味園博之のブログ-文武両道「空手道と南洲翁遺訓」他古典から学ぼう

平成の今蘇る、現代版薩摩の郷中教育 
文武両道 「空手道」と『南洲翁遺訓』を紹介するブログ

修養の工夫

2016-07-24 10:19:22 | ブログ
第2763号 28.07.24(日)
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4.修養の工夫
  吾人(ごじん)の工夫は、自ら覔(もと)め自ら覰(うかが)うに在り。義理混混として生ず。物有るに似たり。源頭来処を認めず。物無き似たり。『言志晩録』4

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 〔訳文〕われわれの精神修養上の工夫は、自らの心の状態を求め、自ら視察するにある。
 そうすると、正しき道理が混混と水が流れ出るように出て来てそこに何物かがあるように思われる。
 しかし、その根源は何処にあるかわからないから、何物もないようでもある。これが心の本体というものでもあるのだ。3-12頁

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 【コメント】人間は成長する過程で、仕事をし、情報を収集し、学問をし、人との交流をして行く中で、成功もし失敗もすると思います。
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 人間誰だって成功したい、偉くなりたいという願望はあるでしょう。その為には、先ずは自らを立派に創り上げなければならないと思います。所謂、身を修める、「修身」ということです。
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 その為には、英明な人々を中心として歴史的に読み継がれている書籍を只管学ぶということが肝要だと思います。
 学歴もなく、何も解ら無かった私は『南洲翁遺訓』との出会いのお蔭で、人格完成をした荘内南洲会の先生方との出会いがあり、人を学び書を学んできました。後期高齢者になった今でも、学ぶ意欲は衰えるどころか、益々壮になっています。
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 これほど学問が楽しいものだとは思いませんでした。ですから人生に役立つ学問を青少年にお伝えしなければならないと思っているのです。大学教授らが解説する域を子供にも理解させなければならないのです。
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 私が主宰する空手道教室に集う子供たちは、『南洲翁遺訓』を、古典を熱狂的に暗記し、大声で拝誦してくれるのです。それは、そのことがあなた方の人生で一番役にたつからですと教えるからなのです。
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 今、都知事選挙が喧しいです。候補同士で、中傷合戦をしている人がいるようです。反撃している人に対して、元大阪府知事・橋下氏が言論の自由を声高に言っていた人が怒るのはナンセンスというような論法で斬りまくっています。
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 橋下氏が斬りまくっている男は、俺が言うのが一番正しいのだと云わんばかりです。だが私に言わせると、言々におかしい處が数多あります。その男の思想の延長が今日のしまりのない社会だと私には思えてならないのです。自由に生きるということは、そこに社会規範・規律がなければならないのです。
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 反戦・平和・人権も大事です。だがその前に人間の躾、国民としての義務を教えなければならないのです。過去の戦争体験のお蔭で、義務よりか権利を優先して教えてきたから世の中おかしくなってきたのです。会社に入って教えられた権利も役立ちましたが、まずは懸命に働くことが優先されなければならないのです。
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 先に修身という言葉を書きましたが、その次に聖賢と云われた人々の訓戒をこそ学ばなければならないと考えます。そのためには、四書五経を一心不乱に学ぶことが要諦だと私は信じています。
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 私の道場には、聖賢といっていい方々のお写真を飾ってあり、朝夕礼拝しています。

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『臥牛菅実秀』(第298回)
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 明治六年十一月、田川郡淀川村の佐藤八郎兵衛らが、この石代納を唱えて農民を扇動したため逮捕収監されるという事件が起った。
 金井はこれを取り上げて内務省に訴えた。内務省では七年七月、係官を出張させ、佐藤らの釈放を命じ、本年より石代納は随意、雑税は整理して存廃を決定すべきことを明かにした。
 これを知った各村の農民は酒田県庁の地租取り立ての不正を唱えて、戸長や肝煎に諸公簿の公開を迫った。
 これがワッパ事件の発端であった。

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『農士道』(第574回)
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    第十章  實際問題の考察
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 吾々日本人は、人格の完成せる状態を呼ぶに「命」(みこと)の語を以てせしに於ても窺はる如く、真理、原理は、直下に之を躬を以て行じ、生命的把握をなして来た民族である。論語劈頭に孔子の言として、「学んで時に之を習ふ。亦説ばしからずや」と記してあるが、学び得た真理を実地に習得して、悦ばしき境地にまで至ることこそ、実に日本の命道である。随って農道の本義も、之を日常脚跟下の生活に即して、如何に実地に活用し、修得するかということを明むるを要する。勿論それは人々個々自らの生活環境に即して省悟躬行すべきことではあるが、本章に於て次の三事を取って、実際問題の指南(何れの方向に進むべきかの指示)を得ることとする。
 一、農業経営の問題
 二、農家生活の問題
 三、農政機構の問題

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