労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

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昔むかし「あるところ」におじいさんとおばあさんがいました、今は「いたるところ」にいます…

2019-05-28 | 書記長社労士 お勉強の記録

 今年初めて満開の紫陽花を見た。
高輪のこのあたり、梅も桜も…、余所よりいつも早く咲いてる気がする、お金持ちが多いから栄養が良いの?

 ずいぶん前のお話になるが、5月11日に「医療・介護フェス2019~安心と信頼の医療と介護 中央集会~」があって参加。
午前中は講演2本、1⃣「地域包括ケア時代の医療と介護~元気高齢者の育成支援~」、2⃣「利用者に選ばれる介護とは」を受けた。
私たちの公共交通産業では、要員不足が深刻なのだが、そこに介護離職問題が顕在化しており、今後、人員不足に拍車をかけるような懸念があって、強い問題意識を持っている今日この頃なので、一生懸命、勉強してきた。
そんな中で、介護・医療制度、家庭、地域、職場、施設、介護職場で働く人(思いと処遇)がかみ合っていないなあと感じていることが多々あるが、その一部分ではあるが、今回の講演を聴いて、いやはや、目から鱗だった。


 1⃣「地域包括ケア時代の医療と介護~元気高齢者の育成支援~」は、四国医療産業研究所所長・日本医師会総合政策機構局員研究員である櫃本真聿医学博士。
彼は、このブログのタイトルに使った「昔むかし「あるところ」におじいさんとおばあさんがいました、今は「いたるところ」にいます…」から話し始め、現状について、「国民医療費の6割を人口の4分の1の65歳以上で占め、若者も減り続けているなか、社会保障費破綻という、急速な少子高齢化への脅威がある(ネガティブシンキング)。
2039年には年間166.9万人が死ぬが、死に場所がない⇒現在病院が死に場所(80%)だが、病床規制・減床⇒在宅で死ねる受け皿もない。
人口減少⇒2100年には5000万人を切る⇒明治初期に戻る。
それでも、社会的弱者ケア重視のサービス提供に現場は翻弄されている⇒だから地域包括ケアシステムの提案」と指摘し、
「少子高齢化に翻弄されて日本の明るい未来をイメージできないことが真の問題。
このままでは、国民全体の疲弊を招き、社会保障制度の崩壊は必至、分母に生産年齢者、分子に高齢者を置いて、高齢者を支えられる人と決め込んで、将来の不安を煽る図は最悪。
支えられる高齢者から支える高齢者へ、元気高齢者(ときどき医療、ときどき介護を受けながらでも、自分らしく生きて地域社会に貢献する人(気持ちのある人))の活躍を期待!」として、具体的な内容に踏み込んでいった。
地域包括ケアシステムの不幸な生い立ち・誤解の蔓延について、東日本大震災の教訓(自助(セルフケア)と互助が欠かせない⇒互助がないと復興が進まない⇒「依存」になる)と比較して解説しながら、これから、医療・福祉・行政がどう変わらなければならないかについて言及。
医療については、「急性期医療の問題点⇒生活に戻せない医療は無駄⇒入院の目的は治療ではなくて「退院」、自分の尊厳より命が大事だと思っているのは誤解」と強く指摘し、128,000,000人に用意された社会を、どうダウンサイジングしていくか、サービスの押しつけ・サービス提供者の都合に住民が対応させられている状況をどう変えていくかについて具体的に、下記について、事例を交えながら説明された。

・笑顔そして意欲があってこそ生きる価値⇒疾病・障害の有無に関係なく、高齢者が、地域に出かけ貢献する⇒社会的弱者ケア重視からの脱却・生み出さないための協働
・24時間在宅ケア体制とは在宅看取りのためではない⇒地域で日常「生活を支える」かかりつけネットワークの構築
・医療を生活資源に、「生活に戻せない医療は無駄だ!」のフィルター⇒急性期医療中心では医療が生活をぶった切る可能性大⇒在宅医療は生活者を支え地域生活を継続させる医療であるべき⇒その人らしい生き方の先に、その人らしい死に方がある
・意欲を生み出す住む場所⇒住宅地の再開発、過去の新興住宅地の新しい形、互いに思いやるぬくもりのある地域づくりにつながる
・住民力・地域力を引き出す⇒エンパワーメントを目的⇒住民の意識醸成・意欲向上、セルフケア、互助・共助の推進

 自分にとって、もっとも印象的だったのは「ヘルスプロモーションが地域包括ケアの『肝』、健康は疾病予防管理では達成しない⇒活動・生活の場(かかりつけ医など医療機関や地域職場など)の持続、ヘルスプロモーションの行動や意思決定プロセスの中心に生活者が存在、健康学習・ヘルスリテラシー(健康面のスキル、意欲、能力など)⇒「してあげる」「してもらう」互いの関係からの脱却⇒住民・コミュニティーのエンパワーメント」という点だった。
「地域包括ケアシステム」を急に前面に出した前回の介護保険法の改正に疑問を持っていたが、この点をしっかりと実現できるのなら(できるのならだが)意義をわかったような気がした(気がしたってことだが)。
まずは、医療・福祉・行政が変わってくれないといけないとは思うのだが…。

 で、その次の2⃣「利用者に選ばれる介護とは」は北海道介護福祉道場「あかい花」代表の菊池雅洋氏。
今後サービスの中心は団塊の世代に、ってことで、70歳の人が生きてきた時代を振り返り(ビートルズの来日で失神した世代、グループサウンズに熱狂した世代…)、「その人たちに施設でちーぱっぱって童謡を歌わせて喜んでもらえると思う?」
そして「週2回の入浴にあぐらをかく特養などが抱える潜在的経営危機」について、世間一般的な入浴習慣を考えると「かなりQOLが低い暮らしぶりと言えるのではないか?団塊の世代から選ばれる居住場所になり得るのか?」などの問題意識を示し、介護事業の今日的課題と求められる施設について、事例を交えて、「新しい介護のスタンダードを創るために」について話された。
「リビングウィル」が重要なんだな、としみじみと思う…。

   

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