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コミュニケーション・スキルが低すぎる学生をどうするか?

2009-11-27 11:13:27 | 読書ノート
田中秀臣『偏差値40から良い会社に入る方法』東洋経済新報, 2009.

  就職活動における弱者を対象にした指南書。著者は経済学者で、企業での勤務経験や大学での進路指導の経験をもとにアドバイスしている。僕は地方の短大に勤務する立場から、わらにもすがる思いで読んだ。

  学生の頃、僕は「アルバイトやサークルでもいいから、学生時代に情熱を持って取り組んだことを面接でアピールするといい」と先輩等から聞かされていた。だが、この本によれば、採用する企業側は退屈してそれを聞くのが普通で(というのはみんな似たようなアピールになるから)、全然相手に響いていないよとのこと。ここで効果ナシとされたようなアドバイスを、ほんの数日前に学生にしてしまったばかりだから、いそいで撤回してこなければならないな。自分の無知を反省。

  結局のところ、採用の決め手は「年配者」とのコミュニケーション・スキルということになるらしい。スキル向上のために、著者は敬語や漢字学習に取り組むこと等を提案している。この本は「就活者に人格改造を要求しないこと」を課してしているので、このようなやや控え目な提案になるのだろう。

  「控え目」だというのは、人格改造なしにはとても社会に出せないような学生がごくたまにいるからだ。日常的な会話における問いかけの中には、真剣に考えて答えるべきものと、スルーしたり当たり障りのない表現でうまく上手くかわすべきものとがある。普通の人はそれを見分けられるものだが、そうした「会話の中で何が重要か」という判断ができない子がたまにいる。こちらが「話しかけるためにでっちあげた」だけのいい加減な質問に、真剣に考え込んで沈黙に陥ってしまう学生がいるのだ。これでは面接で上手くいきそうにない。これは日本語技術の問題には還元できないと思う。

  彼女らは面接の回数を重ねればスキルが向上するのだろうか? しかし、この本で指摘されているとおり、受験する企業の回数が相対的に少なくなってしまうというのがこの種の学生の要領。だから、学校で面接練習の機会を多く設けるしかない(このことも本書ではちゃんとアドバイスされている)。個人的には、そうした学生にこちらからできるだけ話しかけるようにしてスキルアップを図っている。けれども、効果が不確実で、僕が割くことのできる時間的リソースにも限りがあり、限界を感じるところ。
  
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