歳から64歳までの高年齢労働者の処遇改善に向けて、就業規則等の定めるところにより、当該高年齢労働者に適用される賃金規定等の改定に取り組む事業主に対して、高年齢労働者処遇改善促進助成金を助成することとする。
【新設制度の概要】
《対象事業主》
 その雇用する60歳から64歳の労働者に係る高年齢雇用継続基本給付金の受給総額が賃金規定等改定前後において、95%以上減少している事業主
《支給額》
 当該事業所に雇用される労働者に係る、賃金規定等改定前後を比較した高年齢雇用継続基本給付金の受給総額の減少額に、2/3(中小企業事業主にあっては4/5)を乗じた額
※ 令和5年度以降は減少額に、1/2(中小企業事業主にあっては2/3)を乗じた額
※ 6か月に1度、最大4回(2年間)まで申請可能。2回目以降も、初回の申請時に適用された助成率を適用。

Ⅲ.建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則の一部改正
1.人材確保等支援助成金
 建設分野若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース助成金の見直し
【改正後の内容】
賃金助成額を次のように見直す。
中小建設事業主 生産性要件を満たさなかった場合の助成額 8,550円/人・日、生産性要件を満たした場合の助成額 10,550円/人・日

2.人材開発支援助成金
 建設労働者技能実習コース助成金の見直し
【改正後の内容】
 賃金助成について、技能実習を受けさせた建設労働者が、能力、経験等に応じた処遇を受けるための取組を行っている者として職業安定局長が定めるもの(建設キャリアアップシステムの登録者。以下「システム登録者」という。)である場合、平成31年4月1日から令和4年3月31日までに技能実習を開始した場合に限り、次のように助成額を見直す。
 また、当該助成を受けた中小建設事業主が、生産性要件を満たした場合、追加で一定額を支給することとする。
 さらに、被災三県(岩手、宮城、福島)に所在する中小建設事業主に対する助成率の暫定措置を廃止することとする。

議事次第
資料1-1_雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令案要綱
資料1-2_雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案概要
資料2-1_2020年度職業安定分科会における年度目標の中間評価について(案)
資料2-2_2020 年度中間評価 評価シート
参考資料_雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令(案)(安定分科会関係)関係資料


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オンラインになったおかげで参加出来るようになった「中島ゼミ」、今回は国際自動車(第二次上告審)事件「割増賃金相当額を控除する賃金規定の有効性」について学んだ。

2021-02-24 | 書記長社労士 お勉強の記録
【🏃Run6-15 5.31km 31:47 馬入河川敷】 中島光孝弁護士に講師をしてもらい、ゼミ形式にて少人数の社労士で判例を学ぶ勉強会は、2009年6月26日(金)からスタートした。
第一回の「ネスレコンフェクショナリー(関西支店)事件(大阪地裁判 平17.3.30)」から参加させていただいて、「わいわいランド雇用拒絶損害賠償請求控訴事件」【大阪高判平13.3.6】「管理監督者労働時間制度」(判例を記録していない)「大阪府労働委員会(アサヒ急配事件)」【大阪地判平19.4.25】「三都企画建設事件」【大阪地判平18・1・6】岩城硝子ほか事件(大阪地判平10.12.22)「ラクソン事件(東京地判平3.2.25)」「電通事件」(最高裁小判 平12.03.24)東京日新学園事件(東京高裁判平17.7.13)秋北バス事件フジ興産事件【最小判平15・10・10】「改新社事件」【最小判平9.1.28】などなど(漏れもあるかも)、ひじょうに勉強になる勉強会だったのだが、東京での勤務となって2012年8月31日をラストとして、泣く泣く自分は離脱した。

 しかし、2015年06月24日には、ちょうど大阪に帰っているときとスケジュールが合ったので、久しぶりにスポット参加させてもらった。(労基法上の労働時間と労働契約上の労働時間・賃金との関係
そしてコロナ禍の今、中島ゼミがなんとzoomでのオンラインゼミとなったおかげで、昨年の10月30日の中島ゼミに参加することが出来、「労契法20条判決の検討」ということで、①ハマキョウレックス事件最高裁判決(2018年6月1日・民集72巻2号88頁)、②長澤運輸事件最高裁判決(2018年6月1日・民集72巻2号202頁)、③大阪医科薬科大学事件最高裁判決92020年10月13日)、④メトロコマース事件最高裁判決(2020年10月13日)、⑤日本郵便(佐賀)事件最高裁判決(2020年10月15日)、⑥日本郵便(東日本)事件最高裁判決(2020年10月15日)、⑦日本郵便(西日本)事件最高裁判決(2020年10月15日)についての、判決の内容と、労契法旧20条の解釈適用について学んだ。

 そして、先日の2月19日、オンラインゼミの2回目にも参加、オンラインになってもっとも恩恵を受けていると指摘されつつ、参加。
今回は「割増賃金相当額を控除する賃金規定の有効性」として、国際自動車(第二次上告審)事件(最高裁第一小法廷令和2年3月30日判決)について学んだ。


 この裁判については、このブログでも2016-03-23に「歩合給の算定に当たり割増賃金相当額を控除する旨の規定の有効性」で、一番最初の裁判の判決が労働側勝利で「そらそうだ!」という趣旨で書いた。
が、しかし、なぜか最高裁で差し戻しにされ、他の2つの同様の事件と共に、会社側が勝利し続け、「なんでやねん!」ってなっていたのだ。
で、昨年3月30日、国際自動車残業代請求事件に関する3つの訴訟の最高裁判決の期日で、傍聴しにまで行った。
2020-04-01の記事「国際自動車残業代請求事件 最高裁で3つの事件とも労働者側が勝訴!そらそうやろ!!」でも書いたが、今回の最高裁判決では、手当の名称や算定方法だけでなく、労働者に対する補償や使用者に残業抑止の動機付けをさせるという労基法37条の趣旨を踏まえ、賃金体系全体における位置付けなどにも留意すべきだとした。
そのうえで、歩合給から残業代相当額を引く仕組みは、元来は歩合給として支払うことが予定されている賃金を名目のみを残業代に置き換えて支払うものだと指摘している。
労基法37条では残業代計算のベースとなる「通常の労働時間の賃金」と「割増賃金(残業代)」を判別できることが求められているが、残業代の中に歩合給(通常の労働時間の賃金)が相当程度含まれていることになるため、判別ができないとして、残業代が払われたことにはならないと判断した。
歩合給中心の賃金体系(いわゆるオール歩合賃金やB型賃金)が多くなっているタクシー業界ながら、固定給を中心とした賃金体系(いわゆるA型賃金)を採用している事業者も多数あり、それらの割増賃金の計算や、賃金制度にも悪影響を与えかねないこれまでの下級審の判決だっただけに、この最高裁判決で、ほんと、胸をなで下ろしたのだ。


 しかし、なんで高知県観光事件【最小判平成6・6・13】でけりが付いている歩合給の時間外労働の問題が、こんなにも長引いてしまったのか、それが疑問だったが、今回のゼミで、以下の通り、すっきり理解出来た。

