皿尾城の空の下

久伊豆大雷神社。勧請八百年を超える忍領乾の守護神。現在の宮司で二十三代目。郷土史や日常生活を綴っています。

第16回講座は健康寿命と自立について

2018-12-15 11:06:40 | 生涯学習

 行田市民大学9期生16回講座は健康寿命ついて。講師は立正大学名誉教授原田壽子先生です。12月に入っても暖かい日が続き、ニュースになっていましたが、十日を過ぎるころからめっきり寒くなりました。ものつくり大学の木々もすっかり冬の装いになっています。

原田先生は長く立正大学に勤められ、社会福祉等のご専門から介護保険の導入時には行政の委託を受け熊谷市における介護認定等にも携わったとのことです。お住まいは都内で、行田にはあまりいらっしゃらなかったそうですが、空気が澄んでいたせいか講義の日の美しい青空に驚かれていました。

2年間このキャンパスに通い、四季の自然に触れる中で田舎特有の青く美しい空の下様々なことを学ぶことができ本当に良かったと感じています。とても活動的な原田先生の生き方はー風の様に歩くーということです。止まってはいけない。人生の終わりまでかしこく、自立して生きるにはどうしたらよいのか。そう言ったテーマをとても熱心に語られていました。

2018年9月現在百寿者(centenmarian)の方は69785人。1963年にはわずか153人ですので、長寿に関する常識は昔と比べれば全く変わったと言えます。総人口に対する高齢化率は28.1%で2040年には35.3%になると予測されています。三人に1人以上が高齢者の時代。都内での行政区ではすでに70歳では長寿の祝いはされないそうです。高齢化にていての問題は、1974年に7%を超え、1994年には15%となり、この間僅か20年しかなかったことで、社会の制度設定が追い付かなかったことだそうです。西欧諸国が80年から100年かけて高齢化を迎えるのに対し、日本は20年。また韓国はさらに短く10年で高齢化に対応しなければならないそうです。

平均寿命男性81.09歳に対し女性は87.26歳。また健康寿命は男性72.14歳で女性74.79歳。健康寿命とは心身ともに健康な状態を指し、反対の側面から見れば女性で13年、男性で9年日常生活に支障がある『不健康寿命』の期間があるということです。ですので平均値からすれば私の健康余命は26年。不健康寿命9年。そう考えて日々生活していくことが大事です。

先生の講義の中で重要なフレーズを覚えて帰るようにと言われましたが、ともかく二つは印象に残りました。①老化とは即ち運動不足であること。②廃用性症候群とは心身ともに使わなければ退化すること。前提として③無駄で有害な安静はとらないこと。

介護保険がスタートした際、介護支援はその支援度を下げることが目的であったのにも関わらず、支援を受けることによって自分のできることが少なくなってしまうことが見られたそうです。難しいところですが、その判断は状況に応じて変わるだろうし、介護や医療の現場の方が難しい選択をしていることは感じます。

この70年で社会の構造や期待される理想とされる社会像は大きく変わったたといえる中で、人生の終わりは最後まで自分で判断し、自分で決めることだといいます。

ー人生の終わりまで主体的に生きるー

そう結んでいました。

終わりに外出の際は装いを美しく、はつらつと出かけなさい。中身と外見は連動する。自立するためには子供と暮らすなといった提言も受け、見につまされる思いで聴いていました。

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