中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

秋華賞(GI)展望

2007-10-11 23:42:53 | 見解
調教診断近日UP予定
来週は菊花賞の栗東トレセン観戦記をはじめ、徹底研究します

ウオッカ
凱旋門賞出走を予定していたが、8月初旬に蹄球炎を発症し、無念の回避。ダービー馬がここから始動する。前走の宝塚記念8着は、下見どころでは耳をキョロキョロと動かし、少し集中力を欠く面が見られた。2番枠からダービーと同じように前に馬を置きたかったが、雨馬場で他馬が外めに持ち出したために、ポッカリ前が開いてしまう。スタンド前でモロに掛かり、更にインティライミと接触するアクシデントが。本来なら息を入れるはずの1角でも前に壁を置けず。3角手前までずっと折り合いを欠いていた。そして、先行馬のバテた3角で積極的に押し上げる競馬。直線でインを突くも、そこから抵抗するスタミナは残っていなかった。雨馬場で1000㍍通過57秒5の乱ペースを、道中であれだけ掛かっては勝負にならなかった。ダービーのように壁を作りたかった。前々走の東京優駿1着は、下見どころから17頭の牡馬に臆することなく落ち着き払った姿。フサイチホウオーが発汗でテンションが上がっていたのとは対照的。発馬直後は中団のインで我慢。初距離だけにスタンド前は口を割って行きたがる。だが、1角で平静を取り戻す。その後は至極順調に運び、3角では痺れるほどの手応え。ここで勝利を確信するほどだった。直線で前残りを図るアサクサキングスを一完歩毎に力強い末脚で迫り、ガァーッと伸びる伸びる。最後は3馬身の差を付ける圧勝。上がり3ハロンは驚異の33秒0。決め手を生かせる流れで存分に力を発揮した。久々の一戦となるが、8月から坂路で入念に時計を出し、一週前がCWで5ハロンから引っ張り切りの手応えで、良い動きを見せた。ケイバブックのPHOTOパドックを見ると、宝塚記念当時と比べると馬体の波里が物足りない。折り合いが付いた時の爆発力はダービーで証明積み。だが、折り合いを欠く危険性も秘めている。今回は前のダイワスカーレットを意識しながらの競馬になる。タメたいのに前を気にしなければならない。難しい立場。折り合いという条件は付くが、マイルのスピード勝負よりも中距離で末を生かす競馬が合っている。右回りよりは左回り向きか。

ダイワスカーレット
熱発でオークスを回避した桜の女王が、ここで2冠を取りに行く。前走のローズS1着は下見どころから落ち着き十分で、好仕上がり。好発を決め、外2頭を見ながら押し出されるようにハナへ。一瞬は行きたがる素振りを見せるも、すぐに鞍上の指示に従い、ペースを落とす。1000㍍通過60秒4の超スローでもスムーズな折り合い。4角まで他馬に競りかけられることなくジックリと脚をタメる。直線を向いて持ったまま、迫るレインダンスを振り返る余裕ぶりを見せる。ようやくラスト1ハロン手前で追い出しを開始。坂上で迫るレインを二の脚で突き放す。最後は手綱を抑える余裕ぶりで完勝した。前々走の桜花賞1着は、大外枠発走から前のアストンマーチャンを追いかけて3角でモロに掛かってしまう。その後は3番手の外めで折り合い、直線へ。外からウオッカが寄ってくると、左手綱を引いてプレッシャーをかける。坂下で並びかけられると、もう一度右ステッキで馬体を併せる。相手が怯んだところを一気に突き放して戴冠。スッと先手を奪える天性のスピード性能に加え、33秒台の切れ味も秘めている。不発はない。今回は京都の内回りコースで、初めて経験する平均ペースの流れ。前走のように楽な競馬は望めないが、折り合いの不安が解消してきた今なら、外枠でジワッと先行したほうがいい。

