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交運労協第24回交通運輸政策研究集会 第一講座は戸崎肇首都大学東京特任教授の「交通運輸産業を取り巻く課題と展望」

2018-05-31 | 書記長社労士 公共交通

 5月29日~30日、静岡県「熱海温泉 金城館」にて、交運労協第24回交通運輸政策研究集会。
開会にあたり挨拶に立った住野議長は、「この10年を振り返るが、枚挙にいとまが無いほど交通政策の課題が山積している。交運労協が結成して30年を昨年迎えたが、交運労協は何のためにあるのか、何が出来るのかを総括しながら、今一度、政策実現について何が出来るのか考えていきたい。シェアリングエコノミーに関して68万筆の署名を取り組んだ。また働き方改革についても署名を取り組み、要請・請願行動も行ってきた。また、ここに来て、規制のサンドボックス制度、新経済連盟からのライドシェア新法の提言などがあった。
 働き方改革については、厚労省に対して様々な要求を掲げているが、今回の改正はどちらのためにやっているのか、わからない状態が続いており、長時間労働の是正など進展がしていない。何のための労基法改正なのか、何のための働き方改革なのか、省庁への要請を強めていく必要がある。
 これまで産業政策はいろいろ取り組んでいき一定の前進も図られてきたが、労働環境の改善と安心で安全な産業政策の確立は充分に図られてはいない。従来のやり方ではなかなか改善出来ないと言うことを受け止めて頂き、今後の運動に活かしてもらいたい。本研究集会では、連携と共同精神の元、一歩ずつ政策実現が出来る集会にしてまいりたい。地域公共交通の維持と発展のための署名を取り組んでいる。ご尽力を賜りたい。」と述べた。


 後、基調講演、第一講座は戸崎肇首都大学東京特任教授(交運労協顧問)の「交通運輸産業を取り巻く課題と展望」。

 働き方改革は喫緊の対応が必要であるが、総量だけを規制しても残業時間が闇に隠れてしまって、長時間労働が地下に潜ってしまう懸念もある。
 人口減少は悪いことなのかどうか。議論がある。しかし労働力が不足していくから働き方改革であるということであるが、生産性の改善が出来ない中で働き方改革は尚早ではないかと感じている。
 AI、自動運転が昨年から問題となってきたが、アメリカでは自動運転で死者が出て少し足踏みをしている。どこまでAIが労働不足をカバー出来るか、あるいはカバーすべきか。しかしAIはブラックボックス化してくるので、高度な技術が盛りだくさんであるから、少し不具合があると対応が出来なくなり社会的リスクは大きくなる。スマホで作業効率が上がったか、それを見てもAIでどうなるかは計り知れる。


 85歳以上の事故が昨年より4倍になっているという報道もあった。高齢者の免許問題、いかに代替の交通を提供出来るのかが課題、同時に各交通モードが横の連携ができるかが課題。
 また、自動車教習所の役割、過当競争からの脱皮、多様なサービスをいかに提供出来るのかが課題。
 インバウンド、2017年は2869万人、毎年400万人増、われわれはこの増加に対応していかなくてはならない。全国の首長はこれが地方創世のキーポイントだから、これに交通関係者は対応していかなくてはならない。バスにおける車両不足、運転者不足、そして白タクの問題、また中国人に対する違法国際運転免許提供の問題。しかし地方創世をインバウンドに頼って良いのかという疑問がある。
 タクシーでは初乗り距離短縮は効果があったが、労働強化になっていないか検証しなくてはならない。
 働き方改革と日本におけるギグエコノミー、企業に縛られない個人労働の是非、ギグ=その場限りのつながり、ベルコやQBハウスの働き方、会社に雇われているように見えるが違う働き方。フリーターとは違う、さらに悪質な形、守ってもらえない働き方。副業が推奨される社会になってきている、副業をなぜしなくてはならないか、そもそもそこが議論されなければならないはず。さらなるギグエコノミーの浸透、特に今後は物流への浸透が考えられる。物流の救世主になれるか、いや、さらなる労働条件の悪化につながる、業界の崩壊につながるか。


 対案として地域の交通政策の見直し・再建の必要性。ライドシェアに頼らなくても公共交通が機能するよう、交通政策基本法で示されている理念、仕組みはきちんと活かされているか。ライドシェアに対する代替案の提示。特に地方における交通行政のあり方の検証が必要、ポストオリパラを見据えた政策の検討と推進、コンパクトシティだけでは機能しない。

     

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