いっぷくしょまいかいね

いっぷくしてから それからまた やろまいかいね

2017 おわら絵日記 終

2017年10月22日 | 風の盆
白地におわらの唄を染めた浴衣を着たその人は、ひとり鏡町衆に混じり夜の町へと出かけていった。

唄で濡れたか夜露を着たか 鬢がほつれたオワラ風の盆

いかにも女性らしく、やさしく繊細に唄い上げる。
その声はいつもの鏡町とはまた違った雰囲気を醸し出す。

その人は一晩鏡町と共に在り、私はその後に続いて歩いた。


2015年
日付が変わって9月1日、深更。
鏡町衆が公民館前で歓談するその真ん中に、縁台に腰かけたその人がいた。

やがて鏡町衆に請われてその人は唄った。

いろはにほへとちりぬるをわかよたれそつねらなむうゐのおくやま けふこえてあさきゆめみしオワラゑひもせす


その人にお目にかかれたのは、これが最後だった。


2017年7月6日 没

延命地蔵様、彼女の唄は、祈りは、あなたに届かなかったのでしょうか・・・・・


コメント
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