中央競馬徹底研究!

2022年は客観的な予想を心がけます。

AJCC(G2)回顧

2012-01-22 23:02:00 | 回顧
12.6 - 11.3 - 13.4 - 13.2 - 13.3 - 12.5 - 12.4 - 12.3 - 12.1 - 12.0 - 12.2=2:17.3
(37.3-63.7-36.3)

厩舎の看板馬となるべく超良血馬ルーラーシップが今年緒戦を飾った。ひと叩きしたことでデキはグンと良化。下見どころでは落ち着き十分に周回していた。ポンと好発を決めると手綱を抑えてポディションを抑えると同時、降雨によって劣悪化した内めを避けて外へ誘導する。折り合いに不安のあるタイプだが、道悪のため下を気にする分、道中の折り合いはスムーズだった。極端にペースの落ちた2角から行きたがる仕草を見せるが、鞍上が懸命に手綱を抑えて我慢させる。常に馬場の悪い内5頭分を避けながら3角から更に外に持ち出し、前のゲシュタルトを射程圏内に入れる。残り600mから手綱をしごいてスパートを開始させる。大トビでエンジンの掛りが遅い分、見た目の手応えは悪い。4角ではむしろ2着馬のほうが手応えは上。4角から直線にかけては馬9頭分外めを通る。直線で鞍上が懸命に手綱をしごいて追い込む。残り200m地点で馬体を併せると、そこから右手前に替えて2着馬を突き放す。道悪を苦にしない底力で圧勝した。鞍上の福永は金鯱賞に続きルーラーの特徴を把握した素晴らしい騎乗だった。かなり大トビでエンジンの掛りは遅いタイプ。決して中山コース向きではないが、不良馬場で内5頭分は壊滅状態。結果としてルーラー向きの広い馬場へと化した。

ナカヤマナイトはまだトモに緩さが残り、幼さを残す現状。ポンと好発を決めると好位のインに潜り込む。道中は抑え切れない感じで流れの落ち着いた2角からは少し行きたがる素振りを見せる。3角から馬場の荒れた内2頭分を避けて外へ持ち出し、残り800m地点から内5頭分を空けたギリギリ馬場が生きているところへ持ち出す。首をしなやかに使った走りで4角での手応えは十分。直線でスッと左手前に替えて突き抜ける。だが、勝ち馬にあっさりと交わされ、ゴール前は脚が上がってしまった。力負け。まだ緩さの残る現状だけに道悪も良くはなかった。

 ゲシュタルトはフワッとした発馬で後方からの競馬。道中は急がせず馬任せでじっくりと脚をタメる。3角から外めを通ってジワッと進出を開始させる。4角からは馬場の良い大外ではなく、距離ロスを考慮した思い切って馬場の悪い内めに進路を取る。4角の馬場状態は最悪だが、直線は馬場の5分どころはそれほど傷んでいない。鞍上の一か八かの判断だった。内を突いたことで直線は、一旦は先頭に躍り出る場面もあったが、最後は脚が上ってしまった。追って頭が高く使える脚は短い。

 トーセンレーヴは下見どころから歩くスピートが速く、グッと首を下げて自ら厩務員を引っ張る前向きな気性。レースでは発馬から馬の行く気に任せて前々へ。ゴール版の前で外から競られたことでハミを取ってハナを奪う。2角で一瞬はハミが抜けてリラックスできたが、すぐにハミを取ってしまう。向こう正面では外から被されたことで再びペースアップする。4角からは馬場の悪い内を避けて大外へ持ち出す。見た目の手応えは良く見えるのだが、ハミにモタれて力んで走っている分、直線は伸びない。最後は完全に脚が止まってしまった。能力はかなりのものを秘めるが、前向き過ぎる気性がネックになっている。やはり短距離タイプか。

リッツィースターは久々で16キロ増。下見どころでは発汗が目立ち、気負いも見られた。まだ走れる状態ではなかった。叩いて絞れて落ち着きが出れば。







平安S(G3)回顧

2012-01-22 23:00:34 | 回顧
11.9 - 11.2 - 12.3 - 12.3 - 12.3 - 12.0 - 11.8 - 11.8 - 12.5=1:48.1
(35.4-36.6-36.1)

