食の旅人

~ 食べることは生きること、生きることは旅すること、そうだ食べることは旅すること~
  野村洋文

フォアグラ

2010-02-25 06:44:48 | 日記
フォアグラ、、、、、


 高級食材の代名詞


 古代エジプトで、すでに食されていたことがわかっている。


 古代エジプト人は、ガチョウが数千キロにも及ぶ空の旅にたつ直前、大量に食べてエネルギーをたくわえる、ことに気づいていた。


 暴食とも表現できるような大食いによって、異常肥大した肝臓が、美味であることを発見した彼らは、ガチョウを家畜化し、漏斗で無理矢理、餌を押し込んで、強制飼育することを思いついた。


  、、、、やがて、、、、


 フォワグラは、エジプトからギリシャへ、そして、ローマへ、、、、、古代権力者達の食卓を常時、飾ることになるのだ。


 、、、、、不思議なことに、、、、、、


 中世に入ると、フォアグラは、あまり好まれなくなる。


 、、、、、そして、、、、、


 千年の月日を経て、フランス、ブルボン朝(ベルサイユ宮殿で有名な、ルイ王朝)時代、フォアグラは、再び脚光を浴びることとなるのだ。


 、、、、、現在、、、、、


 ガチョウに対する強制給餌が、動物虐待にあたる、という理由から、フォアグラ生産を禁止している国も多い。


 本家であるフランスは、というと、、、、


 「 フォアグラは我が国を代表する食文化である。いかなる外圧があろうとも、これを守っていく次第だ 」


  強気の姿勢を崩していない。。。。。。


 つまるところ、食文化とはそういうものではないだろうか。


 「 生きたい 」という衝動から発した、「動物を捕獲して食べたい」という人々の欲望の連続は、やがて、その国が生き延びたい、とする情念の流れの中に溶け込んでいく。


 そして、その国が持ち続けていく固有の歴史の中に同化されていくのだ。



 韓国で犬を食べるのは、彼ら民族の歴史的特権であるし、アザラシを食するエスキモーにとっても、これまた然り、と感じる。。。。。


 当然、クジラを食べる歴史文化を、我々日本人は、世界の代表として、守っていかなくてはならない、と思う。