ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

山片蟠桃物語(20) 夢の代(1)・宗教論

2016-12-21 11:54:13 | 山片蟠桃物語

       宗教論

 寛政六年(1794) 蟠桃は故郷神爪(現、高砂市米田町神爪)村の正覚寺住職に仏教問答めいた書簡を送っています。

 十項目ほどのか条にまとめているが、彼の考え方がよく分かります。

 その内、一つだけであるが読んでおきます。

 

 ・・・ある(仏教の)経典によると、西方十万億土の地には極楽と呼ばれる別世界があって、阿弥陀と呼ばれる仏がおられるとのことです。

 しかしと地球の周囲は、日本里で計るとおよそ一万里(約四万キロ)で、西方十万億土という場所は、まったく見当がつきません。

十万億里というのは、地球を一万回ぐるぐる回る距離のことでしょうか。

 インド、中国、日本はともにアジア州に属しています。その西はアフリカで、さらにその西は海を越えてアメリカ、さらに海を越えると日本に戻ってきます。

 つまり、いくら西に向かっても極楽には到着できないのです。

 蟠桃は、いくら西に向かってみても地球をぐるぐる回るだけで、極楽などにはぶつからないと断言する。・・・

 彼の合理(科学的)主義が読み取れます。(no3430)

 *『蟠桃の夢(木村剛立著)』(トランスビュー)参照

 *写真:正覚寺(高砂市)米田町神爪:蟠桃の菩提寺)

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