伏兵ヒラボクキングが強敵エスポワールシチーを退けて重賞初制覇を飾った。久々の実践になったが、最終追い切りで抜群の動きを披露。仕上がっていた。脚抜きの良い不良馬場で、発馬後すぐに迎える1角。11秒9-11秒2という速いラップが刻まれる。これを少し気合いを付けただけでスッと2番手に取り付く。気合いを付けながらだった前走とは違い、楽に良い位置を取れた。向こう正面に入ってもレースの流れは緩むことない。ヒラボク自身は気合いを付けながらの追走。再びペースの上がった3角からはズブさを見せる。4角からはエンジンが掛り、手応えを残したまま勝ち馬に馬体を併せる。直線で大きなフットワークで逃げ馬を捕え、単独先頭に躍り出る。外からエスポワールシチーが猛然と追い込むが、自身も簡単にはバテない。最後は2着馬の脚色が先に鈍り、突き放した。向こう正面でも息の入らない厳しい流れを先行し、4角で自ら動いてねじ伏せる横綱相撲。しかも、直線では2着馬をも突き放した。強い。大型馬だけに当然、上積みが期待できる。フェブラリーSが楽しみ。

 エスポワールシチーは久々だったが、ほぼ仕上がっていた。15番枠から少し気合いを付けて先団へ。本来ならもうひとつ前のポディションを取りたかったが、この枠では仕方なし。1角からは4番手の外めに取り付く。向こう正面で3番手までポディションを上げ、3角までは手応え十分に運ぶ。だが、4角での反応が鈍い。ハミを掛け直されても反応が鈍い。直線を向き、懸命に手綱をしごくも勝ち馬との差は縮まらない。最後は脚が止まってしまい、勝ち馬に突き放され後続にも迫られた。前哨戦として及第点だろうが、GIを意識するなら物足りない内容だ。

 シルクシュナイダーは発馬後に手綱をしごいてポディションを取りに行く。道中は後方から前に壁を作り折り合いに専念する。タメを作れたことは良かったが、3角からは馬込みに包まれて動くに動けない。直線で進路を見出し、そこからスパートを開始する。直線も勢いの付きかけたところでアドマイヤロイヤルが壁になり、手綱を引っ張りブレーキを掛けてしまう。正味1ハロンから追い出されると、凄い脚でグングン迫る。最後は2着馬を差し切るかの勢いだった。脚をタメられたから伸びたという見方もできるが、勝負どころから2度もブレーキを踏む不利は痛かった。強い。

 スタットジェルランは手綱をしごいて中団のインを取りに行く。1角からは手綱を抑えて脚をタメる。大きなフットワークで道中の手応えは十分。3角までじっくりと運び、4角で一気にスパートする。ロスなくインを突くと、直線は大きなフットワークで一完歩ごとに伸びる。最後は脚が上ってしまったが、高速決着でよく頑張っている。


インバルコはズブいタイプだけに高速決着では厳しかった。エンジンの掛りの遅いことを熟知している鞍上は向こう正面から外めに持ち出し、そこから追い通し。直線で5着に詰めるのが精いっぱいだった。
トウショウフリークは久々で仕上がりひと息だった。レースでは発馬から11秒9-11秒2という速いラップを刻んだスピード性能はさすが。向こう正面でも緩むことなく息の入らない厳しい流れを作った。3角からはもうひと脚使って加速できたし、見せ場は作った。叩いて。

 アドマイヤロイヤルはフワッとした発馬で後方から。そこから手綱をしごいて中団を取りに行く。行き脚のついたゴール版前でも手綱を緩めることなく気合いを付けていく。気合いを付けたまま1角に突入し、そこで急に手綱を抑えたために掛ってしまう。もともと頭の高い走りをするタイプだが、道中は掛っていつも以上に顎を上げた走り。これでは推進力は生まれない。距離も少し長かったか。

 タガノロックオンは1角でゴチャつき、そこからずっと掛っていた。気の悪いところを出してしまった。

 キクノアポロは大きなフットワークで1角からは外へ膨れる。向こう正面では掛るほどの行きっぷりを見せた。1800mの高速決着では出番はなかったが、時計の掛る条件での一発に期待。

日経新春杯(G2)回顧

2012-01-22 22:59:32 | 回顧
12.3 - 11.0 - 11.3 - 12.2 - 12.3 - 12.5 - 12.4 - 12.8 - 11.8 - 11.5 - 11.7 - 11.9=2:23.7
(34.6-62.2-35.1)

