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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

二つの幸福と縄文土器の美・・・(真善美を意識する縄文 2/10)

2020-01-03 | 第二章「五感と体感」

 2019年。もう昨年になってしまったが、美しい土器を観る旅をした。井戸尻考古館の神像に抱かれた土器として名高い深鉢形土器。これは信州を中心にした旅だった。もう一つはツアーに参加させていただいたのだが新潟県の火炎式土器。両者も実用性を無視し大らかに美を中心に真善美を追究したように思うが。縄文中期、約5000年前ころの作品としてよく引き合いに出される。こうした作品を作ったのは最近では女性といわれているが、例えば火炎式土器は今と同じように雪が積もる豪雪地帯で室内で作ったかもしれない。どのような想いを込めてこれほどのものを作ったのだろうか。

 さて、世の中で「幸福とは何か?」とお聴きすると、だいたい(私も含めて)ぼやっとした返事になってしまう。そして幸福というものは二種類のカテゴリーがあると答える方はほとんど居ない(かつての私も)。今は正月だが、一年の計を作る。かつての私は事業計画にようなものが多かった。例えば、今年はオリンピックの年だが、マラソン選手だとすると、タイム2時間10分をXXの試合で出す。そんなビジブルな目標設定もそうかもしれない。つまり、幸福の為の条件設定を作っているようなもので、U先生は幸福の条件と読んでいる。今の世の中いろいろ周りを見てみると、実にこの幸福の条件を気にする人が多い。社会全体がこの幸福の条件を追い求めているようである。

 ただ、幸福の条件の実態はどうかというと、かつて私はある資格をとろうと設定し、そして努力の結果見事その資格をとることができた。さぞ嬉しい気持ちになるかと思いきや、実は取ったときにどう言うわけか深い虚しさを感じた。幸福の条件は確かに幸福の一つの前提条件かもしれないが、それが叶ったとしても幸福になるとは言えないようだ。幸福の条件は幸福と関係はあるにしろ必要十分条件ではないようだ。

 もう一つの幸福。何だと思いますか?回答は感情の世界である。例を挙げてみよう、美味しいものを親しい人と楽しく食べたときの平安感や幸福感。厳しい一日を過ごした後の一杯のビールでの安心感。高尚なところでは、偶然なきっかけでの哲学的・宗教的な法悦感・統御感もあるかもしれない。西行法師の「なにごとのおはしますかは知らねども かたじけなさに涙こぼるる」を詠んだ時などはそうだろう。芸術作品の中に時々見受けられる。これは、感情の世界であり、必ずしも現世的な価値観と一致しないところがあるのも面白い。U先生はこうした感情の世界を幸福感と読んでいる。

 幸福の条件と幸福感は一見バラバラなようであるが、それが不思議(想像を絶する)に交差するところに、絶望に打ち勝つ知恵があり真善美があるのだろうか。美しい土器を作った縄文人は名も知れぬ素性も分からぬ人だが、同じホモサピエンス。私たちに何かを教えてくれるかもしれない。

真善美を意識する縄文 2/10

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