 第二次上告審判決は,「使用者が労働者に対して労基法37条の定める割増賃金を支払ったとすることができるか否かのを判断するため」に,次のようなことが必要であると判示していた。
①割増賃金として支払われた金額が,通常の労働時間の賃金に相当する部分の金額を基礎として,労基法37条等に定められた方法により算定した割増賃金の額を下回らないか否かを検討することになる」と判示している(労判1220号13頁左列下段イ)。
②その前提として,労働契約における賃金の定めにつき,通常の労働時間の賃金に当たる部分と労基法37条の定める割増賃金に当たる部分とを判別することができることが必要。
③判別可能といえるためには,当該手当が時間外労働等に対する対価として支払われるものとされていることが必要。
しかし、第一次上告審判決は,①②の記載はあるが,③の記載がなかった。

 第一次上告審判決は,本件賃金規則の定めが労基法37条の趣旨に反するものとして公序良俗に反し無効であるとはいえないと判示しているが,第二次上告審判決はその点について触れていない。
本件賃金規則の定めが労基法37条に違反するかどうかが問題ではなく,本件賃金規則の定めによって算定された割増賃金が労基法37条に違反するかどうかが問題であるから触れる必要はない、また,労基法37条に違反した場合には労基法13条により無効であるから,公序良俗(民法90条)を持ち出す必要がない、と判断していると思われる。

 第二次上告審判決は,本件賃金規則は労基法37条の趣旨に沿うものとはいえない,労基法37条の定める割増賃金の本質から逸脱しているなどと判示しているが,第一次上告審判決は,このような判断をしていなかった。

 これらのことによって、第一次上告審判決の差戻後控訴審判決が、誤った判断をした理由だと思われ、それでこの裁判が長期化してしまったとのことだ。

 ところで、「この裁判では一貫して、経営側は「本件規定は,労使間の合意に基づき定められ,労働契約の内容となっている。」という主張をし、第2事件の二審・東京高判平30.1.18(労判1177号75頁)でも、そのことが評価されていたが、第二次上告審判決では、そのことが触れられていないがなぜか」と、中島先生に質問した。
中島先生は「労基法37条は『強行規定』であり、労基法37条に違反した場合には労基法13条により無効であるから,公序良俗(民法90条)と同様に、そのようなことを持ち出す必要がない、と判断したと思われる」とのことだった、納得だ。

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2021年1月に読んだ本

2021-02-22 | いい本読んでます?
1月の読書メーター 読んだ本の数:9 読んだページ数:3037

完全犯罪に猫は何匹必要か? (光文社文庫)完全犯罪に猫は何匹必要か? (光文社文庫)
読了日:01月04日 著者:東川 篤哉
『招き寿司』チェーン社長・豪徳寺豊蔵が破格の金額で探偵・鵜飼杜夫に愛猫の捜索を依頼した。その直後、豊蔵は自宅のビニールハウスで殺害されてしまう。なぜか現場には巨大招き猫がおかれていて!?そこでは十年前に迷宮入りした殺人事件もおきていた。事件の鍵を握るのは“猫”?☆★★ 子どもが読むミステリーかな。漫画にしたら面白そう。

父からの手紙 (光文社文庫)父からの手紙 (光文社文庫)
読了日:01月12日 著者:小杉 健治
家族を捨て、阿久津伸吉は失踪した。しかし、残された子供、麻美子と伸吾の元には、誕生日ごとに父からの手紙が届いた。十年が経ち、結婚を控えた麻美子を不幸が襲う。婚約者が死体で発見され、弟が容疑者として逮捕されたのだ。姉弟の直面した危機に、隠された父の驚くべき真実が明かされてゆく。☆☆★ 先が読めそうな気がしてなかなか読み切れないもどかしさ。ドラマ化されたのか、前に一度読んでいたのか、何となく知っている話しだったってのもあって。

あなたみたいな明治の女(ひと)あなたみたいな明治の女(ひと)
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木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫)
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独身獣医の伯朗のもとに、かかってきた一本の電話―「初めまして、お義兄様っ」。弟の明人と最近、結婚したというその女性・楓は、明人が失踪したといい、伯朗に手助けを頼む。原因は明人が相続するはずの莫大な遺産なのか。調査を手伝う伯朗は、次第に楓に惹かれていくが。恋も謎もスリリングな絶品ミステリー。☆★★ ドラマが面白かったから原作本を。設定がいろいろ違うが、どちらも甲乙付けがたく良い!

初恋温泉 (集英社文庫)初恋温泉 (集英社文庫)
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初恋の女性と結婚した男。がむしゃらに働いて成功するが、夫婦で温泉に出かける前日、妻から離婚を切り出される。幸せにするために頑張ってきたのに、なぜ―表題作ほか、不倫を重ねる元同級生や、親に内緒で初めて外泊する高校生カップルなど、温泉を訪れる五組の男女の心情を細やかにすくいあげる。日常を離れた場所で気づく、本当の気持ち。切なく、あたたかく、ほろ苦い恋愛小説集。☆☆★ すべてのエピソードにとっても感情移入してしまったが、ほろ苦くもあり怖い物語もあり…。

8年 (集英社文庫)8年 (集英社文庫)
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あの頃ぼくらはアホでした (集英社文庫)あの頃ぼくらはアホでした (集英社文庫)
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命がけの学生時代!抱腹絶倒の青春記。小学校から大学まで、疾風怒濤の学生時代をパワフル&赤裸々に語る爆笑エッセイ。☆☆★ いやはや、自分もあの頃ほんまアホでしたわ~(T-T)

帰郷 (集英社文庫)帰郷 (集英社文庫)
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戦争は、人々の人生をどのように変えてしまったのか。帰るべき家を失くした帰還兵。ニューギニアで高射砲の修理にあたる職工。戦後できた遊園地で働く、父が戦死し、その後母が再婚した息子…。戦争に巻き込まれた市井の人々により語られる戦中、そして戦後。時代が移り変わっても、風化させずに語り継ぐべき反戦のこころ。戦争文学を次の世代へつなぐ記念碑的小説集。第43回大佛次郎賞受賞作。☆☆★ 戦争に運命を引き裂かれた名もなき人々を描いた物語の短編集。あの戦争がどれだけ馬鹿げていて狂気の沙汰だったのかがしみじみわかる。今のコロナ対策で迷走する日本政府(自民党・公明党政権)も同じ轍を踏んでいるのが恐怖だが…。
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厚労省から2月12日にプレスリリースされた「新たな雇用・訓練パッケージ」に関連する内容について審議、第161回労働政策審議会職業安定分科会

2021-02-19 | 書記長社労士 法改正 労働関係
 本日、第161回労働政策審議会職業安定分科会が、オンラインで開催され、厚労省から2月12日にプレスリリースされた「新たな雇用・訓練パッケージ」 https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000204414_00011.html に関連する内容について審議した。

(1 )雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について( 諮問)
(2 )新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について( 諮問)
(3 )職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について( 諮問)


