ヨーロッパで1991年に見つかったアイスマン(5300年前の人)の話をちょっと前から読み始めている。「5000年前の男」(文芸春秋 コンラート・シュピンドラー著)である。イチイの木を材料とした弓を未完成のままに残し、無残に殺害された男。世界的な話題をさらった遭難者の遺跡だが、それは随分解明されてきた。腰痛の持病があり、ツボ治療とか、いろいろいなことが判ってきていて、驚いてしまう。
そんなアイスマンには、恐らく家族がいて子孫も残していたようだ。子孫の推定までされている。アイスマンが突然消息不明になり、残された家族はどうだっただろう。その気持ちを想うとなんともいたたまれない。
親密な人との幸せな時の後、突然の不幸が襲う。こうした経験をすると、人は無意識に親密な関係を避けようとするようになることがあるようだ。幸せな親密な関係になりそうになると不思議に避けてしまう。本人にも理由がよく判らなかったりする。人は、家庭、友人、仕事の同僚、神仏・・・様々に親密な関係を造ろうとする。その時に無関係なはずの過去の出来事の影響で親密さを恐れてしまい、孤独をへんに好んだりする。
こうしたちょっと親密性に関わる知識があるだけで随分違う。親密さを恐れる時に、自分の状態を客観的に思索できる機会ができるようだ。
あまり関係がなさそうな話だと私も思っていたが、「生き甲斐の心理学」を学んでくると、ちょっと思い当たることがでてくるものだ。自分のヘンを意識することで、随分生き方が楽になるようだ。
縄文スイッチ ② 9/10