中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

秋華賞(GI)回顧

2007-10-14 23:46:51 | 回顧
栗東トレセン記、菊花賞展望をUP予定

【馬場】(芝コース) 野芝約12~14cm、洋芝約12~16cm。Aコース2週目。少し水分を含んだ粘りの馬場。

12.3 - 10.4 - 11.5 - 12.2 - 12.8 - 13.6 - 12.4 - 11.3 - 11.1 - 11.5=1:59.1

【展開】スタンド前発走からダイワスカーレットがハナを主張する。だが、最内のヒシアスペンも引かない。1角では両馬が競り合う感じでオーバーペースの様相。だが、2角から向こう正面にかけてダイワがスッと手綱を引いて2番手に。これで流れが落ち着く。2番手でもダイワの周りに馬はおらず、ハナを切ると同じ形。向こう正面で12秒8-13秒6-12秒4と京都内回りGIでは有り得ない中緩みの競馬。それでも、後方勢との差はうまらず馬群は縦長。残り3ハロンからペースアップする瞬発力勝負。直線の長さを考えても、先行馬有利は明白。

 勝負を分けた1角の攻防。頭脳明晰な安藤勝の判断が、ダイワスカーレットのラスト3F33秒9の切れ味を引き出し、史上最強メンバーの一戦に終止符を打った。下見どころからヒ腹に汗をかき、若干テンションが高かった。レースでも13番枠からハナを主張するも、内のヒシアスペンも引き下がらず、掛かり気味になる。だが、2角でスッと2番手に下がると、その後はスムーズに折り合いに専念する。逃げ馬がペースを落とした向こう正面でも馬群は縮まらず。2番手のダイワにとって絶好の展開。逃げ馬がバテた三分三厘の残り3F地点で抑え切れない手応えで先頭へ。そこから得意の2段ギアを屈指し、突き放す。後続の追撃も余裕綽々で退けて快勝した。展開が向いたことは確かだが、1角でムキになりながら、スッと鞍上の指示に従順で控えられたことは成長の証だ。

 2着のレインダンスは17番枠からスッと内の出方を見ながら中団へ。折り合いもスムーズで、至極順調な道中。流れの落ち着いた3角で、ダイワとの差を除々に詰める。絶好の手応えで4角を回り、直線へ。入り口で外へ膨れたザレマを避けるアクシデントはあったが、回転の速いピッチ走法でグンと加速。ダイワとの差を一完歩毎に詰めるも、ゴール前で脚色が同じになってしまった。ただ、外から迫ったウオッカを抜かせなかった勝負根性は高く評価できる。やはり、平坦コースが合う。鞍上の好騎乗。

 ダービー馬ウオッカは、宝塚記念8着以来の実践。普段から掛かり気味に時計を出す気性で、好仕上がりだった。16番枠から中団を伺うも、首を左右に振り行きたがる。仕方なく後方にポディションを下げ、折り合いに専念する道中。その甲斐あって向こう正面ではピタリと折り合う。流れの落ち着いた残り700㍍あたりで外めを引っ張り切りの手応えで進出。4角で満を持して手綱が放たれるも、内回りでコーナーワークにぎこちなさを見せる。鞍上が右手綱を引いて必死に内へ誘導する。直線を向いて右手前のままグングンと加速し、一気に差し切ろうかの勢い。だが、残り1F地点で左手前に替えると上位馬と同じ脚色になり、伸びあぐねてしまった。久々の影響も多分にあったろう。思えばダービー圧勝時、抜け出す時の脚は右手前、桜花賞で伸びあぐねたのは左手前だった。左回り巧者と見たい。トビの大きなタイプで、内回りコースも走りづらそうだった。

 4着のベッラレイアは絶好のデキ。だが、レースではそれが裏目に出てしまった。発馬直後は無理せず馬任せ。顎をグッと引き、ハミを噛んでしまう。鞍上もそこに神経を集中させたため、自然と位置取りは最後方に。流れを考えれば前に行きたいが、恐らく道中で下手に動けば折り合いを欠いて末をなくしていた。京都内回りでは有り得ない、中緩みの流れのなか、3角でも依然として最後方のポディション。4角でようやく手綱を緩めて追い出しを開始させる。大外へ持ち出し、直線で他馬も楽をしているなか、グングンと次元の違う脚色で猛追。だが、4角先頭の勝ち馬が上がり33秒9を使う展開で、いくら32秒9の豪脚を使っても届かなかった。デキが良過ぎたのが道中の力みに繋がり、下手に動くことのできない展開を作ってしまった。仕掛け遅れと批判があるかもしれないが、動きたくても動けなかったのが本音だ。厳しい言い方をすれば、他力本願タイプ。直線の長い外回りコースで巻き返したい。

 ラブカーナは5番枠から4番手のインと積極的な競馬。流れを考えれば絶好の位置取りといえた。終始、インの経済コースで脚をタメる道中。だが、4角でバテた逃げ馬を捌くのに苦労して手綱を引っ張る場面が。直線で立て直し、一瞬は馬群に沈みかけたが、残り150㍍あたりからエンジンが掛かってからはジワジワと伸びてきた。エンジンの掛かりの遅いタイプで、瞬発力勝負は不向きなタイプ。今回の流れは決して得意ではなかったし、4角で不利がありながらよく頑張った。強い。

 カレンナサクラは本当に惜しい競馬だった。好発を決めると、中団のインへ。だが、鞍上との呼吸が悪く、1角では口を割って行きたがる。その後も鞍上が抑えるのに苦労するほどの行きっぷり。ペースが上がった3角でも引っ張り切りで4角ではゴチャついて2度手綱を引っ張る場面が。それでも、直線で強引に外めへ持ち出されると、ジワジワと脚を使った。尾っぽを振るなど、若さを覗かせる反面、四肢を柔らかく伸ばしたフォームで切れる脚を使える。スムーズさを欠きながら、この着差。楽しみだ。

 オークス馬ローブデコルテは久々だが、乗り込み十分だった。18番枠からスムーズに中団を伺うも、若干ハミを噛んで力んでしまう。向こう正面の走りを見せても、どうもムキになっている。4角で追い出してからの反応も悪く、外から一気にウオッカに被される。直線で内にモタれ、鞍上がハミをかけ直して反応を待つも、そのまま馬群に沈んでしまった。久々が応えたか。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