折り合い面に進境を見せたトゥザグローリーが年明け緒戦を最高の形で飾った。3番枠からトモに重心が掛り直後に躓いたこともあって出脚は良くない。これは前走の有馬記念が超スローだったことも影響していた。少し気合いを付けて中団へ。少頭数でも行き脚がつかなかったことが幸いし、前に壁を作ることができた。道中は背中を柔らかく使い、それによって首をしなやかに使った収縮の利いた走りでタメを作ることができた。好調時のグローリーが見せる姿だ。流れが緩んだ3角の上り坂は抑えるのに苦労するほどの行きっぷりだったが、それ以外は至極順調。4角の下り坂も慎重に下る。4角で接触するアクシデントはあったが、動ずることはない。直線で馬場の3分どころに持ち出し、満を持してスパートを開始させる。斤量差もあってか、スパッとは突き放せない。残り100メートル地点で馬体を併せ、最後は地力の違いで差し切った。鞍上の福永が完全に手の内に入れている。先行に固執することなく、位置取りを気にせずに前に壁を作ることが最優先。それによって収縮の利いた走りを生み、最後の爆発力に転換できる。これなら天皇賞春でも十分に通用する。

ダノンバラードは、勝ち馬同様に道中は収縮の利いた走りで首をしなやかに使えていた。課題だった折り合いはクリアできた。道中は中団の外めからの追走だったが、流れが落ち着いた3角から外めを通ってジワッとポディションを上げる。折り合いに気を使いながら慎重に運ぶ。4角では3番手で前を射程圏内に入れる。直線で意外にも先行馬2頭が渋太く、手応えの割には突き放せなかった。まだトモが非力で追ってから頭が高い分、期待したほど伸びない印象。直線平坦の京都は合っている。

 マカニビスティーは昨年の天皇賞春同様に最後方でじっくりと脚をタメ、4角から直線にかけて馬群のバラけるインを果敢に突く形。最後までいい脚を持続させた。京都外回りの利点をフルに生かした騎乗。折り合いに全く不安のないタイプで、長丁場向き。タメて終いを生かす競馬は長丁場では大事になる。他力本願なのは否めないが、混戦になるほど怖いタイプ。

ビートブラックは久々で10キロ増。攻めでは前脚の捌きに硬さが見られたように本調子ではなかった。7番枠から押して押して2番手の外めに取り付く。道中は少し気合いを付けながらの追走だったし、一気にペースの上がった4角の下り坂ではズブさを見せて置かれてしまう。それでも、直線で外から2着馬に馬体を併せられてから粘りに粘ったように渋太い走りを見せた。叩いて前進。

スマートロビンは久々で急仕上げ。26キロ増は明らかに余裕残しだった。1番枠から少し気合いを付けてハナへ。2ハロン目からメイショウクオリアが競りかけたことで緊迫感のあるスタンド前。本来なら1角からペースを緩めたかったところだが、余裕残しの影響もありハミみモタれて掛ってしまった。2角からも力んで12秒2-12秒3-12秒5とペースを緩めることができなかった。それでも、4角から馬なりのままペースアップし、後続を引き離す。直線も馬体を併せられてから粘っていたし、最後も大きくはバテなかった。重賞でもやれるメドの立った内容だ。

トップカミングは前走で1400メートルを使っていたこともあり、道中はハミにモタれて力んでいた。それでも、直線は最後まで伸び続けていたのは収穫。もう少し短い距離で。

マゼランは大トビでいかにも長丁場向き。10番枠から出して行ったことで気分良く行き過ぎた。前に壁を作ることができず、締まった流れとなった2角からは掛り気味に好位の外めを追走。体が伸び切った走りでタメが作れなかったし、内へモタれて終始左手綱を引いていた。4角の下り坂から内へササるのがヒドくなり、まともに追えなかった。

京成杯(G3)回顧

2012-01-22 22:56:16 | 回顧
【馬場】Cコース。内の馬場状態が良好。

12.4 - 10.8 - 11.9 - 12.3 - 13.0 - 12.7 - 12.3 - 11.8 - 11.7 - 11.7=2:00.6
(35.1-50.3-35.2)

先行有利の馬場状態を意識してレッドシャンクスが果敢にハナを叩く。これにコスモアンドロメダも競りかけ2ハロン目から10秒8-11秒9と激しい先行争い。2角から一気に流れが緩み、3角から再びペースアップする中緩みの緩急ある流れ。なし崩しに脚を使わされる好位勢には苦しい流れとなった。

