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2022 12/8の拝観報告3 最終(南座 當る卯歳 吉例顔見世興行)

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写真は、まねきの上がる玄関。

さてぎおん徳屋を出て、13:45頃にやって来たのが南座です。
もちろん毎年恒例の顔見世興行です。
ちょうど開場したところでした。

今年も仁左衛門さんが出られる第2部。
席は6列の19番。
この辺りだと臨場感が強いです。

14:10から開演。
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恋飛脚大和往来(こいびきゃくやまとおうらい)
封印切(ふういんきり)
飛脚問屋の亀屋忠兵衛(中村鴈治郎)は井筒屋の遊女梅川(中村扇雀)と恋仲。
身請け金が工面できずにいたところ、イヤミな丹波屋八右衛門(片岡愛之助)が身請けすると現れます。
丹波屋八右衛門はお金をポンと出すも井筒屋の人からも不評の様子。
そこで忠兵衛の悪口を言い出したところ、影で聞いていた忠兵衛も堪忍袋の緒が切れ、「三百両もあるから、これで身請けする」と啖呵を切って八右衛門を追い返します。
井筒屋はめでたしの雰囲気になるのですが、実はこのお金は公金。
当時公金の横領は死罪。
梅川と2人になった忠兵衛はそのことを告げ、2人で死を覚悟して逃走するというお話。
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登場から総じて明るくて、能天気そうな鴈治郎 忠兵衛ですが、封印を切ってからの落ち着きのなさ、ただよう悲壮感がよく出ていましたね。
またそこに至るまでの愛之助 八右衛門の執拗なまでの挑発と、徐々にヒートアップしてとうとうという鴈治郎 忠兵衛のかけあいも良かったです。
井筒屋の女将さんやご主人が鴈治郎 忠兵衛の味方をするその気持ちが、逆に封印を切らせる後押しになっちゃってるのも、悲しいもんですね。
もちろん鴈治郎 忠兵衛と扇雀 梅川も兄弟で息ピッタリでした。

15:35に幕で、25分の休憩。
今回から場内での飲食がOKになりました。

そして16:00。
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「松浦の太鼓」
序幕 両国橋の場
雪の降る元禄15年12月13日の両国橋に俳人 宝井其角(中村歌六)がやってきます。
そこへ煤竹売りが来るのですが、これがかつての俳諧の弟子であった
赤穂浪士の大高源吾(中村獅童)
源吾は赤穂藩が改易になり、煤竹売りに身を落としていました。
そういう事情もあり源吾の妹 お縫(片岡千之助)は、其角の口利きで平戸藩の藩主・松浦鎮信(片岡仁左衛門)のお屋敷に奉公しています。
其角が声をかけ再仕官を勧めますが源吾は断ります。
またみすぼらしい格好の源吾に其角は松浦候から拝領した羽織を着せてやります。
別れ際に其角が「年の瀬や水の流れと人の身は」と詠むと、
源吾は「明日待たるゝ その宝船」と、謎の付句を返して去ります。

二幕目 第一場 松浦邸の場
句会の催されている平戸藩主・松浦鎮信のお屋敷。
其角も呼ばれています。
そこへお縫がお茶を点てにやってきました。
お縫を見た松浦候は不機嫌になります。
原因を探るとどうやら、いつまでたっても赤穂浪士が吉良に敵討ちをしないのが気に入らないようです。
松浦候は兵法「山鹿流」を学んでおり、赤穂藩家老の大石内蔵助とは同門。
そういう点からも心を寄せていました。
一旦其角が機嫌を収めますが、昨日源吾に遭ったこと、自分の羽織を渡したことを何気なく話したところ、松浦候は再び怒り出します。
源吾が敵討ちもせず、町人暮らしに甘んじていること。
さらにそんな輩に自分の羽織を渡したのが許せなかったのです。
仕方がないので、其角お縫を連れて松浦候の屋敷を出ようとします。
その時前日別れ際の「年の瀬や水の流れと人の身は」に対する源吾の付句「明日待たるゝその宝船」の話を松浦候にします。
さてどういう意味か・・・と思案していたら、
隣の吉良邸の方から聞き覚えのある太鼓の音が。
松浦候が指折りリズムを数えると、これは正しく山鹿流の陣太鼓。
赤穂浪士の討ち入りを確信し、「宝船はここじゃここじゃ!」と大喜びします。

二幕目 第二場 松浦邸玄関先の場。
助太刀のためと馬にまたがる松浦候を、家臣たちが必死に止めています。
そこへ源吾が登場。
討ち入りを終え本懐を遂げた源吾松浦候は、今までの顛末を聞きます。
見事な経過と今後の覚悟を滔滔と語る源吾に心を打たれた松浦候
源吾を讃えて幕となります。
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松浦の太鼓は秀山祭で上演されたのが「古典芸能への招待」で放送されていたので、それで予習できました。
まあやっぱり仁左衛門さんですよね。
今回は3枚目っぽいいわゆるバカ殿役ですが(笑)、まあカワイイですね。
何回も言いますが、あんなにカッコイイ78歳がいるんですもんね~~。
其角は放送された秀山祭でも歌六さんでしたので、一層違和感がなかったです。
しかしアレだけ討ち入りしないことでイライラさせた後での、陣太鼓。
スッキリしますよね。
其角もお縫も面目躍如でしたし。
細かいところでは近習達の殿への毎度の「太鼓持ち感」も、クスっと笑えましたね。

17:15に終演。
今年も非常に楽しい顔見世興行でした。

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