ひろかずのブログ

加古川市・高砂市・播磨町・稲美町地域の歴史探訪。
かつて、「加印地域」と呼ばれ、一つの文化圏・経済圏であった。

尾上町今福探訪(6):今福の字名

2009-09-09 08:46:05 |  ・加古川市尾上町

   今福の字名を調べよう

5db90e7c 皆さんのお名前は田中さんですか、岡田さんですか。それぞれ、すばらしいお名前をお持ちです。

名前の由来について知りたいですね。

土地も同じように名前を持っています。その土地の名前を字名(あざな)と言いますが、現在、多くの場合、いつ・なぜその字名がついたのか分からなくなっています。

でも字名は、その土地の歴史を知る手がかりになる場合が多くあります。

字(あざ)の説明を続けます。

現在の今福・長田・池田等々は大字(おおあざ)と言い、それらの大字はさらに小さな小地域を含んでいます。

これを小字(こあざ)といいます。

 今福の小字は図のようです。(図はクリックすると拡大します)

*太い線は今福の南北・東西の道路です。なお公会堂・今福八幡社・泉福寺を記入していますので、大体の場所を確認ください。

小字も、いつ・どのようにしてつけられたのかは、ほとんど分かっていません。

長い歴史の間に、その字名の呼び方もずいぶん変化があったようです。

ですから、地形・歴史・風俗などを総合して、小字が私たちに語りかけるメッセージを想像してください。

   「福」はフケの佳字か?

郷土の地名を研究されている石見完次さんの著書『古地名新解-加古川おもしろ誌』から今福の字について調べていましょう。

・・・

「福」はフケ(湿地)に佳字をあてたもの、「今」は「新しく出来た」という意味である

・・・

「今福は水田に適したフケ、つまり湿田で稲作に適した土地の意味である」とされています。

つまり「福」はフケ(湿地)が変化し後に福の字があてられたと説明されています。

    今福の小字を読む

市楽(いちらく)・・・地元に知る人もなく、分からない地名である。

定成(さだなり)・・・今福荘の役人尾名前で、その給田か?

行信(ゆきのぶ)・・・    〃

道明(どうみょう)・・    〃

三の坪(さんのつぼ)・・条里制からきた「三の坪」

(きゅう)・・・条里制の「九の坪」が変化したと考えられる。

梅ケ坪(うめがつぼ)・・・埋められた坪であろうか。梅の木のある区域を言うのかもしれない。

丁田(よろぼだ)・・・「ヨロボダ」が古名であろう。

*古代朝廷の課役に出した男や神社に奉仕する男を丁(よろぼ)といった。その丁を住まわせ田土地が丁田である。

尾ノ下(おのした)・・・「尾上」に対する下ではなく、水路のある下の区域のことである。

北尾(きたお)・・・北の水路の意味である。

ほとんどの字名の正確な意味は分かりません。

皆さんは、どのように考えられますか。

なお、「三の坪」については、後に条里制の項で再度取り上げます。

コメント
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