 悲願の牡馬クラシック制覇へ。国枝厩舎の期待を背負いベストディールがクラシック候補に名乗りを上げた。2か月半の休養を挟み、この中間は年末年始にかけてWで5ハロンから2本時計を出した。直前は坂路でサッと流す程度とびっしりと仕上げてはいなかった。この日は10キロ増だったが、それほど太くは映らず、下見どころでは力強いトモの踏み込みが印象的で、外めを威風堂々と周回していた。8番枠から好発を決めるも、無理に押すことなくスッと馬任せで中団に控える。前2頭が飛ばし、2角から一気にペースが落ちる緩急ある流れに惑わされることなくしっかりと脚をタメる。道中は中団の外めから追走し、前のアーネントを見ながらの競馬。完璧に折り合う。3角から少しずつ助走し、4角で一気に捲る。直線を向くと、一瞬の脚で2着馬を突き放し、バテた先行馬を一気に交わし坂上でアドマイヤブルーを捕える。最後は詰め寄られたが、危なげなく差し切った。馬場に惑わされることなくしっかりと自分の競馬をした蛯名の冷静な騎乗が光った。まだまだ上積みが期待できる。

 激流の朝日杯FSでガツンとハミを取って力みながら走っていたマイネルロブスト。この日は別馬かと思うほど落ち着きを見せ、レースでも折り合って見せた。激流のマイル戦を経験した後の400メートルの距離延長に加えて15番枠。掛る要素は満載だったが、津村の素晴らしい騎乗が光った。15番枠から手綱を動かすことなく馬任せでポディションを取りに行く。ロブスト自身は顎をグッと下げて気を許せばガツンと掛ってしまいそうな気配。津村は慎重なエスコートで1角から見事に前に壁を作ることに成功させた。その後は終始、勝ち馬をマークしながら脚をタメる。勝ち馬とともに三分三厘で外めを捲って一気に進出開始。直線で一旦は勝ち馬に突き放されたが、坂上からジワジワと追い上げて詰め寄った。1キロの斤量差を考えれば中身は濃い。何より課題だった折り合い面で大幅な進境を見せたのが一番の収穫だ。これならクラシックでも戦える。津村の騎乗も素晴らしかった。

 アドマイヤブルーは好発を決めて少し気合いを付けて先団へ。誤算だったのは前2頭が1角までガンガン飛ばし、2角から一気にペースを落としたことだ。同馬は少し離れた4番手から追走する形となったが、仕掛けどころが難しい立場となる。馬群の外めを追走し、向こう正面で一気に流れが落ち着いたことで自然と前との差は縮まる。3,4角からは馬4頭分外めを通らされ、押し出されるように先頭へ並びかける。直線を向くと一旦は抜け出すも、坂上で勝ち馬にあっさりと交わされた。それでも、先行馬総崩れの流れをしっかりと踏ん張っているのだから強い。中緩みの流れを好位から追走することでなし崩しに脚を使わされ、脚をタメることができなかった。まだトモが非力で追って頭が高くなる。中山の急坂は得意ではない。

アーデントは久々でも好仕上がりだった。掛り癖のある同馬にとっては辛い16番枠発走。スーッと馬任せで中団の外めに取り付く。流れが一気に落ち着いた向こう正面で行きたがってしまう。ここで体力を消耗したし、終始勝ち馬にマークされる苦しい展開。3角からジワッとポディションを上げスパートを開始する。4角から直線入口にかけて勝ち馬に外から被される。一瞬の脚力の差で突き放され、普通なら怯んでもおかしくないケース。それでも、直線で粘り強い脚で追い込んできた。折り合いを欠いたことと、4角で被されながらも最後まで集中した走りができたのは収穫。

キネオピューマは道中はフワフワした走りで後方からの競馬。その分、折り合いは付いていたし流れを考えれば位置取りは問題なかった。3角で一瞬ズブさを見せるが、すぐに平静を取り戻す。だが、4角で外めから上がって行く際に両サイドから寄られてジョッキーが立ち上がる大きな不利があった。

ブライトラインは前走で控えて勝負どころから包まれた敗戦を生かし、発馬から出して行った。しかし、出して行ったことと2角から流れが一気に落ち着いたことでガツンと掛ってしまった。終始、力みながらの追走。流れが落ち着いた3角でもハミをグッと噛んで押し出されるように先頭に躍り出る。これではスタミナが切れて当然。

