邪悪な羽根の中で

うみを掲載するのはたまらなく嫌だったから先週一週間を消した。
俺はずぶずぶに落ちたかったのだ。落ちて落ちて、すべてを受け入れられる男になろうと思った。
できるわけないのが分かった。早めに分かって良かった。
うみに救われた。
どんどん大きくなるうみ。1月よりも重くなっていたぞ。おまけにそうらまで抱けというから大変だ。
俺はヒデさんと呼ばれている。お母さんがそう呼んでいたからだ。お母さんは世界に通用する大柄な人で、間違いなくうみも170センチを越すだろう。
「ヒデさんは、いつまでうみを抱っこできるかな」と俺。
「二十歳まで」と7歳のうみ。
「何で」
「だってうみは大人になるし、ヒデさんは52才だからよぼよぼになるよね」
「よぼよぼかあ」
俺をみつめてきつい事を言う。だが正解だ。
俺は鍛えつづけなければいけない。