ベッラレイア
さあラスト1冠、春の悔しさをここにぶつける。前走のローズS2着は、18㌔増とひと夏越して理想の馬体に。胸前の逞しい筋肉がひと際目立っていた。道中は1番枠から超スローの流れを中団のインから前のダイワ、レインを見る形。時折、首を左右に振る仕草を見せるが、顎をグッと引き、重心の低いフォームで手応え十分の追走。そのまま直線を向くも、狙っていた進路をレインに奪われる。残り300㍍手前で右ステッキが入り、左手綱を引いて僅かな隙間を狙うも失敗。追い出せないまま、坂上で最内に進路を切り替えて猛追するも、この流れで仕掛けは明らかに遅かった。上がりはメンバー最速33秒2。強い内容だった。休養前の優駿牝馬1着はテンから緩みない流れを、仕掛けて好位のイン追走。4角では良い手応えのまま、5番手までポディションを上げる。直線の坂上で先頭へ並びかけると、力強いフットワークで残り300㍍地点で早くも先頭に。だが、一旦は完全に抜け出したものの、ゴール前100㍍で苦しくなって左手前に。粘りに粘りを見せたが、ゴール前で僅かに屈した。1番人気を背負い、厳しい流れを正攻法の競馬。負けて強しの内容だった。鋭い決め脚が持ち味。3月のあざみ賞ではレースのラスト1ハロン地点で、まだ最後方。そこから驚異の末脚で一気の差し切り。しかも、最後は手綱を抑える余裕があったのだから凄い。レースのラスト1ハロンが11秒4。自身は10秒台の脚を使っていただろう。春は攻めをセーブしながらの調整だったが、この中間は一週前に坂路でビシッとやられてきた。体質強化は明白だ。

レインダンス
前走のローズS3着は馬場と展開を考慮し、道中はダイワを見る形で好位のインを追走。折り合いも付き、緩い流れで十分に脚をタメることに成功。直線を向き、ダイワに進路をカットされ、一度立て直すロスはあったものの、そこからハミをかけ直され、ステッキが入ってダイワを差し切るかの勢い。だが、坂上で右手前に替え失速。上位2頭に、夏場を使われた強みを生かしたが、地力の差を見せられたか。前々走の三面川特別1着は、3,4角を逆手前で走りながら直線で抜群の切れ味を発揮しての差し切り勝ち。鞍上曰く、最後は遊んでいたとのこと。その時の2着馬タイキマドレーヌはその後1000万と準オープンを連勝、5着はオークス3着のラブカーナだった。回転の速いピッチ走法から繰り出す瞬発力が持ち味。前走は坂上で末が鈍っただけに、直線平坦の京都になるのは大歓迎だ。

ラブカーナ
前走の紫苑S2着は発馬で行き脚がつかず、手綱を押してステッキが入るほど。ようやく行き脚がつき、道中は中団馬群で脚をタメる。だが、開幕週で馬群が凝縮し、出るに出られない。3,4角でも手綱は持ったまま。直線でも行き場を探し、ようやく坂上で内に狭い進路を見つける。そこへ思い切って飛び込み、一頭だけ違う脚色で猛追。僅かに届かなかった。テンから緩みない流れを考えれば脚を溜まったとの見方もできる。前々走の三面川特別5着は道中、馬群がギュッと固まった流れを後方からの追走。後方勢は最後まで脚をタメ、直線での切れ味勝負となる。だが、反応が鈍く、レインダンスに置かれてしまう。最後はジワジワと詰め寄ったものの、緩急ある流れで戸惑いを見せた。速い流れを後方から差す競馬が持ち味。平均ペースになりやすい秋華賞向き。前のダイワを追いかけ、他馬が早めに動く展開なら。一週前はCWで全身をうまく使った弾むようなフットワークで駆け抜けた。