 カフェコンセールは頭が高く完歩の小さいピッチ走法。マイルで一瞬の脚を生かすタイプ。

レッドシャンクスは下見どころから気負っていた。先行有利の馬場を意識して鞍上が果敢に出して行く。外からコスモアンドロメダが競りかけてきたことで2ハロン目から10秒8-11秒9とかなり厳しいラップを刻んだ。もう少しどっしりしないと。

中山金杯(G3)回顧

2012-01-22 22:55:00 | 回顧
12.5 - 11.3 - 13.1 - 12.0 - 12.4 - 11.7 - 11.8 - 11.7 - 11.4 - 11.5=1:59.4
(36.9-47.6-34.6)

 飛躍の一年を約束させる走りで、明け6歳馬フェデラリストが重賞初制覇を飾った。12番枠から好発を決めると、少し気合いを付けて中団を取りに行く。道中はエーシンジーラインの作る緩い流れを中団の外めからの追走。至極スムーズな追走。残り800メートルから外めを通ってスパートを開始させる。直線で末脚を爆発させるための3,4角の助走は申し分ないもの。4角では前を射程圏内に入れ、しかも手応えは抜群。直線を向くと、坂上でスッと左手前に替えてグーンと加速。2着馬は渋太かったが、一瞬の脚で差し切った。前半からゆったりとした追走で脚をタメたれたのは良かった。他馬がトップスピードに入る三分三厘を馬なりのまま加速できるのは脚力の優れている証拠だ。今後は底力を要する流れになった時に同じ脚を使えるかがポイントになる。

 2着のダイワファルコンは、発馬から行きたがるのを懸命になだめながら中団の外めに取り付く。外めで前に壁を作れずになし崩しに脚を使わされるのを懸念したが、向こう正面でも折り合っていた。勝負所の3,4角は抑えるのに苦労する抜群の手応えで勝ち馬とともに進出。直線でグーンと一瞬の脚で伸びる。外から被されても怯むことなく激しい追い比べに。僅かに屈したが、3着以下は突き放しているし、マークされたことを考えれば勝ちに等しい内容だ。前走は突っ張った走りをしていたが、今回は馬場を強く叩きつけて集中力を感じさせた。

 コスモファントムは例によって気合いを付けての先行策。外の先行各馬の出方を見ながら好位のインに取り付く。道中は経済コースをロスなく立ち回り、至極順調な道中。3,4角で一気にペースが上がった時に例によってズブさを見せるが、前がぽっかり開いているためスムーズに加速。4角で前が壁になって少し手綱を緩めたが、ブレーキを踏むほどではない。直線でスムーズに前が開くと、渋太く伸びたが上位2頭には切れ味で完全に屈した。緩急のある瞬発力勝負ではこれが限界。

 エーシンジーラインは押して押してハナを奪う。前半の行き脚が速くない逃げタイプで、戦前の予想どおり先行争いは激化することなく先手を奪えた。道中の折り合いはスムーズ。残り1000メートルからペースアップする。直線で二の脚を使って他馬を突き放したが、坂上で捕まってしまった。やはり、重賞クラスだとスローの逃げに持ちこめても瞬発力に勝るタイプに差されてしまう。中山の急坂も良くなかった。

 エクスペディションは好発から手綱をグッと抑えて後方に控える。少し行きたがるところを見せたが、前に壁を作ることに成功し道中は折り合いもスムーズ。3,4角はゴチャく内を避けて外から進出開始するも、顎が上がって推進力は今ひとつ。直線を向いても重心の高い走りで伸びを欠いた。トモが甘く坂も応えた。

 ネオヴァンドームは道中から行きたがるのをなだめながらの追走で、ハミにモタれて力んでいた。3,4角でも鞍上が抑えるのに苦労するほど。直線は左手綱を引いて馬場の3分どころへ持ち出すも、伸び切れなかった。叩いて落ち着きが増せば。

 エオリアンハーブはハミにモタれて力む面があり、道中で下手に動けないタイプ。最後方追走は仕方ないタイプで、展開に左右される。4角はかなり外めを通らされる不利がありながらよく伸びてきた。

 トップゾーンもハミにモタれる面があるのだが、丸田がいつもよりポディションを落として前に壁を作って折り合わせた。道中の折り合いは完璧だったが、3角で故障馬の煽りを受けて手綱を引っ張る不利があった。その後立て直して直線もゴチャつきながら最後まで粘り強い脚を見せた。助走したい時に受けた不利は想像以上に大きい。

