私は何人？

タクシーに乗るたびに、キサニｍから話しかけられるあたし。
だいたい質問は決まっていて
「どこから来たの？（どこの国の人ですか？）」
「仕事は何？」
「どのくらい住んでるの？」などと身辺調査が始まる。

そのうち
「年はいくつ？」とか
「結婚しているの？」や
「旦那さんは？何やってるの？日本人？韓国人？」
などと、日本ならプライバシーの侵害でしょ？と
いうことを単なる“興味”で質問してくる。

“結婚していない”なんて答えようものなら
「え～～？何で？」
「結婚するなら韓国人がいい？日本人がいい？」
などと、心配してくれる人から
「僕も独身だけれど、どう？」と
自分を売り込んでくる人まで様々。

日本のタクシー運転手さんなら、
話しをしても、天気とか社会問題とかの話題で
個人的なことを質問することは、ほとんどないと思うんだけれど、
タクシーキサニｍに限らず、韓国の人は、年齢、結婚の有無を聞く人が多いのだ。

ちょっと話しが弾むと
「名前は何ですか？」と聞かれる。
でも、まじめに答えても韓国の人にとって、日本人の名前は難しくて
一度、聞いたくらいでは覚えられないだよ。
そして、覚えてどうこうする気は、ほとんどなく
単に“ちょっと聞いてみよう～”ってかんじ。

で、名前を聞いた後に自分も名乗るのだ。
「金です。」
「朴です。」

をーーーーーいっ！
「金さん」も「朴さん」も韓国には山のようにいるぞっ！
街で「金さーん！」なんて呼びかけたら
１０人のうち５人くらいは振り返るような勢いだよ！
教えてくれるのなら「金　○○」「朴　○○」と
ちゃんとフルネームで教えてくれいっ！
って、日本人にとって韓国の人の名前は
一度聞いたくらいでは覚えられないンだけれど

私が“外国人”であることは、
始めに目的地を言うときの発音や言い方、姿形で分かるらしい。
で、「どこから来たの？」と聞くんだけれど
「日本からです。（日本人です）」と答えると
「日本ですか？日本のどこですか？」と質問が続くか
「私も日本で働いていました。」と急に日本語で話し始めるキサニｍも多い。

ところが、最近、この身辺調査に変化が起こり始めた。
「日本人です。」と言っても
「え？本当の日本人？」という驚きの反応をされることがある。
をいをい！本当じゃない日本人って何？
ついには、
「在日の方ですか？」とか
最初から、外国人と思わず、韓国語でふつうに話しかけ
途中で分からない顔をしたり、話しがちんぷんかんぷんだと分かると
「ああ、外国の人ね～」と言われるのだ。

あるタクシーキサニｍなんか
「え？日本人？プランス人かと思った～～」って
　　　　　（韓国語ではフランスを“プランス”と言う）
あたしは欧米か！？

まあ、確かに黒髪が圧倒的に多い、韓国で
茶髪にしていて（といっても日本じゃものすごく黒い方だよ）
色の派手な服を着て（って、韓国の人の方がカラフルだよ）
ちっとばかりハデな顔してるけれど
“プランス人”は、よかったね～
“アメリカ人かと思った”って言うのもあったけれど。

ちょっと前まで、一目で日本人ってわかる！
って言われていたのに
そう言えば、最近は韓国人にまちがえられることも多いなあ～

さて、私は何人？
日本人？韓国人？在日韓国人？アメリカ人？フランス人？
でも、韓国に多い「中国人」や「ベトナム人」と言われたことはない。