 議題1に関しては、緊急事態宣言対象地域の知事の要請を受けて営業時間の短縮等に協力する飲食店等の大企業や、生産指標(売上等)が前年又は前々年同期と比べ最近3か月の月平均値で 30%以上減少した全国の大企業に関して、当該宣言が全国で解除された月の翌月末まで、雇用調整助成金等の助成率を以下のとおり最大 10 /10とする予定となっているが、その詳細と、今般、該当する大企業に加え、中小企業の全ての事業所を対象として、令和3年1月8日以降、緊急事態宣言解除月の翌月末までの休業等については、雇用維持要件を緩和し、令和3年1月8日以降の解雇等の有無により、適用する助成率を判断するといった内容。
※現行の特例措置では、令和2年1月 24 日以降の解雇等の有無により確認。

〇改正の概要
① 雇用調整助成金の特例措置(地域的な特例(③のb 及びc)は除く。)については、緊急事態解除宣言がされた日(以下「緊急事態解除宣言日」という。)の属する月の翌月の末日まで行うこととしているが、当該特例措置について令和3年2月中に緊急事態宣言が解除されたときは、令和3年4月30 日まで行うこととする。

② 新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24 年法律第31 号)に基づくまん延防止等重点措置実施区域のうち職業安定局長の定める区域の属する都道府県の知事が基本的対処方針に沿って行う新型インフルエンザ等対策特別措置法施行令第11 条第1項に規定する施設における営業時間の短縮等の要請を受けて、新型コロナウイルス感染症関係事業主が行った、まん延防止等重点措置を実施すべき期間の初日から当該期間の末日の属する月の翌月の末日(当該期間の属する月の末日よりも緊急事態解除宣言日の属する月の翌月の末日が前にあるときは、緊急事態解除宣言日の属する月の翌月の末日)までの期間中の休業等については、助成率を5分の4(解雇等を行っていない場合には10 分の10)とする。

③ 新型コロナウイルス感染症関係事業主が行った以下の休業等について、令和3年1月8日以降解雇等を行っていない場合には、助成率を10 分の10 とする。
a 中小企業事業主が行った令和3年1月8日から緊急事態解除宣言日の属する月の翌月の末日(同年2月中に緊急事態宣言が解除されたときは同年4月30 日。以下同じ。)までの期間中の休業等
b 大規模事業主が緊急事態宣言の対象区域の知事等の要請を受けて行った当該区域において緊急事態措置を実施すべき期間の初日から当該期間の末日の属する月の翌月の末日までの期間中の休業等
c 大規模事業主が重点区域の知事の要請を受けて行った当該区域について措置を実施すべき期間の初日から当該期間の末日の属する月の翌月の末日までの期間中の休業等
d 大規模事業主であって特に業況が悪化しているものとして職業安定局長の定める要件に該当するものが行った令和3年1月8日から緊急事態解除宣言日の属する月の翌月の末日までの期間中の休業等

〇根拠法令 雇用保険法(昭和49 年法律第116 号)第62 条第1項第1号及び第2項

〇施行期日等
公布日:令和3年2月下旬
施行期日:公布の日から施行し、上記「2.改正の概要」の②については、令和3年2月13 日以降に開始した休業等について適用し、③については、令和3年1月8日以降(③のc については令和3年2月13 日以降)に開始した休業等について適用する。


 なお、判定基礎期間のなかに令和3年1月8日が入っていれば、その判定基礎期間が全体が特例の助成率となるそうだ。

 議題2については、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金(以下「休業支援金・給付金」という。)については、雇用調整助成金の活用もままならない中小企業の労働者を対象としてきたが、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、シフト制で働く労働者等が多い飲食店等を中心に大企業にも大きな影響が生じているため、 緊急事態宣言下における 大企業への雇用維持支援策の強化として、大企業労働者の中でも、休業手当を受け取りづらい、シフト制等の勤務形態で働く労働者が休業手当を受け取れない場合に、例外的に休業支援金・給付金の対象とするという内容。

〇改正の概要
◎ 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金の支給の対象として、令和3年1月8日以後の期間(※1)について、事業主が休業(※2)させ、休業手当を受け取っていない被保険者であって、大企業に雇用されるシフト労働者等を加えることとする。
(※1)都道府県知事が行った時短要請等がされた日(昨年末の感染拡大において、北海道がすすきの地区を対象に先駆けて令和2年11 月7日に独自の時短要請を行ったことを踏まえ、令和2年11 月7日以後の日に限ることとする。)以後の休業についても、時短要請がされた都道府県ごとに、区域、業種を問わず対象とする。
(※2)過去に一定の勤務実績があり、かつ、新型コロナウイルス感染症の影響がなければ同様の勤務を続けさせていた事業主の意向が確認できた場合等、休業支援金の支給に当たり休業させたと判断できる場合を含む。

◎ また、上記に加え、令和2年4月1日から昨年の緊急事態宣言の解除月の翌月である同年6月30 日までの間の休業についても、休業前賃金の6割の額(※3)を支給することとする。
(※3)原則として休業前賃金の8割の額を日額として支給しているところ、当該期間における雇用調整助成金の助成率(中小企業10/10、大企業3/4)とのバランス等をふまえ、休業前賃金の6割の額とする。

◎ あわせて、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金の対象となる休業の期限について、令和3年2月中に緊急事態解除宣言がされた場合にあっては、同年4月30 日までとすることとする。

〇根拠法令 特例法第8条

〇施行期日等
公布日:令和3年2月下旬(予定)
施行期日:公布の日



 議題3については、新型コロナウイルスの影響により、休業を余儀 なくされる方や、シフトが減少したシフト制で働く方が、仕事と訓練受講を両立しやすい環境整備を図ることで、自らの職業能力を向上させ、今後のステップアップに結び付けられるよう支援していくことが重要であることから、求職者支援制度への特例措置の導入、職業訓練の強化、ハローワークにおける積極的な職業訓練の周知及び受講斡旋を実施し、「訓練による雇用の質的強化」をおこなうという内容。

〇改正内容
(1) 求職者支援訓練の訓練期間等の認定基準に関する特例措置(令和4年3月末まで)
◎認定基準のうち、実践コースに係る訓練期間及び訓練時間に関する要件について、規則第2条第5号及び第6号の規定により、訓練期間は原則として3月以上6月以下(一部例外として2月以上6月以下)、訓練時間は原則として月100 時間以上かつ一日当たり5時間以上6時間以下とされている。
 今般、仕事をしながら訓練を受講しやすくするため、在職者である特定求職者等に対する訓練コースについて、訓練期間は2週間以上6月以下、訓練時間は原則として月60 時間以上かつ一日当たり2時間以上6時間以下とする特例措置を設ける。
◎認定基準のうち、実践コースに係る就職率に関する実績要件について、規則第2条第1号ロ(1)の規定により、申請職業訓練を行おうとする都道府県と同一の都道府県の区域内において、連続する3年の間に2コース以上の認定職業訓練を行った場合であって、当該訓練の修了者等の就職率が一定の割合(35%)を下回ったコースが2コース以上あった実施機関については、1年間認定を受けることができず、その1年間経過後、連続する3年の間に2コース以上の認定職業訓練について、再び当該就職率を下回った場合、5年間認定を受けることができない。
 今般、上記の特例措置により実施可能となる認定職業訓練について、当該就職率の基準を30%に緩和する。
◎認定職業訓練(実践コース)の実施機関に対する認定職業訓練実施奨励金について、規則第8条において、認定職業訓練実施基本奨励金と認定職業訓練実施付加奨励金を支給することとされており、認定職業訓練実施付加奨励金は、就職率が35%以上60%未満の場合に修了者1人当たり月1万円を、就職率が60%以上に修了者1人当たり月2万円を支給することとされている。
 今般、仕事をしながら訓練を受講しやすい短期間又は短時間の訓練コースの設定を促すため、上記の特例措置により実施可能となる認定職業訓練について、修了者1人当たり月1万円を支給する就職率の基準を30%以上55%未満に、同様に月2万円を支給する就職率の基準を55%以上に緩和する。
◎認定職業訓練(実践コース)の実施機関に対する認定職業訓練実施奨励金について、規則第8条において、支給単位期間が28 日未満の場合は日割り計算を行うこととされている。
 今般、短期間の訓練コースの設定を促すため、訓練期間が28 日未満の訓練コースについては、日割り計算をせず、支給単位期間における日数が28 日以上の場合と同様の取扱いとする。