京都金杯(G3)回顧

2012-01-22 22:52:49 | 回顧
12.2 - 10.5 - 11.1 - 11.9 - 11.9 - 12.0 - 11.5 - 11.8=1:32.9
(33.8-23.8-35.3)

【展開】
前走でハナへ行けなかったシルポートは、何が何でもハナへ。2ハロン目に差しかかっても手綱を緩めることなく飛ばす。本来ならここで落ち着きたいところだが、内のオースミスパークも譲らないため激しい先行争いに。スプリント戦並みのハイラップ。先行有利の馬場でも差し脚が生きる流れに。

 明け4歳馬マイネルラクリマが重賞初制覇を飾った。ハイペースの流れを4番枠から気合いを付けて出して行く。強気の松岡らしい騎乗だ。道中は5番手のインから追走する。速い流れを自身も1000メートル通過58秒0とかなり厳しいラップで追走する。出して行っている分、4角の下り坂は掛らないように手綱をがっちりと抑える。4角からはオースミの外めに進路を切り替えるも、直線入口は前がびっしりと壁になり大外へ持ち出す。立て直してスパートされると、力強い伸び脚でグンと伸びる。3着馬との叩き合いを制しラスト100メートルから単独先頭に躍り出て押し切った。先行馬には厳しい流れを押し切ったのだから強いのひと言。4角で前が壁になったことで脚をタメられたのは幸いだった。視界は明るい。

 ダノンシャークはフワッとした発馬で行き脚がつかず。直後に少し気合いを付けて行ったが、ハミを噛んでしまい3角では鞍上が抑えるのに苦労する。こうなれば下手に動くことができず、4角の下り坂は手綱をがっちりと持って慎重に下る。唸る手応え。直線を向くと馬なりのままグーンと伸びる。ラスト300メートルから満を持して追い出されると大外からすごい脚で伸びる。勝ち馬には及ばなかったが、中身の濃い内容だった。流れが向いたとはいえ、タメての一瞬の爆発力は上のクラスでも通用するもの。あとは道中の折り合いが課題となる。

 アスカトップレディは16番枠から好発を決めるもスーッとポディションを下げる。前走が早めに動いて末をなくしているだけに作戦どおり。道中は中団の外めからの追走。イン有利の馬場で終始、外めを通らされたロスは想像以上に大きい。直線を向き、鋭い脚で一旦は勝ち馬と馬体を併せるも、ラスト100メートルで突き放された。牡馬相手によく頑張っている。やはりマイルが合う。もう少し内めの枠ならもっと際どかった。

 ショウリュウムーンは久々で万全の仕上げではなかった。道中は出して行って中団のインからの追走。2ハロン目を過ぎても気合いを付けながらの追走。流れを考えればもう少し後ろでもよかった。直線は馬場の3分どころに持ち出し、馬群を縫うように伸びてきたが、最後は脚が止まってしまった。久々と追走に脚を使ったことを考えれば及第点の内容。

 サダムパテックは発馬で煽り、行き脚がつかず。ここで岩田は手綱をしごいてポディションを取りに行く。出して行ったことで馬にスイッチが入ってしまい、3角の上り坂から4角の下り坂にかけてガツンとハミを噛んでしまう。直線はそれなりに伸びたが、不発に終わった。岩田は前走の反省を生かしていない騎乗だ。発馬で煽ってポディションを取り行く気持ちは分かるが、ハミにモタれる癖のあるパテックに合った騎乗法ではない。思い切って馬任せで最後方追走でも良かったのではないか。馬との呼吸を大事にする四位が一番合っている。

 ブリッツェンは見せ場十分の内容だった。このハイペースの流れを道中は4番手からの追走。悔やまれるのは4角の下り坂で前に壁を作ることができず、ハミを取ってしまったこと。早めに前を追いかける形となり、直線は押し出されるように先頭に立つ。抵抗はしたが、ラスト1ハロン地点で力尽きた。流れを考えれば見せ場十分だったし、前半の行きっぷりは見せ場十分だった。

AJCC,平安S

2012-01-22 12:05:05 | 最終結論
中山11R  AJCC
◎ルーラーシップ
○リッツィースター
▲ナカヤマナイト
△ゲシュタルト
×ミステリアスライト

京都11R 平安S
◎エスポワールシチー
○ヒラボクキング
▲アドマイヤロイヤル
△グランドシチー
×スラットジェルラン
×トウショウフリーク

中山9R 若竹賞
◎バンザイ

中山10R 若潮賞
◎マイヨール


時間がないので印だけで失礼します。