加古土地改良区に、古文書「村方万事議定證(むらかた、ばんじぎじょうしょう)」(以下「議定證」とします)が保存されています。
加古土地改良区で「議定證」(写真)を見せていただきました。
変なおじさん(私)が、一緒ですがお許しください。
いま、「加古新村の誕生」は、この議定證から加古新村の歴史を紹介しています。
稲美町加古には寺がない
移住者は、才兵衛・治兵衛・喜平次の旦那寺に
(議定證:第5項)
一 宗旨の件ですが各々様(才兵衛・治兵衛・喜平次)と同じ禅宗になり、旦那寺も同じにしたいのでよろしくお願いします。
神社や寺の守り札をいただいたりするのも、こちらからは一切口出しせず、三人様の指図どおりに致します。
勝手に跡目を入れて、引っ越しをするようなことは致しません。
これは兄弟・下人であってもお断りをし、帳面に書かれている外に、他所から一人も家に置いたりしません。
議定證は、入植した百姓たちの自発的意思で作成されたものか不明です。
ともかく、頭百姓に非常な特権を認めています。
加古新村には寺院がない
第5項は、百姓は全て開発百姓の出身である、中西条・上西条・下村(現:加古川市八幡町)の3寺院の檀家になることを定めています。
そのために加古新村には、今に至るまで寺 院がありません。
加古新村のような大きな集落で、寺院のない集落の例は外に知りません。
違反する者には処分を! 詫び言は言いません!
そして、5項目の後は次のように続きます。
右の通り、すべての下百姓は残らず連判を記した上は、末世末代、子々孫々にいたるまで毛頭(もうとう)反するようなことはありません。
もし、一人でも異議を申し唱えるものがいたならば、下され田畑・家屋敷・農具にいたるまで取り上げてください。
右のように決めましたので、詫び言も言いません。
その上で御公儀様に仰せになり、どのようなことを仰せつけられても一言も恨み申し上げません。(no4541)
*写真:加古に残る文書(議定證)
◇きのう(2/16)の散歩(10.029歩)