極☆ヒロ

ヒロシの徒然なるおバカ日誌です。

出産

2006-02-03 | ケイコの初めての妊娠・出産
これは出産した時に病院でメモ帳に書いていた記録を後日した日記です。

 
朝、ヒロシと母が交代。
朝一でNSTを受ける。陣痛の後に赤ちゃんの心拍が下がるそうだ。
私がこれだけ疲れているのだから、赤ちゃんも疲れてしまうのだろう。
赤ちゃんの体力も心配になる。
助産師さんが帝王切開も視野にいれているようで喘息の事など聞かれた。
9時になり先生の内診を受ける。まだ子宮口は3cm。
一晩中、あれだけ苦しんだのに…。まだまだゴールは遠い。
いつになったら赤ちゃんに逢えるんだろう・・・。不安でたまらない。
先生からは帝王切開の話はなかった。

9時過ぎに別の助産師さんが様子を見に来てくれた。
陣痛のいきみ逃しの呼吸法を丁寧に教えてくれた。
母にも私が楽になるようなマッサージを教えてくれて少し痛みが和らぐ気がした。
助産師さんの内診では早ければお昼、夕方には産まれるかなと言われ
助産師さんの存在がとても心強く希望が持てた。

その頃から5分間隔だった陣痛の間隔が開き弱くなって来た。
体が疲労し過ぎて良い陣痛が来なくなるらしい。
陣痛の合間は出来るだけ眠るようにする。
それでもすぐに次の陣痛は来るのだけれど。
不安でヒロシに逢いたい。我慢できずに電話をして来てもらう。

お昼過ぎに破水。破水した為、点滴をしなければいけないそうだが、
陣痛が強くて体を動かしてしまう為出来ず様子を見る事となる。
先生が少しでも陣痛を和らげる為にとツボに注射をしてくれた。
背中やお腹、くるぶし、少し痛いが陣痛に比べたら楽なものだ。
しばらくその効果もあったが2時間程で陣痛はまたますます強くなり早くいきみたい。

上手く呼吸が出来ず大きな声が出てしまう。
陣痛の度に突っ張る足がつる。体中が痛い。
助産師さんの内診で5~6cm開いて来たと言われ光が見える。
マッサージしてくれている母も相当疲れているようだ。
でもゴールまであと半分。半分なんだから頑張らねば。
気持ちを持ち直し、ヒロシには一旦家に戻って夕方また来てもらう事にした。

夕方となり昼間の助産師さんが昨晩の助産師さんと交代。
「もう産まれてると思った」と言われ凹む。私だって産んでたかった!
先生に内診をしてもらうとまだ3~4cmと言われた。
朝からこんなに苦しんで頑張っているのに何の進展もない事で絶望的な気持ちになる。

昼間、半分って思ってたのは何だったんだろう。何も信じられない。
これがいつまで続くんだろう・・・。
私の体力的な事を考えて吸入式の麻酔を吸う事になった。
陣痛の前に吸うと多少ボンヤリして痛みが和らぐ。これで耐えられるだろうか?
また長く長く続く夜が来るのが恐かった。

ヒロシが戻って来て、もう見ているのが辛いしこのままじゃ体力が持たないから
帝王切開にしようと言われる。心が揺らぐ。
正直、自分でももう体力の限界を感じていた。
気力だけで頑張っていたものの、自信がなくなって来る。
丸1日頑張っても何も変わらない状況に希望を持つ事も出来ず、このまま
自分と赤ちゃんを苦しめ続ける意味も分からなくなっていた。
今回はすぐにヒロシの提案を受け入れて、先生に相談をしてもらう事にした。
もう一刻も早く赤ちゃんと逢いたかった。
そう思うと緊張の糸が切れて涙が出た。

すぐに緊急帝王切開の準備が始まった。
準備の間に吸入麻酔を吸って陣痛に耐えていると助産師さんから
「あんまり吸い過ぎると赤ちゃんがボンヤリしちゃうわよ」と言われた。
だったらなぜ初めからそんな物を吸わせるんだろう・・・不信感が募る。
喘息持ちの為、通常の麻酔は使えないと説明を受ける。
全身麻酔になると聞いて少し恐くなった。
赤ちゃんが生まれても朝にならなければ私にはきっと分からないんだよね・・・。
ヒロシに生まれて来る赤ちゃんに伝言を頼み、手術台へ上がった。

スタッフがすぐに集まって、慌ただしく準備が始まった。
その間も何度となく陣痛が襲って来て「もうすぐ、もうすぐ・・・・」そう思いながら耐える。
とてもとても長い時間に感じられた。
応援の先生が到着し、準備が整い、「次の陣痛が終わったら開始しましょう」と言われ
最後となる長い陣痛が終わると共に不思議な夢の中へ入って行った。

手術の間、とても長く不思議な夢を見ていた。
その中でヒロシの声が聞こえた。
「ケイちゃん、よく頑張ったね。真裕だよ」
ぼんやりと姿も見えた。ヒロシは泣いていた。
ヒロシの声と顔だけは分かるが、夢の中なのか現実なのか分からない。
返事がしたかったが声がなかなか出ない。
それでも何とか声を絞り出して返事をすると、ヒロシは「ケイちゃん分かるの?」と驚いていた。

目が覚めると夜中の3時だった。
体中が痺れている。とても喉が渇いて、声がガラガラにかれていた。
体中に違和感を感じたまま、まどろんで朝を迎えた。

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