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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

糸一本で新しい世界が見える!(新しい体験 1/10)

2016-06-11 | 第一章「意識と知覚」

 生まれて初めての記憶、幼稚園に初めて入った日、初めて海外に行ったとき、・・・初めての体験は人生に大きな影響を残すようである。

 さて、今日は近くの埋蔵文化センターに「古代の糸づくり教室」に参加した。糸に興味を持つことなど私の人生の中では今まで全くなかった。当然自分の衣服に関する意識も薄かったように思う。それが、縄文小説を書く気持ちになった時、当然ながら当時の人はどんな衣服をまとい、どんな道具を使い、狩りや漁撈をしていたかが重要になってくる。

 心理学では、図と地ということをよく使うが、私にとって縄文小説を書こうとする以前は糸は地に過ぎず、今は図になっているようだ(難しい専門用語をつかったが、要は意識しているか否かだ)。

 午前10時から午後3時まで、専門家による指導のもと代表的なカラムシという植物(どこにでもありそうな雑草)の茎から繊維を抽出し、その繊維から糸を作り、それからストラップを作るという貴重な実習に参加させていただいた。繊維=糸、とのんきに考えていた私にとって全く新しい経験であった。

 

 糸一本をつくるにも想像していた以上の時間がかかるようである。今回の場合はカラムシの茎を採集し(当然、葉は落とす)、それを二日間水につける。そして、その表皮を向いて、さらにそこから道具を使って繊維を採集する。さらにそれを乾燥させ、両撚りという縄文時代につかっていた方法で繊維から糸を撚る。

 残念ながら、半分落ちこぼれた私は、目標の50センチの糸がちゃんとつくれなかた。人生を経験したと錯覚していた私も、3時間くらいかけてそんなものだった。

 縄文時代の祖先は、そうした糸をつくり、恐らく半年以上の時間をかけて糸から衣服を作ったようだ。気の遠くなる作業。今では古着など買う人もいなかったりするが、ほんの5000年前など?では全然違うのである。多大な労力を使って愛する人(自分の場合もあるだろうが)のために衣服をつくる。こころ温まる気がする。

 人生では、当たり前のことがそうでなくなる経験をすることがある。この糸づくりはそんな疑似体験だったかもしれない。そして、世の中に隠れていたありがたさに気づくのだ。

新しい経験 1/10

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