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エリザベス女王杯(GI)回顧

2006-11-12 21:59:28 | 回顧
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【馬場】Bコース2週目。前日の降雨で内側は湿り気味。外を通った馬が来る。

12.5 - 10.6 - 11.7 - 11.3 - 11.3 - 12.2 - 12.5 - 12.8 - 13.0 - 11.5 - 12.0

【展開】B着用のシェルズレイがハナ。同厩舎のライラプスも続き、2ハロン目から10秒6-11秒7-11秒3-11秒3と向こう正面まで短距離戦並の暴走ラップを刻み、大逃げ。6ハロン目からようやく落ち着くも、とき既に遅し。向こう正面で15馬身くらい後ろにアサヒ、アドマイヤが好位グループを形成し、カワカミ、スイープは後方待機。フサイチを目標にカワカミが動き、それにスイープも続く形。流れは後方グループに向いた。

 場内アナウンスが流れた瞬間、スタンドに詰めかけた大観衆は騒然となり、悲鳴をあげた。カワカミプリンセスが1位入線したものの、最後の直線で他馬の進路を妨害し、12着降着。GIで1位入線馬が降着したのは、1991年のメジロマックイーンの天皇賞以来のことだった。そして、繰り上がりで優勝したのは3歳馬のフサイチパンドラ。道中は縦長の速い流れのなか、後方で末脚を温存。前走時から下を縛り、ハミを替えたことと、激流のおかげで折り合いは完璧。3角の下り坂で外目をジワリと進出。残り3ハロン地点で一気に仕掛け、先団へ取り付く。直線も馬場のいい大外へ持ち出すと力強いフットワークで駆け抜け、カワカミに末脚には屈したものの、2位入線を果たした。終始、目標にされる苦しい展開で自ら動く横綱相撲。内容は文句なし。速い流れで持続力を生かせた。

 女王スイープトウショウは天皇賞から中1週での参戦。6㌔増で馬体はフックラしていた。だが、返し馬ではフットワークに硬さが目立ち、いい頃のバネの利いた走りではなかった。課題の返し馬、ゲート入りともスムーズに行うと、道中は縦長の速い流れを後方でカワカミをマークする形。終始、いい形で進められ、フサイチ→カワカミが動いた3角の下りから4角で、同馬も外を通ってポディションを上げる。直線で馬場のいい大外へ持ち出し、差し切りも狙える圏内にいたが、思ったほど弾けず、伸び切れなかった。これまでの実力を考えれば不満が残る。やはり臨戦過程に不安があり状態が万全でなかったのは確か。また、昨年優勝時の自身の1600㍍通過が1分39秒9だったのに対し、今年は1分37秒2。シェルズレイが作る速い流れで、脚を十分にタメることができなかったのも響いたか。競馬の難しさを象徴する今秋の成績。

 ディアデラノビアは課題の折り合いを克服し、道中は縦長の速い流れを後方のインでスムーズな追走。終始、ロスなく乗られる。だが、前日の降雨と連続開催の影響で内の馬場状態は良くない。三分三厘で外へ持ち出そうにも、馬群がギュッと固まり、直線での選択肢はひとつしかなかった。一瞬はいい脚を使ったものの、最後は止まってしまった。馬場のいい大外へ持ち出せていればもう少しやれたか。それでも、上位3頭は強敵だった。

 アサヒライジングにとっては厳しい競馬となった。直前の攻めで絶好の動きを見せ、叩いた上積みは確実にあった。道中は最内枠発走からシェルズレイの作る縦長の速い流れを、離れた3番手追走。これはオークス3着時と全く同じ形。先頭から15馬身近く離れていたとはいえ、自身も速いラップを刻んでいたし、アドマイヤキッスにマークされる形。それでも、直線で馬場のいい外目へ持ち出す脚があり、尚且つ一瞬は脚を使った。この馬の底力も相当なもの。強い。

 アドマイヤキッスはプラス6㌔と寒い時期で前日追いをしながら太め残り。道中は脚を余した前走の反省を生かして前目の位置取り。積極的なレース運びで向こう正面ではアサヒを交わして3番手へ押し上げ、直線入り口では先頭へ躍り出る。だが、そこで一気に馬込みに飲み込まれた。これが現状での力差。鞍上は「距離が長い」と。

 穴人気したサンレイジャスパーは発馬直後にスッと控える。スイープとマークする形だったが、直線で弾けなかった。もう少し緩い流れを希望か。

 無敗の3冠馬誕生かと誰もが思ったゴール直後。カワカミプリンセスには気の毒な結果となった。12着降着という事実は厳粛に受け止めなければならないが、この馬の強さは別格だった。下見どころからテンションが高く、折り合い面で不安を残したが、道中は縦長の速い流れを後方からの競馬。前のフサイチを見る形。3角の下り坂でフサイチが動き、マークする形で外を連れて進出。直線で馬場のいい大外ではなく、真ん中を突く。狭いところを鞍上の懸命な左ステッキに応え、抜群の反応で突き破る。だが、この時にヤマニンシュクルの進路をモロに妨害してしまった。それでも、追われてからの脚は、この馬の強さを象徴するもの。強い競馬だった。

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