アルコセニョーラ
前走の紫苑S1着は好発を決めて中団の位置まで行ったものの、無理せず手綱を引いて後方に控える。その後は向こう正面まで脚をタメる。3角で馬群の外めを捲って進出。4角では前から4頭目までポディションを上げる。馬5頭分外を通らされ、かなり厳しい競馬。それでも、直線でその脚色が鈍ることはなく、ラスト1ハロンを急坂がありながら12秒2としっかり踏ん張った。勝ち時計も優秀で、強い内容だった。前々走の信濃川特別2着は乱ペースを3番枠から好位のインを積極的に追走。だが、直線半ばまで早めに先頭へ立つ強気の競馬が裏目に出て、勝ち馬にマークされる。ラスト1ハロン地点であっさり交わされるも、そこから尾っぽを振り、勝負根性を見せて粘りを見せた。長く脚を使え、勝負根性もある。乱戦になれば一気の浮上がある。一週目は南Dコースで、手先をピンと張り出した柔らかいフットワークで駆け抜けた。

ピンクカメオ
前走のローズS4着は、久々だったが、抜群の気合い乗りと力強い後肢の踏み込みが印象的で、さすがはGI馬と思わせるものだった。道中は中団の外めを追走し、ジックリと脚をタメる。4角で除々に加速し、直線でスッと左手前に替える。そこから良い感じの脚力を見せたが、ラスト1ハロン手前で右手前に替えてからが案外の伸び脚。伸びずバテずだった。大雨のNHKマイルCを大外一気で差し切っている。体型から見てもHペースのマイラー。上がりの掛かる展開を好む。雨が欲しい。

ミンティエアー
前走の紫苑S9着は、テンから緩みない流れを仕掛けて好位へ。だが、少し気負った走りで流れに合わせて、なし崩しに脚を使わされてしまう。直線で一旦は抜け出すかの勢いだったが、坂上でラブカーナの根性に戦意を喪失してしまった。休養前の優駿牝馬4着は、鞍上が抑えるのに四苦八苦しながら中団に控える。ちょうど勝ち馬の真横を追走。4角で気合いを付け、直線でグングンと加速。一旦はベッラレイアの1馬身後方まで迫るも、ゴール前で脚色が同じになってしまった。ここ4走勝ち切れていないように、どうもワンパンチ欠ける。もう少し、うまく首を使えるといいが。前走が正攻法の競馬で惨敗しただけに、今回は末を生かす競馬が合っている。2000㍍はベスト。当然、巻き返しの余地はある。

ローブデコルテ
前走のアメリカンオークス5着はレース中に鼻出血を発症した。度外視。前々走の優駿牝馬1着は、課題の発馬を決めて前へ。だが、鞍上は手綱をグッと抑えて中団まで位置取りを下げる。緩みない流れで結果的には好判断だった。直線で外めの位置取りをするも、ミンティエアーに進路を阻まれ、残り2Fを切った坂上で大外に進路を切り替える。そこから力強い末脚でグイグイ伸びる。ゴール前で僅かに差し切り、ヴィクトリー。3走前の桜花賞4着は発馬で行き脚つかず後方からの競馬。しかも、三分三厘で馬込みに包まれて更に位置取りを落とす不利が。それでも、直線でジワリと脚を使って追い込んだ。中距離向きの長くいい脚を使うタイプ。平均ペースになりやすい京都内回りコースは向いている。人気しない今回、思い切って乗れるし、他馬が早めに動く展開なら楽しみ。

タガノプルミエール
前走の西海賞1着は道中、14番枠から後方を進む。トビが大きく、小回りの小倉は走りづらそう。折り合いに四苦八苦していたが、向こう正面までは平静を取り戻す。ペースの上がった三分三厘で大外を引っ張り切りの手応えのまま捲る。直線は内にモタれる若さを見せながらも、大きなフットワークで突き抜けた。トモが甘く、テンのダッシュ力がないし、追ってから頭も高い。だが、推進力ある良いフットワークをしている。


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