(2) 職業訓練受講手当の収入要件に関する特例措置(令和3年9月末まで)
◎訓練受講期間中に訓練受講者へ支給する職業訓練受講手当について、規則第11 条第1項第1号において、月の収入が8万円以下であることを支給の要件としているが、シフト制で働く方等については、月12 万円以下に引き上げる特例措置を設ける。
 なお、職業訓練受講手当は、おおむね1月ごとに区切られた支給単位期間ごとに支給申請を行い、当該支給単位期間について支給決定をすることとなっている。本特例措置は、支給単位期間の初日が施行日から令和3年9月30 日までの間にある場合に、当該支給単位期間以降の支給単位期間(同年9月30 日以降のものを含む。)について適用するものであり、施行日前に訓練の受講を開始した場合にも、施行日以降の支給単位期間について適用する。

〇根拠規定 法第4条第1項第3号、第7条第2項及び第19 条

〇施行期日等(予定)
公布日:令和3年2月25 日(予定)
施行期日:公布の日


議事次第
資料1-1_雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱
資料1-2_雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案概要
資料2-1_新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱
資料2-2_新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案概要
資料3-1_職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱
資料3-2_職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律施行規則の一部を改正する省令案概要


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オンラインシンポジウム「コロナ禍で交通の安全が危ない!~ライドシェア・ギグエコノミーの問題」を開催した

2021-02-18 | 書記長社労士 公共交通

 2月16日、交通の安全と労働を考える市民会議―「ライドシェア」問題を考える― www.forumtsl.org は、「コロナ禍で交通の安全が危ない!~ライドシェア・ギグエコノミーの問題」をテーマに、初めてのオンライン集会を開催した。

 オープニングは少しもたついたが、予定通り17:30に開会、主催者として、代表世話人の宮里邦雄弁護士(日本労働弁護団元会長)がオープニングの挨拶をおこなった。

 最初のスピーカーは、「コロナ禍による公共交通への影響」について、戸崎肇桜美林大学航空マネジメント学群教授。
コロナ禍前の公共交通では、路線バスでは、地方は人口減少とマイカー社会の進展⇒公共交通に対する需要の減、都市部は運転者不足⇒収益が見込まれても運行便数の削減、貸切バスはインバウンド需要の急増⇒供給体制の逼迫化、コミュニティ・バスは運転者不足による事業継続性の困難化、という問題を抱えていた。
コミュニティの重要性と地方交通の限界性が課題となっていて、住民による自主的取り組み(顔の見える助け合い)、地方交通会議の機能性、交通行政の在り方(継続性、行政機関間の連携性)、首長の取り組み姿勢の重要性をいかに克服するかが課題であった。


 しかし、コロナ禍は、インバウンド需要の激減(2019年3188万人⇒2020年411万人)、外出自粛による移動需要の減少⇒特に夜間外出の制限は、タクシー、鉄道に大きな影響を与える、テレワークやオンライン会議など「働き方改革」の推進、「巣ごもり需要」⇒「ウーバーイーツ」などギグ・エコノミーの躍動、スマートシティ、MaaSなどの動き、GO TO キャンペーンの評価などの事態をもたらした。
そういった中で、「混乱の中で、拙速な対応がとられないように注視すること。」「今だからこそ、公共交通の存在意義について問い直し、その維持・向上のための体制を再構築すること。」「公共性、安全性」「他の政策目的との連動性」について取り組まなければならないと述べた。

 続いて、市民会議事務局で、日本労働弁護団常任幹事・本部事務局次長、ウーバーイーツユニオン法律顧問の川上資人弁護士が「『ライドシェア』の問題点について~コロナ禍のギグエコノミーから考える~」についてスピーチ。


 私たち市民会議は、2016年8月に発足以来、🔼のように運動を展開してきた。
私達は、世界で展開し、日本にも入ってこようとしているライドシェアは、①一般ドライバーが旅客運送をすることの安全上の問題、②「ライドシェア」企業(ウーバー、リフト等)が法律上の責任を一切負わないという問題、③ドライバーに労働法が適用されない(契約の一方的変更、解約が横行。労災不適用。労働組合の否定。)問題、④「ライドシェア」企業は、利用者、ドライバーの両者に対して一切責任を負わない問題、⑤法定の安全管理義務を履行するタクシー業者との不公正競争の問題、があるとして、交通の安全と労働を考える、「ライドシェア」問題を考えるために運動を展開してきた。
ライドシェアが世界中でもたらしてきた問題、具体的には、①対ドライバー⇛雇用責任の不在、②対利用者⇛運送責任の不在等、③度重なる違法行為、④公共交通の破壊、⑤交通渋滞による環境破壊、⑥必要性の欠如、⑦誰のため?、という問題点について指摘してきた。


 今、コロナ禍で明らかになったギグエコノミーの実態(ウーバーイーツ)は、①多数の配達員が配達市場に流入、②仕事量の減少と賃金の低下、③事故の増加(労災不適用、休業補償なし)、④被害者の放置、⑤プラットフォーム企業は労働者、利用者のどちらに対しても一切法的責任を負わない。
そして、このことで、ギグ・エコノミーがどのような結果をもたらすかが明らかになった。
ひとつは、労働組合の否定と賃金の低下。
「団体交渉は、先進国において、包括的成長をもたらす重要なツールである。アメリカにおいては、賃金格差を縮小させるのに重要な役割を果たしていた。」「労働者の賃金において、組合賃金プレミアム(union wage premium)は大きな割合を占める。特に低中所得者層にとってその割合が大きい。- “Report of the Commission on Inclusive Prosperity”, Center for American Progress, 2015年1月」「『シェアリングエコノミー』は、労働者を個人事業主とすることで、労働組合を排除する。」、ハーリー・シェイクン教授(カリフォルニア大学バークレー校)、「『シェアリングエコノミー』は、多くの場合、組合を回避するための経営者の戦略だ。ウーバーやリフトは労働者を個人事業主と位置付けることで組合の結成を回避している。」ということ。
そして、労働法、社会保険の不適用。
「『シェアリングエコノミー』の働き方は、リスクを企業から個人の肩の上に移すものだが、往々にして労働者はどのようなリスクを引き受けているのかを正しく理解していない。」(2015年1月26日ワシントンポスト)、社会保障費の増大
「社会保障のない『シェアリングエコノミー』で得る仕事が唯一の収入源の場合、労働者と国家が社会保障のコストを負担することになる。」(“Report of the Commission on Inclusive Prosperity”, Center for American Progress, 2015年1月)
だから、同じルールの下で、「不公正な競争⇛劣悪な労働条件⇛利用者の危険」ではなく、「公正な競争⇛健全な労働条件⇛利用者の安全」を求めていかなくてはならないと訴えた。

