鉄道写真を撮られる方が車両に向かってストロボ発光を行い
それが安全運行の妨げとなると問題になることが多いのですが、動物たちにも同じことが言えます。
実際に知られていないのか、確信犯なのかは分かりませんが、
プロ写真家と名乗っている人ですらストロボ撮影を行っている方が多いです。
夜行性動物の活動時間は暗いからという以外に、
キャッチライトといって目に光を入れるとイキイキして見えるというのが理由のようです。
その行為は寺社やライブ会場でストロボを発光したり、鉄道にストロボ発光する行為。
いや、それ以上に自然界のマナー違反です。
構造物や風景をライティングするのとは性質が違います。
「ライブや寺社仏閣での撮影」や「景観を損ねる」、「星が見えない」、「三脚が迷惑」「通行の邪魔」などといっているはヒトだけの勝手な問題です。寺社仏閣がなくても、鉄道が走らなくても自然界には影響ありません。
それに、ヒト同士なら、事前に話せば分かりますし、フラッシュ撮影許可も得られます。
しかし、動物は人間の故意による光で、突然の攻撃を受けることになります。
しかも、ストロボは一般的な街灯やスポットの照明と違い逃れることができません。
夜間の光を多く取り入れようとしている目にストロボを発光されると、
さして夜目が聞かない人間ですら、視力を奪われ全身の筋肉が緊張し、大きなストレスを受けます。
ましてや夜目のききやすいフクロウやモモンガ、キツネ、ネコ、テンなどにストロボ発光した場合、
相当のストレスを与えてしまうばかりか、失明してしまうことすらあります。

ところが、自称「ネイチャーフォトグラファー」や「自然を愛する」などと語っている方ですら、
良い写真(人間にとって見栄えがする絵)を撮影するため、
平気で動物にフラッシュ撮影(しかも複数台を巣の周りに設置して、
警戒心を解くためにリモートで同時発光したり)をする方が多いのです。
目の構造が違い、フラッシュの影響がない「昆虫」などであれば問題ないのですが、
動物写真は自然光が基本で、ライティングするのであれば対象にストレスを与えないように行うのが基本です。
しつこいようですが「静物(美術作品や商品のブツ取り)」「風景」をライティングするのとは訳が違います。
動物園ですら「フラッシュ撮影禁止」と歌っているのです。
大型哺乳類はフラッシュがきっかけで暴れたり、猫や狸などは車のライトで緊張して固まり、
轢かれることがあるのはご存知かと思います。
無知な子供ならば知らないで済むかもしれませんが、
プロ(写真家)を名乗る方は知らないでは済みませんし、知らないなら恥だと思います。
仮に知っていてやっているのであれば、虐待行為と変わりません。
お願いですから、暗闇の動物の動きを止めるためにはフラッシュが必須、
売れる写真・可愛い写真には「キャッチライト」が重要といって、動物にフラッシュを使わないでください。
撮影するのなら、ストレスを与えないよう自然の姿で接してあげてください。