
【 50 -12-】 当たっても当たっても、すでに予定がある夜の試写会ばっかりで、妻が独りで行ったり、人にあげたり・・・でもようやく空いている夜の試写会が当たった(^_^)v 今年は太宰治生誕100周年でいくつか太宰治の作品が映画化されているようで、この映画が皮切りだそうだ。しかし太宰作品というのは自分は小学校6年の時に「走れメロス」を読んだのが最初で、その後は中学生時代に半強制的に何冊か(何だかは思い出せん、人間失格と斜陽は読んだ気がするが・・・)読まされた記憶の程度。そしてこの映画の原作の「ヴィヨンの妻」というのは読んだのかどうかも定かでないけど、なんとなく映画を見ているうちに読んだことがあるような気はしていた。自分にとって太宰治ってそんな程度なんだけど、以前読んだ浅田次郎さんだったかの短篇(大学教授が桜桃忌近くになると自室に籠もって独り言を言っているというようなお話で、もしかしたら浅田次郎ではなかったかも)で、熱烈な太宰治ファンが未だに多いと言うこと、そして太宰治を研究するという学問の分野がひとつ成り立っていると言うことを知って、びっくりしたもんね。
大酒飲みで浮気を繰り返す小説家・大谷とその貞操な妻・佐知。夫の借金のために飲み屋・椿屋で働くことになった佐知は、持ち前の気立ての良さで人気者に。佐知は、以前より活き活きとしている自分に気付き始める。大谷に会うために椿屋へ通っていた青年・岡田も、いつしか佐知に惹かれていく。そのことを知った大谷は、自分の事は棚に上げ佐知に嫉妬し、二人の仲を疑うのだった。さらに輝きを増す佐知。そんな彼女の前にある日、かつて彼女が想いを寄せていた弁護士・辻が現れる。辻は、美しくなった佐知を見て、忘れ得ぬ彼女への想いを募らせていく。そんな中、生きることに苦悩する大谷は遂に死を選ぶために、愛人・秋子と姿を消してしまう。

自分にとっては本当に勿体無い出来過ぎた妻、そんな妻は、いったいどこまで自分のすることを許してくれるのだろうか、と、許されなかったら嫌なのに、でもついつい調子に乗ってしまうバカな夫。金曜のTOHOシネマズ難波の試写会では舞台挨拶があって、そこで松たか子さんが「撮影の始まった頃、根岸監督に『佐知は大谷のことを愛していたんですよね』と尋ねた」というエピソードを披露していたけど、逆に大谷は佐知にはもうぞっこんベタボレスーパー愛してるんで、だからこんな駄目ダメ野郎なんだ。松たか子・浅野忠信・室井滋・伊武雅刀・広末涼子、ものすごく演技が素晴らしすぎて、どっぷりと映画の中に浸り込んでしまった。ただ、松たか子、彼女に貧乏人の役はやっぱり無理なのではないのだろうか、この映画ではどんなに貧しい生い立ちでも、また今の生活がどんなに貧しくても明るくしなやかに生きていく佐知を演じているんだけど、どうしてもハイソな品位が醸し出されてしまっていてどうしても「没落したお嬢様」という佐知像になってしまう。万引きで捕まった時の派出所での態度なんて「あんた、どこのご令嬢なん?K-20の羽柴葉子か~!」って突っ込みそうになったし( ̄ー ̄; ヒヤリ妻夫木聡・堤真一は刺身のツマ程度、妻夫木くんはもっと物語の中心に据えられているのかと勝手に想像していたけど、ほんとに別に妻夫木くんでなくてもよかったようだ(もっと印象の薄い人のほうがよかったかも)。

この映画、やけにエロい。あとで知ったが、監督の根岸 吉太郎さんてのは日活ロマンポルノを10本くらい撮っていて、「だからか~」とうなずいてしまうくらいに納得の演出、へんてこなVシネやアダルトビデオにはない、上品で官能的なエロエロ。原作のヴィヨンの妻のストーリーをなぞるだけでなく、サブタイトルの桜桃やタンポポや、その他いろいろな太宰のエッセンスが随所にまぶされているそうだ、しかしメロスは走っていなかった(が、俺わからんねん、メロスが走ってくれたらわさすがにわかったやろうに、ね)。昭和21年冬から翌年の夏頃までの短い期間のお話だけど、その時代にまさにタイムスリップしたかのような気になってしまうすばらしい美術。役者、映像、そしてストーリー、かなりの秀作やった!「愛など信じたら、すべてが消えてしまうと、男は恐れている。すべてを失った後に、残るのが愛だと、女は知っている。」「あぁぁぁ夫婦って・・・ほんま深いなあ」というふうに締めておこうっと、とりあえず。
大酒飲みで浮気を繰り返す小説家・大谷とその貞操な妻・佐知。夫の借金のために飲み屋・椿屋で働くことになった佐知は、持ち前の気立ての良さで人気者に。佐知は、以前より活き活きとしている自分に気付き始める。大谷に会うために椿屋へ通っていた青年・岡田も、いつしか佐知に惹かれていく。そのことを知った大谷は、自分の事は棚に上げ佐知に嫉妬し、二人の仲を疑うのだった。さらに輝きを増す佐知。そんな彼女の前にある日、かつて彼女が想いを寄せていた弁護士・辻が現れる。辻は、美しくなった佐知を見て、忘れ得ぬ彼女への想いを募らせていく。そんな中、生きることに苦悩する大谷は遂に死を選ぶために、愛人・秋子と姿を消してしまう。