 最後に、浦田誠国際運輸労連(ITF)政策部長が「世界各国のギグエコノミー・ライドシェアの現状」について報告。
昨年1月、カリフォルニア州は配車サービスなどで単発的に働く、いわゆる「ギグワーカー」を請負業者ではなく従業員として扱うよう義務付ける新法「AB5(Assembly Bill 5)」を施行したが、11月3日行われた住民投票で、同州の運転手を社員とみなす取り組みから両社のビジネスモデルを守る措置が承認された。
カリフォルニア州の新しい労働法「AB5」はギグエコノミー企業の運転手に社員と同じ福利厚生を提供することを目指したものだが、こうした企業は自社の運転手をAB5の対象外にするためプロポジション22を立案し、これに関連して数億ドルを投じてキャンペーンを展開してきたが、ウーバーやリフトの主張が通ったという結果だ。

 一方で、ギグ労働者の労働者性をめぐる裁判では、フランスの2つの裁判、イタリア、スペインでは、最高裁で労働者性を認める判決が出、オーストラリア連邦裁では詳細は非公開だが和解、イギリス最高裁では、2月19日に判決が出る予定だが、これまでの下級審では原告が勝訴している。


 また、ノルウェー、オーストラリア、韓国、デンマーク、スウェーデンでは、ギグワーカーが加盟する労働組合との労働協約が締結された事例を紹介。
特に、ウーバーマン(ウーバーを、デンマークから完全撤退させる運動の起爆剤となった映像クリップ Uberman på plejehjem)を作ったデンマークの合同労連と商工会議所が締結し、ジャストイートが直ちに調印した中央労働協約の内容について詳細に報告した。



 今回のオンラインシンポは、全体では100名の参加で、国会議員も衆議院・参議院合わせて、27名が参加してくださった。
参加していただいた議員を代表して、道下大樹衆議院議員(北海道1区)、小沼巧参議院議員(茨城県)から、今回のシンポであぶりだされた政策課題について発言していただいた。
参加者からの質問を受けた後、最後に事務局の山口広弁護士(内閣府消費者委員会元委員)の閉会挨拶で、シンポジウムを終了した。

 シンポジウム終会後、デジタルデバイドの関係もあって、発信基地とした田町の交通会館(連合東京会議室)に集まったメンバーでの総括では、初めてのオンラインシンポジウムが、運営的にはぎくしゃくしながらも、多くの皆さんに、そして地域を越えて参加していただけたことに手応えを感じ、味を占め、オンラインならではの企画を議論。(各地方で開催する、海外から招聘する等に比較すると、いや、比較するまでもなく費用が掛からない、日本中、いや世界中の皆さんと共有出来る、などなど、たいへん企画側としては自由度が上がった!もっと工夫すれば時間的制約も超えられそうだ)
ということで、今のところざっくりながら、
■市民会議がこれまでにギグワークについて示した懸念が、コロナ禍の中でウーバーイーツなどで現実化していることをクローズアップしたイベント
■イギリスの元ウーバー運転手で労働者性を裁判で争っている原告を招いて、お話を聞くイベント
■地域の公共交通の現状と、その対策について考えるイベント
などがアイディアとして挙がったので、しっかりと練り込んでいきたい。

 反省点も大いにあった。
うちの組織からの参加者が少なかったことが痛恨、告知が弱かったことを反省しつつ、縦はもちろんのこと、横についても、次はもっと工夫をしたい。

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交運労協ドキュメンタリー・ショートムービー「KeyWorkers」~いつかの出会いに思いを馳せて~

2021-02-17 | 書記長社労士 公共交通

交運労協は、全国60万人の鉄道・航空・バス・タクシー・トラック・船舶・港湾・観光などに携わる労働者が加盟する労働組合です。このたび、長く厳しいコロナ禍のなかでも、懸命に陸・海・空の移動とくらしを支える現場の実態を伝え、全国の現場で働く人にエールを届けるために「KeyWorkers」ムービーと特設サイトを公開しました。
ムービー⇒https://youtu.be/AhCyEJKbeYg

ぜひ、本ムービーで現場からのエールをご覧ください。
そして、このエールをあなたの周りの「Keyworker」に届けていただければと思います。

●特設サイト「KeyWorkers」:https://keyworkers.jp

~ 「KeyWorkers」とは ~
交運労協では、コロナ禍で自粛を要請されている中長距離の移動と二次交通や観光業を中心に、陸・海・空の交通運輸・観光産業の垣根や地域・企業の枠を超えて、くらしを支える移動の現場で働く労働者は「KeyWorker=社会の『鍵』となる『大事な働き手』」であると考え、本プロジェクトを始動しました。

今日も変わらず、粛々と
制服の襟を正し、持ち場を整える。

家を踏み出し、目的地に向かう
あなたの道が滞らぬように。

全国津々浦々で、
無数のバトンを繋ぐ。

明日も明後日も、準備万端、
現場に精を出す。

いつかの出会いに、思いを馳せて。

~~KeyWorkersから、届けエール~~
新型コロナウィルスが猛威を振るうなかで、全国のまちに、みなさんの移動を支える私たちの仲間がいます。

私たちは、厳しい状況のなかでも、みなさんの日常を止めないために、感染対策に細心の注意を払いながら職務を全うしています。

それは、私たち1人1人が、社会にとって不可欠な存在「KeyWorker(キーワーカー)」としての誇りを持って日々の仕事に向かい合っているからです。

皆さんやご家族が職場や学校、病院、買い物などに向かう日常の足、あるいは遠くに向かうための移動の現場を、今日も名もなきKeyWorkerたちが支えています。

いつか笑顔で自由に移動ができる日が来ることを願って、私たちKeyWorkersから全国のみなさんへエールを届けられたらと思います。


●各産業の「KeyWorkers」インタビューページ
鉄道: https://www.keyworkers.jp/railroad/​
タクシー: https://www.keyworkers.jp/taxi/​
バス: https://www.keyworkers.jp/bus/​
航空: https://www.keyworkers.jp/aviation/​
船: https://www.keyworkers.jp/ship/​
旅行代理店: https://www.keyworkers.jp/trip/​
ホテル・旅館: https://www.keyworkers.jp/hotel/​

