湖南オヤジのlast stand

50代オヤジのささやかなチャレンジ記録です。

ジャコ・パストリアスの生涯 映画 「JACO」

2016-12-26 23:59:59 | 音楽

就職した翌年だったと思うが、独身寮で夕食を食べながら新聞をぼーっと読んでいて、「ベーシスト、ジャコ・パストリアス氏死去云々・・」という記事に目が釘付けになった。
「やっぱり・・・」、と一抹の寂しさを覚えたが、ショックというほどのものはなかったので、自分でも意外であった記憶がある。

既にジャコの最後の作品「ワード・オブ・マウス」(といってもソロ作品はデビュー作「ジャコ・パストリアスの肖像 」のたった2枚しかないが・・)発表後、アルバム制作は無く、他ミュージシャンとの共演アルバム制作も途絶えていた。

今のようにインターネットも無い時代、ジャズ雑誌にのるゴシップ記事(ドラッグで再起不能では云々・・)を見ていて、あ、もう演奏できないのだな・・・と決めつけていたからかもしれない。

自分としてはジャコが活躍していた時分はウェザーリポートの、これぞフュージョン!といった楽曲より、ジョニ・ミッチェルのアルバム「Hejira」の印象派のようなサウンドカラーの中で音空間に深みを持たせる演奏や「Mingus」での歌を引き立てる凄いテクニックによる演奏の方が好きであった。


彼の活動が見えなくなって以降、ジャコを掘り下げていくことはしなかったので、何が彼を破滅に追いやっていったのかはあまり意識せずに月日が流れ・・・映画「JACO」

 

冒頭の最後のインタビューと思えるシーンで近況について「仕事をくれ・・・」と生気のない眼差しで答えるジャコに「ぎょっ」としてストーリーはスタートする。

演奏シーンの挿入はそれほど多くなく、ジャコやその家族が撮影した8mmフィルムやジャコの演奏に関わった多くのミュージシャンやプロデューサー、影響を受けたベースプレイヤーの証言(ロックのベーシストの証言の数々が印象的)で構成された映像は、彼の音楽の源泉、芸術家としての欲求、戦ってきたもの、守ってきたもの、そして彼を破滅に至らせた彼の才能の本質を過剰な演出無しに映像は浮かび上がらせていた。


今月の上原ひろみトリオのアドリアン・フェローの演奏を聴いて強烈にジャコを想い出したばかりであったのでリアルタイムでジャコ・パストリアスという天才の音楽活動を体験できた幸運をかみしめて、映画館をあとにした。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« VFXとイメージ補完 海賊と呼... | トップ | 2016年 年末山陰旅行 初日 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