TENNIS COACH DIARY

ハンサム木全のたわごとです

「どぼん」と作戦能力その2(031)

2005-05-19 02:13:17 | 試合で勝つために大切な事
 はじめの3日間くらいは、勝負に勝つ秘訣を教えないでやるため毎日私がみんなのお金を巻き上げます。子供たちは自分があがる(攻撃)ことばかり考え、誰か他人の残り枚数が少ない人がいてもおかまいなくカードを出します。そしてよく振り込んでしまいます。しかし私は残りカードが2~3枚の他人がいたら絶対カードを出さず、山から1枚もってきます(出せるカードがあっても)(守備)。つまり、私だけ1人絶対振り込まない、そして時々チャンスをものにしてあがりますから、毎日1人勝ちするはずです。このころは、1勝負平均3~5分くらい。毎日10勝負以上行えます。

 4日目に「実はねー、勝つこつがあるんだ」といって説明します。もちろん「攻め込まれた時は相手のチャンスボールにならないよう、深めにしつこく粘り、チャンスを待ち、チャンスが来たら攻撃する」というのがテニスの作戦と全く同じである事も話します。

 するとどうでしょう、みんな簡単には振り込まなくなります。そして勝負の時間は、1勝負20分以上かかるようになります。私の1人勝ちの状況は完全に消え去ります。そして、テニスの試合における1つのラリー中のかけひき、あるいは、守備すべき状況と攻撃すべき状況の変化などを理解します。

 1つのラリー中の主導権の微妙な変化や、自分の打球時のバランスのくずれなど、様々な変化の事を全く関係なく、すべてのショットを強打する選手を時々見かけます。しかし、特に低年齢のころから、テニスにおける微妙な攻守の使い分けをしっかり学び、少しずつ不利な状況=逃げ玉→カウンターという進化をさせていくのが正当な道なんではないかと思っています。

 「どぼん」とテニスが戦略上似ていると思ったのは、いつの頃だったでしょうか?なかなかおもしろい発見だったと思っています。皆さんも家族あるいは、コーチと生徒で試してみてはいかが?
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「どぼん」と作戦能力(030)

2005-05-19 01:41:22 | 試合で勝つために大切な事
 去年の関東小学生大会の2回戦で、私の教え子が大逆転勝利をおさめました。2-5トリプルマッチポイントをセーブして、試合をひっくり返したのです。そして、私のところへやって来て一言。「コーチのおかげです。フロリダでのトランプでの戦術練習のおかげで勝ちました!」皆さんには何のことやらわからないでしょう。それはこういう事だったのです。

 その半年前、教え子を3人つれてフロリダ遠征にいってきました。この年は、ずっとテニスアカデミーにお世話になる作戦はとらず、ホテルステイし、公園のコートで毎日練習しながら、多くの試合に参加しました。夜、食事、シャワー、ストレッチが終わると、毎日ひと勝負です。私が仲のいい松戸のテニスクラブのオーストラリア遠征では毎晩自炊し、食べ終わったあと皿洗いする人を決めるため”UNO”をするそうです。しかし、私のは違います。テニスの戦術をみがくためのトレーニング!!なんてかっこいいことを言ってしまいました、ハハ。毎勝負1セント硬貨1枚を賭け勝負です。(指導者がお金をかけるなんて!という方もいるかもしれませんが、ご心配なく、それで私がまきあげたお金以上に、昼間おごるように注意してますから、しかも何日かたつと、子供達の方が勝ち始めますし)種目は「どぼん」と呼ばれるUNOによく似たゲーム。私が大学生だったころ、近くの喫茶店のマスターと毎日勝負したものです。時には一杯1500円のコーヒーになった日も。トホホ。地方によっても違うようですが、私とマスターが行っていた時のルールは以下のとおり。

・一人に7枚ずつカードを配る。
・場に1枚開き、誰が最初に出すかはじゃんけん、2回目からは前回の勝者。
・同じカードか、同じマークのカードを出せる。
・手持ちカードが全部なくなった者の勝ち。最後のあがり方は「どぼん」でないといけない。
・「どぼん」とは同じ数で上がらなくてはいけない(同じマークを出してあがりはなし)、そして2枚以上の合計が13以下の時、誰かがその合計と同じ数字を出したら「どぼん」できる。
・役札…2→次の人2枚引く、8→マーク指定可、9→逆回り、J→ひとつ飛ばし。
・同時にあがれる人が2人いた場合は、よりタイミングを遅くした者が勝ち。「どぼん」→「どぼんがえし!」当然「どぼん」された人が「どぼんがえし」するという戦術がうまれる。(例えば1、2、3の3枚を持ちつつ3を出し、「どぼん」させ、その後「どぼんがえし」をする)

だいたいこんなものでしょうか。このルールを教え、最初にお金をかけずに何回か練習、そして本番スタートです。
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今日休みます(029)

2005-05-19 00:53:56 | tennis
 うちのクラブの選手クラスのレッスンに雨天中止はありません。小降りなら練習しますし、大雨なら室内トレーニングか勉強会。ところが、不思議な事に、雨が降ると決まって休む子というのがいつでもいるもんです。しかも、なぜか雨が降るたびに、急におなかが痛くなったり、明日締め切りの宿題がたくさん出たりするのです。ハハハ。

 今、教えている子のなかにもいます。今日、レッスン直前にコーチ室にいる時、1本の電話がかかってきて、フロントの人が対応しました。電話を切ると、すぐに「木全コーチ、○○君お休みだそうです。」そして私「理由言ってた?」「いえ、なにも」。普段正当に理由があり、遅刻やお休みをする時は必ず私の携帯にメールをいれてくるまめな彼です。

 そして私はニヤリとしながら彼の携帯に電話。以下はそのやりとりです。

私: 「○○ー!こんちは!今日休むんだってー!どうしたの?」
生徒:「えっとですねー、コーチ僕が”チャレンジ”っていうのやってるの知ってます?通信の教 育みたいなものなんですけど。」
私: 「ふーん、知らない。それで?」
生徒:「これが結構たまってて、今日やろうと思うんです。」
私: 「ああ、そうなんだ。それって明日締め切りなんだ!」
生徒:「いえ、そういうわけじゃないんですけど」
私: 「じゃ、明日レッスンがない日にやることはできないの?」
生徒:「できないことはないです。」
私: 「わかった。じゃ、今日はそれをやるからお休みするのね!オーケー。……ところで一つ質問してもいい?」
生徒:「何ですかー?」
私: 「あのさ、それって、今日の夜、晴れていてもそうするつもりだった?」
生徒:「えーっと、それはそのー、あのーえーと…そんな事はないです」
私: 「!?…という事は雨だからあまり練習したくないとかいう気持ちもちょっぴり入ってたりして、ちょっとメンタル的にどうでしょう??全国大会にも出場する選手が。それに、もうこの雨止むって予報だから、大丈夫そうだったら練習出てくれば?」
生徒:「わかりました、今から行きますー!!ちょっと遅れます。」(即答するところがすごい)

 そして20分後、彼はやってきて大変まじめに一生懸命練習しました。

 彼は本質的に自分で自分のために、そして非常に考えてテニスをやっています。ですから、親とかコーチから”やらされて”いるわけでは全くありません。その部分に関しては心配ないのです。しかし、この年齢の子たちは普通、これくらいのメンタルのタフさしか持ち合わせていない事があります。今回のような場合、どの程度プッシュするかのさじ加減を考え、またどんな言い方をするのがいいかよく悩まされます。昔はよくどなってしまったように思います。

 そんな彼でも、少しずつ少しずつ精神面がタフになって来ています。よしよし!

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