●Twitterアカウント: @KeyWorkers_Jp
●Facebookページ: https://www.facebook.com/KeyWorkersJP​

●撮影協力会社(50音順)
・小田急電鉄株式会社
・株式会社熊本駅構内タクシー
・熊本市交通局
・四国旅客鉄道株式会社(JR四国)
・全日本空輸株式会社
・東海汽船株式会社
・東海旅客鉄道株式会社(JR東海)
・新潟交通株式会社
・日本航空株式会社
・株式会社函館国際ホテル
・株式会社阪急交通社

【交運労協とは】
http://www.koun-itf.jp/
交運労協(全日本交通運輸産業労働組合協議会)は1987年10月8日に東京で結成総会を開催し、2017年10月に結成30周年を迎えました。現在18構成組織、組合員は約60万人です。日本における陸・海・空の交通運輸・観光産業で働く労働者の大産業別組織です。交運労協はナショナルセンターである「連合」とも密接な連携を行っています。また、世界の交通運輸労働者と連帯するためITF(国際運輸労連)に加盟しています。

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開催告知 オンラインシンポジウム「コロナ禍で交通の安全が危ない! ~ライドシェア・ギグエコノミーの問題」

2021-02-09 | 書記長社労士 公共交通

 交通の安全と労働を考える市民会議―「ライドシェア」問題を考える― www.forumtsl.org は、「コロナ禍で交通の安全が危ない! ~ライドシェア・ギグエコノミーの問題」をテーマにオンライン集会を以下の通り開催する。

集会名:コロナ禍で交通の安全が危ない! ~ライドシェア・ギグエコノミーの問題

集会の趣旨:各分野の公共交通機関の危機・衰退が深刻化する中で、ギグエコノミー・ライドシェアの増大による雇用社会の崩壊の危機が進行しつつあります。そこで3氏の話を聞き、国会議員にもご参加いただいて一緒に考えましょう。

日時:2021年2月16日(火) 17:30~19:00

内容:
1 コロナ禍による公共交通への影響 戸崎肇桜美林大学教授・市民会議代表世話人
2 雇用によらない労働者の現状と課題 川上資人弁護士 早稲田リーガルコモンズ法律事務所・市民会議事務局
3 世界各国のギグエコノミー・ライドシェアの現状 浦田誠国際運輸労連(ITF)政策部長

開催場所:Zoom(事前申込必須)

参加費:無料

参加方法:下記URLをクリックすると、申し込みフォームに繋がります。必要事項を回答し、お申し込みください。

 【参加登録URL】 https://kokucheese.com/event/index/608207/

お申し込み後、ご登録いただいたe-mailアドレス宛に登録確認のメールが送信されます。

そちらに集会の接続先URLが記載されていますので、必ずご確認ください。

また、追って事前配布資料等をお送りいたします。

多くの皆様のご参加をお待ちしております。よろしくお願いいたします。


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雇用調整助成金の特例措置の期間を緊急事態宣言が全国で解除された月の翌月末まで延長する、などを審議 第160回労働政策審議会職業安定分科会

2021-02-05 | 書記長社労士 法改正 労働関係
 本日、第160回労働政策審議会職業安定分科会が、オンラインで開催された。

(1)育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案要綱について(諮問)
(2)雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(3)新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱について(諮問)
(4)労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令の一部を改正する政令案要綱について(諮問)
(5)職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示、労働者の募集を行う者等の責務、労働者供給事業者の責務等に関して適切に対処するための指針の一部を改正する件案要綱について(諮問)
(6)その他

 議題1については、先日、このブログでも紹介した「男性の育児休業取得促進等に係る育児休業給付制度等の見直し」(育児休業給付制度の見直しと令和3年度の雇用保険率 第159回労働政策審議会職業安定分科会)についての改正法律案について。

 議題2については、雇用調整助成金の特例措置の延長に関するもの。

雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案について(概要)
1.趣旨
 今般の新型コロナウイルス感染症に伴う経済上の理由により、急激に事業活動の縮小を余儀なくされた事業主に対し、雇用維持の支援を図るため、雇用調整助成金制度の特例措置を講ずることを内容とする雇用保険法施行規則(昭和50 年労働省令第3号)の改正を行う。

2.改正の概要
① 新型コロナウイルス感染症に係る特例措置の期間を緊急事態宣言が全国で解除された月の翌月末まで延長する。

 ◆ 例えば3月7日に全国が解除された場合、4月末まで延長となる。
 ◆ どこか一つでも緊急事態宣言が解除されない都道府県があれば、そこが解除された月の翌月末まで、全国で延長される。

② 緊急事態宣言の対象地域の都道府県知事等の要請を受けて、営業時間の短縮等に協力する飲食店等に関して、大規模事業主が行う休業等に関する特例措置※について、緊急事態宣言が全国で解除された月の翌月末まで行うこととする。
※助成率:4/5(解雇等を行っていない場合:10/10)

③ 令和3年1月8日から緊急事態解除宣言日の属する月の翌月末までの期間において、業況が特に悪化している大規模事業主が行う休業等について、助成率を4/5(解雇等を行っていない場合には10/10)とする。

 ◆ ②について緊急事態宣言の対象地域の都道府県知事等の要請の「等」については、準じた取り組みを行う地域も含むとのこと。
 ◆ ③については、緊急事態宣言の発令していない地域でも適用される。
 ◆ 「業況が特に悪化している」というのは、生産指標(売上等)が前年又は前々年同期と比べ、最近3か月の月平均値で 30%以上減少した大企業とされる。
 ◆ ②③とも教育訓練も含むとのこと。

3.根拠法令
雇用保険法(昭和49 年法律第116 号)第62 条第1項第1号及び第2項

4.施行期日等
公布日:令和3年2月上旬
施行期日:公布の日から施行し、上記②及び③については、令和3年1月8日以降に開始した休業等について適用する。


 なお、「緊急事態宣言が全国で解除された月の翌月末」の翌月からは、1月22日に厚生労働省より報道発表がされた内容となる予定。(雇用調整助成金の特例措置等の延長等について
(施行にあたっての厚生労働省令の改正等は、今回はなかった)
<緊急事態宣言が全国で解除された月の翌々月から2か月間の措置として想定する具体的内容>
○原則的な措置を以下のとおりとする。
・雇用調整助成金等の1人1日あたりの助成額の上限:13,500 円(現行 15,000円)
・事業主が解雇等を行わず、雇用を維持した場合の中小企業の助成率:9/10(現行 10/10)
※ 休業支援金等の1人1日あたりの助成額の上限:9,900 円(現行 11,000 円)

○感染が拡大している地域(※1)・特に業況が厳しい企業(※2)の雇用維持を支援するため、特例を措置(上限額 15,000 円、助成率最大 10/10)。
※1 内容は追って公表予定
※2 生産指標(売上等)が前年又は前々年の同期と比べ、最近3か月の月平均値で 30%以上減少した全国の事業所


 議題3については、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金の支給の対象となる休業の期間を、雇用調整助成金と同様に延長するというもの。
なお、本日、「休業支援金・給付金の大企業の非正規雇用労働者の取扱い及び雇用調整助成金の雇用維持要件の緩和等について」がプレスリリースされた。https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000107715_00003.html

