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3.11と安全神話を考える!(時間の空間の旅 ⑤ 2/10)

2014-03-11 | 第二章「五感と体感」

 今日は3.11。2011年の3.11について想いだしている。

 震災当日は、地震の後に仕事に出かけたりし特別な体験もしたが、やはり今でも印象的なのは福島第一原発の事故の影響であった。福島の知人の恐怖。まだ、一歳ちょっとだった孫娘への不安感。いろいろ考え、こころの安定を図るために、こうした時の鉄則最悪の事態と最善の事態を敢えて考えたりもした(フォーカシング)。

 線量計も購入し、自分たちの住まいの周辺や、親しい人たちの周りなども実際に測定した。事実知ることで、随分救われたように思う。私たちの住まいより、放射能の影響が大きかった子供夫婦も、その情報をもとに、適切な対応をとることができたようだ。

 幸い、八王子は甚大な被害はなかったが、このことから政治に対する見方が随分変わったようだ。どっぷりと平和幻想につかり、安全神話につかってきた私も、決して呑気であってはならないと。以前、冷やかにみていた原発反対運動も他人事ではなくなったりした。

 さて、安全神話について今日は一言。

 3年前の福島原発のテレビの映像で驚愕したのは、もっとも出番があるはずのロボットが無かったことがある。さらに、私はコンピュータ業界で働いたことがあるが、危機管理の鉄則の多重化などの技術が取られていなかったのには唖然とした。実に、世界レベルの技術を持ちながらの幻想の中での事故だったかのようだ。そして、事故後も利益団体の影響もあるのだろうが、事故が収束していないにも関わらず(かなり危険な作業を継続していたり、放射性物質の流失が続いているようだ)、事故は日本人の心の中からかなり消えて行っているようだ。

 今でも、現場から遠い、欧米からの情報(日本語化されているものも多い)のがよほど信用がおけるというのも奇妙だ。安全神話は今でも復活、息づいているのだ。

 日本人独特の心の文化として、U先生は(1)汚れと禊(2)もののあわれ(3)甘えの構造(4)恥の文化(5)わびとさび(6)幽玄美、以上の6つを挙げている。そして、それ故にストレス曲線の脅威を見事に払しょくして逞しく生きることができるメリットもある。しかし、こうした防衛機制の特性をもつ文化は、強靭な反面、事実を観る眼を曇らせ大きな悲劇を産むのも、個人の場合と同様だ。

 安全神話は、恐らく「甘えの構造」をはじめ、この6つの要因から原爆被災国の中であるにも関わらず、生まれてきたのだと思う。そして、その歴史は恐らく日本の原形ができてきた7-8世紀まで辿れると思う。

 第二次世界大戦の参戦の非現実性はよく引き合いにされるが、7世紀の白村江の戦いも、当時の超大国、唐と戦かったのであり今から考えると一種の安全神話のようだ。

額田王が斉明天皇の意を受けて戦意高揚をはかったと思われる名歌も、この視点から考えると違った見方もできるようだ。

熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな  (万葉集1-8)

 船は月ではなく唐・新羅連合軍のいる白村江に向かっていたのだ。

時間と空間の旅 ⑤ 2/10

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