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かつてのMBA(経営修士)学びレポート

教育における方法知について考える PART.1

2008-11-18 22:55:07 | 大学教育・学び
Learning to learn というのをご存知だろうか?
訳せば「学び方を学ぶこと」。
Learning to learn(学び方を学ぶ) はヨーロッパ、EUで取り組まれており、研究成果も出ているようだ。
どこから生まれた概念なのかというと、2000年に採択された「リスボン戦略」のひとつである。EUをヨーロッパの教育を2010年までに世界一にするという目標である。

世界一とはどのような基準で測るのかよく分からないところがあるが(OECDのPISAのようなアセスメントで測ろうとしているのかもしれない)、要は、ヨーロッパの教育はアメリカと比べると劣っている、アジア経済圏の追い上げも著しく、「このままでは自分たちはだめだぞ」という危機感の表れであるようだ。

リスボン戦略というのは、2000年3月、EU加盟国首脳によって、2010年までに、EUをより良い職業をより多く創出し、社会的連帯を伴う持続的経済成長を可能にする世界中で最も競争力があり、ダイナミックな 知識に基づく経済地域に発展させるという目標を定めたもの。EUをより豊かにし、残存する地域間格差を是正するのが目的だ。経済発展には学校・教育の充実が必須であり、研究・教育への投資をGDPの3%に引き上げることも決定した。というのも、教育・研究費の対GDP比率は1.93%(2003年)にすぎず、アメリカ(2.59%)、日本(3.15%)を下回っていたからだ。
さて、リスボン戦略の教育の充実であるが、8つのキー・コンピテンシー向上を方針としている。
1. 母国語によるコミュニケーション力
2. 第2外国語によるコミュニケーション力 
3. 数学的、科学・技術の基礎的能力
4. IT・デジタル・スキル
5. 学び方の学び方 =Learning to learn
6. 社会市民としてのスキル
7. リーダーシップ、アントレプレナーシップ
8. 文化的理解力と表現力 

この5番目が「学び方を学ぶコンピテンシー」である。
日本では、「方略」とか「方法知」といわれている概念と同じである。「方法知」が学ぶ方法であるのに対して、知識そのものの学びを「内容知」という。
さらに詳しくは次回に。


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