休業支援金・給付金の大企業の非正規雇用労働者の取扱い及び雇用調整助成金の雇用維持要件の緩和等について
(注)以下は、政府としての方針を表明したものです。施行に当たっては厚生労働省令の改正等が必要であり、現時点の予定となります。

1.休業支援金・給付金における大企業の非正規雇用労働者の取扱いについて
 新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金(以下「休業支援金・給付金」という。)については、雇用調整助成金の活用もままならない中小企業の労働者を対象としてきましたが、今般、本年1月からの緊急事態宣言の影響を受ける大企業にお勤めの、一定の非正規雇用労働者の方についても、休業手当を受け取れない場合に休業支援金・給付金の対象とする予定です。
 具体的な対象は以下のとおりです。なお、受付開始時期は2月中下旬頃を予定しておりますが、申請方法等の詳細については、改めてお知らせします。

 大企業に雇用されるシフト労働者等(注)であって、事業主が休業させ、休業手当を受け取っていない方
 (注)労働契約上、労働日が明確でない方(シフト制、日々雇用、登録型派遣)
 対象となる休業期間: 令和3年1月8日以降


 議題4については、派遣法における、「へき地の医療機関への看護師等の派遣」と「社会福祉施設等への看護師の日雇派遣」を認めるという改正。

 議題5については、職業紹介事業者が、求職者に対して金銭等を提供することにより転職を勧奨し、労働市場における需給調整機能を歪めている側面を踏まえ、指針の一部を改正するもの。

議事次第
資料1_育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案要綱
資料2-1_雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案要綱
資料2-2_雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案概要
資料3-1_新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案要綱
資料3-2_新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための雇用保険法の臨時特例等に関する法律施行規則の一部を改正する省令案概要
資料4-1_労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令の一部を改正する政令案要綱
資料4-2_労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行令の一部を改正する政令案概要
資料5-1_職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示、労働者の募集を行う者等の責務、労働者供給事業者の責務等に関して適切に対処するための指針の一部を改正する件案要綱
資料5-2_職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示、労働者の募集を行う者等の責務、労働者供給事業者の責務等に関して適切に対処するための指針の一部を改正する件案概要
参考資料_雇用保険部会報告書

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私鉄総連の21春闘統一要求、春闘方針を決定。コロナ禍の中で…うちの春闘会議では人件費抑制・削減策の提案を受けているという報告も少なからずあった…

2021-02-02 | 書記長社労士 労働組合

【🏃Run1-10 5.06km 30:23 湘南海岸公園】【2 💪部屋1-10 TableCrunch SideCrunch TrunkTwist5kg DragonFlag】 先日、うちの春闘に関する会議がったが、全国から、コロナ禍の中での事業の厳しさから春闘の取り組みへの不安が報告された。
そういったなかでは、人件費抑制・削減策の提案を受けているという報告も少なからずあった…。

 人件費抑制・削減策というのは、次のようなものがある。

①新規採用抑制・退職不補充
②賃上げ抑制
③賞与額ダウン
④賃上げ見送り
⑤賃金引き下げ
⑥出向
⑦転籍
⑧派遣契約・請負契約の解約
⑨早期退職優遇制度
⑩退職勧奨
⑪非正規社員の雇い止め
⑫整理解雇

 一般的には、上から下に行くほど、ハードな対策となり、手続きや必要性にも厳格な合理性が必要となっていく。
本来、賃金の引き上げを求める春闘であるが、会社から②~⑤を逆提案されて、その対応を求められることもある。
また、うちの産別組織では、賞与については、春闘で、夏・冬あわせての年間協定とすることが原則としているが、昨年の春闘結論を、冬の賞与に関して見直しの申し入れ・再協議となった組合も、実際にあった。

 どんなに状況が厳しくても、私たちは、雇用を守り、組合員の生活を守り、そして公共性の高い我々の事業も守る、そのために春闘をしっかりと闘っていかなければならない。

 以前紹介したが(「「コロナ恐慌後も生き残るための 労働条件変更・人員整理の実務」を読んだ…経営者や専門家の実務書であるが、労働組合の立場でも勉強になる。」)、そもそも経営側の指南書として書かれたこの「コロナ恐慌後も生き残るための 労働条件変更・人員整理の実務」という書籍を、会社との交渉に、会社とは逆の立場での対策として役立つからと、労働組合の幹部にお薦めした。

 こんな本が役立つことがないよう(←岡崎さん、言い方、失礼ながら)、感染を押さえ込むことが最大・最善の経済対策として、国は必要かつ適切な補償を徹底的に行い、企業は精一杯雇用を守り、1日でも早く、アフターコロナの反転攻勢の局面に移りたいものだ。


 本日は、21春闘方針を決定する私鉄総連第3回拡大中央委員会。
本来なら中央委員と各単組代表、傍聴が出席し、会場は例年ならほぼ満席になるのだが、今年は傍聴を禁止し、委任出席を認めたので、定員の7分の1ほどの参加者となった。
月例賃金要求は「定昇相当分(賃金カーブ維持分)2.0%プラス ベア分(生活維持分) 900円」、年間臨時給要求は「①2020年度の協定月数を堅持すること。②年間協定が5カ月に満たない組合は、5カ月とすること。③協定は、夏冬別途ではなく、年間協定とすること。」とした。

 厳しい春闘になるのは、今般の情勢を鑑みれば当然ながら、「こんな状況で春闘が出来るのか」という声も理解は出来るが、じゃあ、今年もし春闘を回避したとしたら、いつ再開出来るのか?
毅然と春闘に取り組み、職場を意思統一していく。
「要求無くして交渉無し」、自信を持って要求書を提出し交渉を重ねていかなければならない。
こんな状況でスト権を取れるのかという意見も聞くが、こんな時やから「丸腰では交渉が出来ない」「労使対等の立場に立つために」ストライキ権を高率で確立しなければならない。

 もう一度書くけど、どんなに状況が厳しくても、なんとしても、私たちは、雇用を守り、組合員の生活を守り、そして公共性の高い我々の事業も守る、そのために春闘をしっかりと闘っていかなければならない。

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私鉄総連21春闘交通政策要求実現中央行動は、例年より規模を10分の1に縮小して開催

2021-02-01 | 書記長社労士 公共交通

 私鉄総連21春闘交通政策要求実現中央行動。
昨年は全国の組合員代表233名と、多数の国会議員と全国の組織内自治体議員を集めて開催したが、今年は各地方からは代表者1名とし、自治体議員は代表者1名、国会議員も森屋隆私鉄総連組織内参議院議員と辻元清美衆議院議員の2名のみとしたので、例年の10分の1の規模での開催。
定員300名の会議室で、すっかすかの座席配置、行政側からも要請内容については、後日書面回答として貰うことで、全体会から業種別まで例年3時間の開催時間も、1時間弱に縮小。
写真は挨拶に立つ辻元清美政策推進私鉄国会議員懇談会事務局長。


