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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

16歳の、ぼくって何だろう!(自分との和解 9/10)

2011-01-18 | 第五章「和解と平和」

 この数日、青春時代のことに想いを寄せている。自分の成育史をエリクソンやカールロジャースの人格形成論で推し量ったりしてきた。でも、時どき空しくなる。何か大切なことが抜け落ちているような気もする。今日は、青春時代の原点のような16歳のころを振り返ってみよう。

 高校1年。16歳のころ。私は、四ツ谷駅の近くから毎日赤坂見附の高校まで歩いて通った。外堀の美しい景色を見ながら迎賓館の横を通り40分くらい歩いて通学した。祖父は、高校の先輩でもあったが、祖父が通ったころは、校舎が日比谷にあり、一時間以上かけて通学したという。そんなことが頭にあったかもしれない。

 そんな風に徒歩通学していると、ある日先生に声を掛けられた。古文のT先生であった。T先生も地下鉄に乗らずに、時どき徒歩で赤坂見附まで歩かれるという。源氏物語の一人者と言われたその先生に興味をもち、源氏物語の自主講座に出たこともあった。

 担任の先生は数学のO先生であった。その先生の講義は変わっていて、最初の一学期は8割がた雑談だけであった。先生の学生時代のはつ恋の話、数学者の逸話・・・テキストを勉強しないと、逆に生徒自身が心配になって自習するので、教え無い方が良いというのだ。

 生物の先生はK先生であった。実は昨日、高校生のころが気になって、内田樹先生(実は私の高校の1年上級)のブログを拝見していたら、このK先生が登場する逸話が載っていた。内田樹先生のブログはリンクフリー(とても興味ある情報時代の著作物に対する見識をお持ちで)で、一度見て頂ければと思う。

 その中で内田樹先生が久しぶりで怒られた先生がK先生と書かれていたが、私も中学校2年以来初めてはK先生であった。私は教室の最前列に座って、まじめにノートをとっていた。先生がニンジンの絵を描いて説明されていたので、ニンジンの絵を描いた。そしたら、こんなニンジンまでノートにとるな!と怒られたのだ。

 私は、今でも要領よくノートをとることが下手なのであるが、その時もそうだった。もう既に個性化してしまったのかもしれない。

 16歳。中学まで地学部であったので、高校も地学部に入りたかったが、高校にはそんなサークルはなかった。シャイであり作ればよかったのに作らなかった。学校の裏には弓道場があり素敵な先輩の勧誘があり、弓道部に入ろうか迷った(結局は入らなかった。とてもシャイであったのだ)。その中で中学から一緒のN君が弓道部に入ったことを知った。

 そのN君が、ある日家の近くの線路で自殺した。優秀なN君が何故死を選んだのか、その時も謎であったが、今でも謎である。顔見知りではあったが、それほど親しくもなかったが。ただ、N君のお通夜に行った時のことが今でも思い出せる。

 私が尊敬する祖父も高校一年の冬に亡くなった(この話は最近書いた)。

 逆に、弟が生まれた(16歳違いである。妹は3-4歳の差であったが、凄い差の弟ができたのだ)。そういえば、弟が生まれるので母がPTAの仕事を辞めることになり、担任のO先生がクラスで、辞める理由を言った。何となくばつが悪い気がした。思春期でシャイなのであった。

 他にも、初めてのことがいくつかあった。 授業で初めてメガネを掛けたこと(どきどきした)。文学少女のKさんと一緒に現代国語の先生と赤坂の喫茶店に入ったこと(中学の時と違って、少し大人になった気分)。中学の時に記念にいただいた新約聖書を読み始めたこと。始めて知り合ったクラスメートと政治の話や、宇宙の話をしたこと(私は、この時無神論者を始めて知った)。体育祭や文化祭、生徒会などのこと。

 16歳の時。44年くらい前のころ、そのころから今は随分変わった。N君だけでなく既に他界された方も多い。少なくとも、年をとってしまった。

 一緒に思い出を語りあうのではなく、死者に語りかけることが増えたように思う。死者との語らい、この年になると少しずつ実感できる。

 さて、高校一年のころには全く想像もしていなかった事件が、その二年後に起こる。高校のホームページを見ても一言も触れられていない事件。学園紛争であった。怒号の中での卒業式。ある先生は学校を去り、逆にある先生は残った。それぞれの理想を胸にしてだろう。私達も同じように去った。

 16歳の一年、大方のものは今では過去の闇の中に埋もれてしまった。ただ、滅びなかったコトも確実にある。 私は何だろう。私の生き甲斐は何だろう。私は私を大事にしている?この三つの問いかけの中から浮かび上がってくる。

  自分との和解 9/10

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