ひろ主任のひとり言2

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警察小説~「警官の血」

2011-02-12 20:00:20 | 
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久しぶりに心底はまった小説をご紹介。
上下巻の大作となるが、わずか2日間にて完読。
先を読まずにはいられない衝動がとても心地よい作品。
それが、「警官の血」。まずは作者のプロフィールを。

【佐々木譲】
1950年北海道生まれ 札幌の公立名門月寒高校卒。本田技研を得てフリーに。
79年「鉄騎兵、跳んだ」でオール読物新人賞を受賞。
90年には、第二次世界大戦時のスパイ諜報戦を描いた「エトロフ発緊急電」で、
日本推理作家協会賞、山本周五郎賞、日本冒険小説協会大賞の三冠に輝く。
その後本作「警官の血」で再び日本冒険小説協会大賞、そして2010年、またも警察小説
「廃墟に乞う」で見事直木賞を受賞している。
歴史冒険小説、時代小説、警察小説と、様々な分野で魅力的な作品を出版。
特に警察小説においてはトップランクの実力を誇る。

そんな佐々木譲さんの「警官の血」を熟読。
本作は、2008年度「このミステリーがすごい!」での年間第1位を獲得もしている。
ちなみに様々な賞がある小説界だけど、「このミステリーがすごい!」で1位を
獲得することは大変名誉なことなのである。

参考までに過去の年代別ベスト10を→「このミステリーがすごい!」

そんな本作を解説。

「警官の血」は、戦後から現在までのおよそ60年間、警察官三代の
人生を追った大河小説である。
佐々木譲の代表作と言えるばかりか、日本の警察ミステリー史に新たなページを
開いた名作だ。警察小説というジャンルが、近年日本で伸長している中、その円熟ぶり
と完成度をしめした最高傑作との呼び声も高い。



物語は、戦後間もない東京から始まる。
昭和二十三年、主人公安城清二は警察官募集の新聞広告を見て採用試験を受ける。
あっさり合格となり、訓練を受けた後上野署に配属。
上野にはまだ闇市が多く浮浪者もたくさん住んでいた。ある時清二は、ミドリという
顔見知りの男娼婦が殺された事件を知る。
その四年後、今度は若い国鉄職員の殺害事件が起こる。これも男娼婦だ。
やがて天王寺派出所の所長となった清二だが、隣接する五十の塔が炎上した事件の
当日、跨線橋から転落し轢死した...

物語はまず安城清二が謎の死を遂げるまでの第一部から、その息子である民雄も
警察官になるものの、公安部の課長から北大の過激派グループへの潜入を命じられ
赤軍派による大菩薩峠事件に関わったのち、父と同じ天王寺駐在所に勤めるまでの
第二部。
そして、民雄の息子和也が警視庁に配属後、ある特命を受ける第三部へと続く。

半世紀を超える三代の警察官人生が綴られており、初代の清二が追及した
「男娼殺害事件」と「国鉄職員殺害事件」と清二の死の謎をめぐる真実が
暴かれて行く。
ちなみに本作はテレビドラマでもスペシャル版として放送されていて、
その三代に渡る俳優たちも素晴らしい顔ぶれである。
まず、初代安城清二には、江口洋介。
その息子民雄に吉岡秀隆。
そして和也には伊藤英明。
そのキャストを当てはめて読むと、より面白いかもしれない。

三代に渡る警察官の誇り。
これは初代清二が必死に追いかけていた事件を、息子の民雄が引き継ぎ、
孫であった和也が解決するという、いわば無念の死を迎えてしまった
清二の魂を救う物語でもある。
そして、まさかの犯人像とその真相。

これ以上は語れないが、それぞれの生きた時代背景、空気、そして風景。
まるで歴史小説を読む感じにもなる。

長くなったけど、機会があればぜひこの大作を。
決して読んで後悔はしないと自信を持ってお薦め致します。

今年の冬は、読書が熱い



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