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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

愛ー親密性ー孤立感、をあれこれ想う (未知の世界にこんにちは! 8/10)

2018-03-04 | 第九章「愛」

 生き甲斐の心理学のテキストの冒頭の一章が「愛」の問題であることに、もう13年前の話であるが、私はかなり戸惑ったものだ。そして、何で「愛」の問題が、臨床心理学の世界で大きな問題として、認識されるのか正直よくわからなかった。

 しかし、最近になって愛の問題は実に大切であり、まず最初に語るべき問題かもしれないと思うようになってきた。この場合の愛は、臨床心理学の対象であり、個人が愛と感じるものをいう。それ故、様々な愛(80億人とおり?)がある。そして、愛が得られない孤独の状態は、愛の孤独、孤立感を生む。

 さて、エリクソンの人格形成論では23歳から34歳の成年期前期ごろの危機は愛ー親密性ー孤立感の問題としている。自分の人生を振り返っても、この時期には結婚し結婚生活を踏み出すのだが、これはバラ色ばかりではない。仕事の面でも修行を積んで一人前になり、様々な協力を得て社会的な成果をあげられるようになっていく(これも愛の問題と関係があるだろう)。一方、それがうまくいかず、あれこれ苦しんだりすることもあるようだ。

 私にとって愛の問題は具体的にどう展開したのだろうか。いろいろな事例が考えられるが。自分の結婚のころを考えてみようか。私は、学校を卒業して企業に入社し、翌年関西に独身で赴任し、そこで初めて営業の仕事を経験し始めた。数年が経ち、やがて、仕事にも慣れてくると、今までと違った孤立感を感じ始めた。職場の人間関係などは良く、仕事にも生き甲斐を感じてはいたが、例えば病気で一人寮で寝ていると、なんとも侘しい気持ちになったものだった。孤立感は親密性とは対極にあり、自分をしっかりプライドなどでガードし、個を保つのは良いかもしれないが、そのガードの中では発展性がなく身は細っていくところがある。人という字が二つのパーツが支え合うようにできているように、人は単独で生きるより誰かと協力して生きるのがよいようだ。そんな孤立感のささやきで、結婚をまじめに考え始めるようになったようだ。

 エリクソンは孤立感を解決するヒントとして、愛や親密性あげている。青年期までは基本的信頼、自律性、自発性、勤勉性、アイデンティティなどを育てていくが、成年期となると一人ではなく複数の他者と協力しつつ何かを成して行く時期になってくる。強烈な孤立感を感じるとき、そのときに愛や親密性を考えると良いようだが、それは決して簡単ではない。

 愛や親密性とは何か?U先生の生き甲斐の心理学では愛の原型、これが私の愛の名場面という記憶が大きな影響を与えるという。最近、アラスカでの体験を思い出していたが、その中には愛の原型もいくつかあるようだ。

 7歳のアラスカの生活では、危険な経験を何度かした。そんな時に受けた愛や親密性の記憶は、今でも自分の正中線を決める働きをしているように感じる。一例だが。冬で日が短くなり、東京では味わえない薄暗い朝の雪道を小学校に向かって、隣に住む一年上の女の子Bさんと登校していた。そんな時、私は雪で隠れていた側溝に片足を踏み込んで、落ちそうになった。下は冷たい水が流れ落ちればどうなることやら。ところが、運良くBさんが気がついて必死に手をつかんで引き上げてくれた。助けてくれて大事故にはならなかったが、Bさんは命の恩人だったかなと今想う。そのほか、冬の海に落ちて父に助けられ、母に風呂に入れられたこと、英語の全くできない私を優しく受け入れてくれた小学校の先生など、私の愛の原型はいくつかあるようだ。そして、アラスカから帰国してから何年も経ち、成年期となって愛の訓練をしていく。愛の訓練とは聞き慣れないものかもしれないが、愛というのはどうも憧れたりするものではなく、自分と他者との間をとりもつ知恵を学ぶという側面があるようだ。例えば、共感(エンパシー)と賛同の違いが分かるようになるなどと、ずいぶん生きやすくなる。

 ところで、一連のブログを書くきっかけになった手紙の束について少し語りたい。それは1958年頃のアラスカと東京の間での両親や祖父母などの書簡などだが、大人の両親や祖父母の心配事、愛ー親密ー孤立感、それが見え隠れするのだ。母は20歳代、父も30歳代、祖母が私の年代に近い60歳代後半・・・両親はまさしく愛ー親密性ー孤立感の年代であり、祖父母はさらに円熟した年代になる。その肉声は自分の愛の原型に関する謎を感動をもって解き明かしてくれたようだ。

 Bさんに測溝から引っ張ってもらって助かったこと。これは一つの愛の原型だと思うが、よく考えると、その背後の人間関係や文化との深い関係が浮かんでくる。私がアラスカの小学校に通うことができたという事実は両親だけでなく、様々な背景があった。そして、よく分からないが、私を救ったBさんについても、もう訊くことはできないが、様々な事情が、ご両親をはじめアラスカの文化も含めてあったのだと思う。愛の原型は自分の主観的なものと思いがちだが、例えば1958年のある時点、ある場所に結実した、様々な思いや歴史を背景とした神秘だったかもしれない。

未知の世界にこんにちは! 7/10

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