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地域公共交通網の形成に求められる視点-震災復旧から将来の公共交通まで-」について、吉田樹准教授から基調講演を受けた

2018-04-19 | 書記長社労士 公共交通
 私鉄総連2018公共交通利用促進運動全国行動キックオフ集会に引き続き、私鉄総連交通政策フォーラム2018が、全国から、組合員、自治体議員、友好産別労組など、約270名が参加して、開催。


 フォーラム初日の全体集会では、福島大学経済経営学類の吉田樹准教授(東北運輸局「地域公共交通東北仕事人」メンバー、国土交通省地域公共交通の活性化及び再生の将来像を考える懇談会委員、国土交通省高齢者の移動手段の確保に関する検討会委員)から、「地域公共交通網の形成に求められる視点-震災復旧から将来の公共交通まで-」について、基調講演を受けた。

 まず、はじめにとして「大規模災害、いつどこでなにが起こるか分からないが、災害時にどうするか、復興時にどうするか、ということ。しかし、そのためには「平時」の取り組みが重要、普段に上手くいかないことが災害時に上手く出来るわけがない。
避難等の緊急対応、平時とは異なるニーズをカバーする応急対応、サービスやネットワークを回復する復旧対応が必要、復旧・復興期の地域公共交通は「平時」の課題と重なる。」


 東日本大震災の震災後における、民間バス事業者の動き(都市間バスの復旧が優先された)、国土交通省による規制緩和措置と財政支援、情報集約・提供地として遠隔地と連携(山形市と仙台市)、大船渡市の米軍輸送・入浴輸送・無料路線バスの運行など「平時」とは異なるニーズ、などを振り返り、復旧・復興期の課題(時限付きの財政支援に依存する現状から計画的なネットワークを指向する、など)について解説。

 地域公共交通活性化・再生法から10年半、前進したこととしては「基礎自治体が公共交通政策への主体的に関わる『きっかけ』が生まれ、とくに乗合事業者との連携が進んだケースも」、「公共交通計画を策定する意義は理解されつつある」と指摘されたが、多様化する地域公共交通の課題として「地方部を中心に、公共交通事業者(バス・タクシー)の疲弊が進む(乗務員不足・進まない車両更新)」であり、「運航費の欠損補助が中心の財政支援では太刀打ちできない課題となっている。だから「『三本の矢』(負のスパイラルの打破+投資的な財政支援+生き甲斐循環産業の転換)が不可欠』だと提起。
また、地方都市圏で懸念される交流機会の減少として、「しぼむ『おでかけ』の目的地」「頼られない公共交通」があり、「公共交通をただ確保するだけでは解決できない課題が顕在化している」し、例えば人口減少下の青森県では、「高校の閉校・統廃合が進む」「高齢化が進むが医療再編も進む」という現状で、「教育、医療のアクセス確保が必須⇄需要減少のジレンマ」が大きな課題。

 「地域公共交通としてのタクシー」では、「地域公共交通として10年、タクシーは何をしたか?何もしてない、業界がこれでは…『ライドシェア』に期待が集まるのは当然の流れか…」と指摘。
「タクシーの今日的問題は『コモンズ(共有地)の悲劇』か?」、「いや違う、タクシーの場合は、牧草(顧客)は減少しても『ゼロ』になることはない、『車両+乗務員』のセットで始めてヒツジになる、牧草(顧客)を増やす選択肢も持ち得る。だから既存の経営指標を動向乗させるか。平均支払金額(運賃+料金)の向上=生活と密着したサービスの創造、実車率の向上=別の視点が必要、実車率(稼働率)の向上=待遇改善+プライドの改善、ピーク時と閑散時のギャップをどう埋めるか、運賃多様化、でタクシーの再生を図る。」とし、そのために、「まず、タクシーの『得意分野』を理解する、他の交通や生活支援サービスとの『合わせ技』で一挙両得、ニッチ(隙間)市場を見逃さない、『情報』が鍵を握る…情報を持ち・使える者がリードする。」
「『流し』営業が成立しやすい地域では、『密度の経済』が成立する市場であり、それゆえ、多様なニーズとサービスを結びつける方策が有効。『非流し』営業が主体な地域では『ラスト・マイル』の移動を支えるサービスが求められる。市場環境による『ニッチ』と『ソリューション』の違いに着目を。」とし、白川観光交通×福島大学『より道きっぷ』実証実験と、南相馬市の自発的な相乗りを促す「定額タクシー」(2018年3月1日スタート)の「みなタク」の2事例を紹介。
さらに「『情報』の波を活かす」として、「流し営業が主体の地域(顔が見えにくい地域)では、効率的な配車(→実車率の向上)を可能にするツール、利用者の選択性を高めるサービスの展開、レーティングによる乗務員の質補償。「非流し営業が主体の地域(顔の見える地域)では、顧客同士、顧客と法人をつなげるツール(シェアリング)、『情報』により、非流し市場への展開や活性化が進む。」

 さいごに、「公共交通づくりは『おでかけ』の機会を拡げる投資である。『赤字だから補助する』『赤字だから問題だ』という論理から、『おでかけ機会』を確保するために地域公共交通へ『投資』するという発想に転換しなければ、日本の地域公共交通は救われない。

    

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