 要請事項は以下の通り(鉄軌・バス・ハイタク共通の要請と、ハイタクの要請。共通要請項目の2.改正交通政策基本法・国土強靱化基本法の政策反映、3.交通政策基本計画の着実な実行と地域公共交通ネットワークの再構築、4.要員確保対策の強化と長時間労働の是正と働き方改革への対応 5.自家用ライドシェアへの対応 6.公共交通利用促進 7.観光立国政策の推進、②鉄軌道に関する要請、③バスに関する要請 については割愛。)。

1.コロナ禍から事業の維持・存続をはかるために
 地域公共交通は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2020年2月以降、大手・中小を問わず各事業者の経営状況が大幅に悪化し、借入金が大幅に増加している。。また、コロナ禍の長期化に伴い経営がさらに厳しさを増しており、事業存続も危ぶまれる状況となっている。このため、下記の項目について特段の対応をはかられたい。

(1)2020年3月の学校の休校、4月に発出された緊急事態宣言により、大幅に輸送人員が減少するなかで、各公共交通機関には通常の運行を求められ、損失が拡大したことから、この間の欠損について補助の対象とされたい。

(2)今後、経営危機に陥る地域公共交通事業者が増加することが懸念されることから、国として現在行われている資金繰り支援や持続化給付金等を継続するとともに、政府系金融機関の融資や債務保証を強化されたい。

(3)雇用調整助成金については、厳しい状況にある地域公共交通の雇用を維持するために不可欠な支援となっている。また、貸切バス、高速バスでは感染症の影響が特に深刻で、雇用の維持も懸念される状況となっている。国土交通省としても、同助成金の特例措置が、新型コロナウイルス感染症の終息まで継続されるよう、関係省庁に働きかけられたい。

(4)公租公課について、納税猶予の特例や欠損金の繰戻し還付について継続されたい。また、固定資産税・都市計画税の減免を継続するとともに、大企業やその子会社・系列会社も対象となるよう関係省庁に働きかけられたい。

(5)厚生年金保険料・労働保険料等の社会保険料の納付猶予について、育児休業等の期間中の保険料免除と同等の取り扱いとなるよう、関係省庁に働きかけられたい。

(6)2020年度第二次補正予算では国による感染症防止対策への補助が行われたが、運行に対する補助は行われなかった。また、地方創生臨時交付金を活用した地方自治体による地域公共交通に対する支援でも運行維持に対する支援は対象外となっている。あらためて国による運行維持に対する助成を行うとともに、地方創生臨時交付金で運行支援が行えるように関係省庁に働きかけられたい。

(7)交通従事者は、医療従事者などと同様にエッセンシャルワーカーであることから、希望者全員にすみやかに新型コロナウイルスワクチンの接種が受けられるよう、関係省庁に働きかけられたい。

(8)交通運輸産業の輸送人員は、テレワークやリモート授業などの定着により新型コロナウイルス感染症終息後も回復しないことが予測されている。このため、現行運賃では収支の均衡ははかられず、借入金の返済も困難であることから、各事業者の運賃改定申請について積極的な対応をはかられたい。

(9)緊急事態宣言が発令された地域では終電繰り上げが要請され、実施されたが、接続する鉄軌道・バス・タクシーなど二次交通・三次交通との調整が充分に行われていない。国として対象地域に調整機関の設置などを指導されたい。

(10)GoToトラベル事業について、新型コロナウイルス感染症収束後の適切な時期に再開し、期間を延長されるとともに、公共交通を利用した旅行が促進されるよう対象の見直しや支援策の充実をはかられたい。

④ハイタクに関する要請
1.タクシー事業適正化の推進と違法営業の根絶、監査の強化

(1)「改正特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法」は、法施行後7年以上経過するがいまだ実効性が上がっていないにも関わらず、多くの地域で特定地域・準特定地域指定が解除されている。現状の感染症の影響に鑑みれば、全国の全ての事業区域が、特定地域・準特定地域に指定されるべき状況でもある。特定地域・準特定地域の指定要件が、現状に則していないことから早急に見直しをされたい。

(2)道路運送法違反や労働諸法令の違反等、違法な営業を行っている事業者に対する重点的な監査を強化し、違法不適切な事業運営の摘発・排除されたい。また「旅客自動車運送適正化事業実施機関」については、実効性のある適正化事業が的確に実施されなければならない。早急に全都道府県に設置されるよう指導を強化されたい。

(3)安全や法令遵守に対する意識が低い悪質事業者が排除される制度について検討されたい。また、タクシー事業に係る助成制度については、タクシー事業関連法や労働法等の違反事業者は助成の対象としないこととし、一方で、法令遵守を積極的に行っている優良事業者に対しては助成額や助成率を優遇することにより、タクシー事業の適正化を推進されたい。

2.衆参附帯決議の履行による運転者の労働条件改善
(1)改正タクシー特措法の附帯決議において「事業者は、歩合給と固定給のバランスの取れた給与体系の再構築、累進歩合制の廃止、事業に要する経費を運転者に負担させる慣行の見直し等賃金制度等の改善等に努める」よう事業者に求められたが、改善は進んでいない。最低賃金法や労働時間規制の違反、長時間労働による過労運転を防止するため、適切な労働時間管理を行うことが必要であることから、労働時間管理が曖昧になる歩合給中心の賃金制度から、固定給を中心とした賃金制度に改善されるよう、措置を講じられたい。

(2)改正タクシー特措法は、賃金水準も含めた運転者の労働条件の改善を重要な目的としており、また、参議院附帯決議において「一般旅客運送事業者は…過度な遠距離割引運賃の是正等運賃制度等の改善に努める…」とされていることをふまえ、深夜割増運賃や過度な遠距離割引運賃などの営業的割引運賃は、運転者の適正な賃金に影響があるため、公定幅運賃の対象とされたい。

(3)昨今、タクシー配車アプリ提供事業者が、さまざまな割引サービスを実施しており、新たな運賃に関する過当競争となることが懸念されていることに留意されたい。また、アプリ手数料を新たな労働者負担とする事業者もみられることから、事業者に対して指導されたい。

3.タクシー事業活性化と財政的支援
(1)地域公共交通活性化再生法による法定協議会におけるタクシーの活用や、特定地域協議会・準特定地域協議会におけるタクシー需要の拡大や事業の活性化について、積極的に検討されるよう支援されたい。また、特定地域協議会・準特定地域協議会が進める活性化施策に必要な助成措置を講じられたい。

(2)高齢運転者の自動車事故が社会問題となっているが、高齢化が進むハイタク運転者にとっても重要な問題であり、安全対策が求められる。タクシー利用者の安全を確保するため、国による運転手適性診断(適齢診断)の充実や、事故防止対策支援推進事業における先進安全自動車(ASV)の導入促進に向け、タクシー車両を補助対象とされたい。

4.白タク合法化の阻止
 ライドシェアについては、世界的に見ても利便性・安全性の高いタクシーをもつ日本には不要である。改正活性化再生法では、自家用有償旅客運送制度の規制緩和による観光客を含む来訪者も輸送対象に加えられたが、これらの動向がライドシェアの実質的な解禁につながることのないように、対処されたい。


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