自分にとっては本当に勿体無い出来過ぎた妻、そんな妻は、いったいどこまで自分のすることを許してくれるのだろうか、と、許されなかったら嫌なのに、でもついつい調子に乗ってしまうバカな夫。金曜のTOHOシネマズ難波の試写会では舞台挨拶があって、そこで松たか子さんが「撮影の始まった頃、根岸監督に『佐知は大谷のことを愛していたんですよね』と尋ねた」というエピソードを披露していたけど、逆に大谷は佐知にはもうぞっこんベタボレスーパー愛してるんで、だからこんな駄目ダメ野郎なんだ。松たか子・浅野忠信・室井滋・伊武雅刀・広末涼子、ものすごく演技が素晴らしすぎて、どっぷりと映画の中に浸り込んでしまった。ただ、松たか子、彼女に貧乏人の役はやっぱり無理なのではないのだろうか、この映画ではどんなに貧しい生い立ちでも、また今の生活がどんなに貧しくても明るくしなやかに生きていく佐知を演じているんだけど、どうしてもハイソな品位が醸し出されてしまっていてどうしても「没落したお嬢様」という佐知像になってしまう。万引きで捕まった時の派出所での態度なんて「あんた、どこのご令嬢なん?K-20の羽柴葉子か~!」って突っ込みそうになったし( ̄ー ̄; ヒヤリ妻夫木聡・堤真一は刺身のツマ程度、妻夫木くんはもっと物語の中心に据えられているのかと勝手に想像していたけど、ほんとに別に妻夫木くんでなくてもよかったようだ(もっと印象の薄い人のほうがよかったかも)。

この映画、やけにエロい。あとで知ったが、監督の根岸 吉太郎さんてのは日活ロマンポルノを10本くらい撮っていて、「だからか~」とうなずいてしまうくらいに納得の演出、へんてこなVシネやアダルトビデオにはない、上品で官能的なエロエロ。原作のヴィヨンの妻のストーリーをなぞるだけでなく、サブタイトルの桜桃やタンポポや、その他いろいろな太宰のエッセンスが随所にまぶされているそうだ、しかしメロスは走っていなかった(が、俺わからんねん、メロスが走ってくれたらわさすがにわかったやろうに、ね)。昭和21年冬から翌年の夏頃までの短い期間のお話だけど、その時代にまさにタイムスリップしたかのような気になってしまうすばらしい美術。役者、映像、そしてストーリー、かなりの秀作やった!「愛など信じたら、すべてが消えてしまうと、男は恐れている。すべてを失った後に、残るのが愛だと、女は知っている。」「あぁぁぁ夫婦って・・・ほんま深いなあ」というふうに締めておこうっと、とりあえず。
この映画エロいの?
どーも邦画はあんまり映画館でみてなくて、
でも、いいものもたくさんあるんですよね~、
実は、、、
書記長さんの映画情報は、
よく書いてあるので、とても参考になります。
邦画はすぐにテレビでやるしなあって気がするから
わざわざお金を払って映画館へってのはちょっと躊躇してしまう。
でもやっぱりあの大画面と音の中で観たいなって思うのもあるしね。
トラバありがとうございました。
私のブログでは、ネタばれが嫌だと言う人が多く、いつしか詳細なレビューを書けなくなっています。
コメント欄にて、チラッと書いていく程度にしています。
色んな愛の形がありますねぇ。
我が夫婦は、最後にああいう風に手を繋げないかな。
僕も極力、ネタバレしないように気をつけていますが
でも書き過ぎてますかね。
原作はもっと単純な夫婦像でした、昨日読んで知りました。
太宰治本人の人生を原作にかなり混ぜ込んだ映画だったんですね。
最後といわずにもっと手をつないでください!
うちはもうなかなか難しいですが(笑)
書記長さんのは観たい気持ちになるようなレビューで好感がもてますし、
観た私が読んでも共感ももてます。
太宰治の人生を混ぜ込んだと言うのは、感じましたけど原作はそうじゃなかったんですね~(ビックリ)
機会があったら原作を読んでみたいと思います。
手は、滅多に繋ぎませんが旅行した時には 少しだけ腕を組んだりしますよ。(*´ノ 。`)
私がはぐれそうな時にだけ。。。
映画のレビュー、ブログでいろんな書き方がありますが
みなさんの造詣の深さ、脱帽です。
あんな風に書けないですけど、自分なりのスタイルでいいですよね。