労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

中島光孝弁護士「Q&A 労働者視点でめざす同一労働同一賃金 最高裁判決を踏まえた交渉・手続のポイント」

2021-04-12 | 書記長社労士 お勉強の記録
 ゼミ形式にて少人数の社労士で判例を学ぶ勉強会「中島ゼミ」で講師をしていただいている中島光孝弁護士が、労働者側の視点で同一労働同一賃金を解説し、そして使用者側との協議・交渉・手続き、さらには訴訟を提起する場合を指南する「Q&A 労働者視点でめざす同一労働同一賃金 最高裁判決を踏まえた交渉・手続のポイント」を著作された。


2021年4月、ついに中小企業でもスタート!
2件の最高裁判決(「ハマキョウレックス事件(2018.6.1)」「日本郵便(西日本)事件(2020.10.15)」)の代理人弁護士が、労働者視点で解説!

●裁判で鋭い対立となった争点と裁判所の判断、使用者が出してくるであろう提案、その提案を検討した上での交渉への臨み方、訴訟を提起する場合の主張の要点 等について解説。
●労働者、労働者を支援する労働組合、相談を受ける社会保険労務士・弁護士はもちろん、使用者側弁護士にとっても参考となる一冊。
●参考となる書式構成例も収録。

下記5ポイントがわかる199問のQ&A!
1 労契法旧20条に関する、7つの最高裁判決の分析
2 最高裁判決から読み解く、職務の内容の同一性、均衡待遇といった判断基準
3 新しいパート・有期労働法8条・9条の適用事例
4 事業主との交渉の流れと取るべき対応
5 ガイドライン、厚労省の「基本給点検マニュアル」の解説



 私たちのゼミと同じように、具体的な設問を設定し、それに答えていく形で理解を深めていく方式。
労働契約法旧の20条と、パート・有期法8条・9条の違いが混同しやすいが(特に7つの最高裁判決の解釈との関係)、そこを丁寧に説明してくれているところが、非常に助かる。
そして、やはり自分の立場としては、第4章の「協議・交渉・手続」がたいへんお役立ち!
それとちょっとマニアックながら、第3章「同一労働同一賃金」に関する法制度の第6 行政上の支援・指導・監督で、厚労省の事業者向けマニュアル、職務評価、ILOの職務評価項目などが紹介されていて、労働者側としての留意点が書かれているが、ここがいい。
パート・有期法8条は「事業主」に対する規範であって、罰則もなく、また、労基法13条後段の補充的効力も持っていない、という点が労働者や労働組合として、当面の対応が難しい。
そのために第4章第2の行政手続の解説は、心づもりとして頼もしい知識になる。
ちょっと言葉が難解なので、法律や判例を読み慣れていない人にとっては、読破するのに苦労されてしまうかも知れないが、そこはさらっと読んで、ニュアンスを理解出来ればそれでいいし、実際に困ったことがあれば、その設問を探して、誰にどういう風に何を相談したらいいのかのを読み取ればいいかも。

 自分も実際に、北海道のとある労組からの相談の際に、早速、この本を活用してアドバイスすることが出来たので、もう役立っています。
中島先生、ありがとうございます!!


コメント
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