はれっとの旅路具

(はれっとのたびろぐ)田舎暮らしと旅日記
金沢・能登発 きまぐれ便

幸福的香味

2007-05-10 21:11:40 | 幸福的香味
しあわせのかおり

この言葉から
どんなイメージが浮かびますか?


ひとは誰でも、つらい思いを抱えて生きています。
それでも懸命に、ひたむきに歩こうとする姿…

黙して語らない ごつい掌から作り出される一品

やさしく立ち上る湯気と香り

一口から広がる暖かく深い味わい



料理は作る人と食べる人との対話

そこから勇気をもらい
人と人との絆が生まれ
新しい途を歩み始めることができたら…


北陸・金沢の街を舞台に映画が製作されます。

本日、新聞報道がされました。
中谷美紀が能登復興へ腕ふるう(スポーツ報知:2007-05-10)

スポーツ報知に出ていると聞いて
コンビニに駆け込み買いました。
明日以降、いくつかの紙面にも掲載されることでしょう。

脚本・監督は「村の写真集」(このブログ:2006-06-29)の三原光尋さん。

事故で夫を亡くしシングルマザーとなった主役・貴子役に中谷美紀さん(公式サイト)。
貴子の弟子入りを頑なに拒む名中華料理人・王役に藤竜也さん。


タイミング的に能登半島地震の復興を支援する映画と
位置づけされて報道されています。

ネット版には無いのですが、
紙面には主役の中谷さんの写真に
「心炒めています」の文字…

巧いですね~


実は、このお話をある方から最初に伺ったのが、
丁度1年ほど前の今頃。

村の写真集のプロデューサでもあるMさんと
新宿で初めて会って以来、
銅鑼さんと二人でこの日を迎えるべく
只管、時を待っていました。

しばらくして
「しあわせのかおり」の初稿を拝見したとき、
ひたむきな王さんと貴子の姿に
感動が溢れ出し泣いてしまいました。


この映画の製作支援にもほんのちょびっと
参加させていただくことになりそうです。
(製作そのものではありません。念のため)


今日、実はそのための重要な御前会議
お歴々の中で何故か司会役を仰せつかり…(^^;ゞ

相変わらず体調が不十分だったため、
返って変なリキミが無かったのが幸いして、
何とか無事終えました。


不思議なことが次々と起こって、
このプロジェクトが進んでいます。

前作のメイキングで監督が仰っている「映画の神様」
今作でも微笑んでくれることと思います。


公式サイトの他、
地元の製作支援サイトも近々立ち上がる予定です。

それらについても、ご案内ができればと思います。

2007-05-09 17:18:13 | 田舎暮らし雑記
ほぼ一週間
ブログを
お休みしていた
ようですね。

GW後半は
あまりにも
いろいろな事が
ありました。

祭礼
遠方からのお客様
田仕事


掛け替えの無い出逢いも

慣れない田仕事が続いたせいか
木の芽時のためか
衝撃的ともいえる出来事の心理的影響か

なんとも倦怠感に包まれています。

少し休みたいのですが
周りはそれを
許しくれそうにありません。

一箇月

2007-05-04 19:50:17 | 能登半島地震
1日は、奥能登で仕事でした。

能登有料道路の横断幕能登有料道路を走ると
「がんばっています 能登半島」の横断幕が…

気持ちは判りますが、
来てくれた方に知っていただくより
もっと遠方の方に告知すべきなのでは?

と素朴な疑問(^^;ゞ

能登有料道路の迂回路8箇所迂回路がありました。

どの箇所も、それ程無理なく通行できるようになっていました。

これを機会に全線4車線化されるような気もします。

外部の方で時々
「田舎に4車線など無駄」
「能登島なんかに2本も橋は無駄」
と仰る方がいますが
(後者は朝日新聞で大々的に
 キャンペーン記事を張られたことがあります)
災害に強いインフラとは
多少の冗長性が必要な事が
今回の大地震でも証明されました。

(かと言って、本当に無駄な道路は必要無いと僕も思います)

輪島ふらっと訪夢の幟能登鉄道の旧輪島駅跡は、「ふらっと訪夢(ほーむ)」という施設になっています。

広域バス・観光バスのターミナルと
観光案内所を兼ねたものです。

ここに、
「元気です!能登半島 輪島」の幟

ハマちゃんら役者さんからの応援メッセージそして映画「釣りバカ日誌17」の
出演者の方々からの
応援色紙も張り出されていました。

ハマちゃん、スーさんが大写しになった
「元気宣言・能登」のポスターも


稲忠漆芸会館実は、私の車には
同乗者が…

稲忠さんの漆器会館で
「復興祈念 輪島総ざらえ市」と銘打って
震災に遭って、傷がついてしまった
在庫品の展示即売があると
今朝TVのローカルニュースで
偶然、知りました。

このニュースを見ていた義母が
輪島に連れて行って欲しいと言い出しました。

まぁ、公私混同なんですが…(^^;ゞ
私の打ち合わせ中に、ここで待ってもらい
後は一切仕事優先ということで


打ち合わせ時間が、先方の都合で待機となっている間
僕も中に伺いましたが、
稲忠さんの奥様もいらっしゃいました。

数年前、一度だけお会いしたのですが、
あちらも覚えて頂いていて、感激

やはり商売をされる方は違うのですねぇ~


能登空港ターミナルさて、打ち合わせも終わり、お昼です。

先日、勤め先まで訪ねてくれた夢一輪館でお蕎麦を頂くことに

途中、能登空港のターミナルを覗いてみました。

能登の木材を使った空港ビルを提案していたのですが
実際にできたのは、これ

木造のターミナルビルは、
北海道の中標津空港に唯一つあります。

乗客からの応援メッセージ搭乗待合には、
利用客のみなさんからの震災復興応援メッセージが

多くの方からご声援を頂いています。




珠洲キャンペーン同じフロアでは、
能登半島先端の珠洲市の産品が
展示されていました。

今でも古来からの製法を頑なに守って作られた
珠洲の塩田の塩は、東京の有名シェフからも
一流レストランで使われるフランスの岩塩と
比べられるほどの質

他にも、珪藻土の切り出しコンロなど
知る人ぞ知る逸品があります。

ターミナル内キャンペーン今の時期は
能登キリシマつつじの花の季節でもあります。

震災復興イベントとして、
3~5日に掛けて
このキリシマつつじが展示されるようです。


夢一輪館は、道の駅桜峠を越えて直ぐ
少しだけ里山に入ったところにあります。

この日は平日でしたが
ゴールデンウィークの中日だけあって
結構なお客さんがありました。

とりあえず、ほっと一安心

でも、途中すれ違う車の量や
ナンバーを観察していたのですが
決定的に数が少なく、県外ナンバーもチラホラ程度

定期観光バスには人影がありませんでした。

優しい顔になった見附島その後急遽、珠洲に向かうことに

震災で一部崩れたと耳にした見附島

空海大師が新潟方面から能登に船で来られた時、
最初に見つけた島であることが由来と聞きました。

また、その形から別名軍艦島とも
明治時代の軍艦に似ていると言えば似ています(いました)。

ところが、船の舳先の上部に当たる部分が
今回の震災で崩れ
なんだか、とぼけた顔のようにも見えます。

戦舟から、平穏な船になったとしたら
それも時代の流れを象徴する(してほしい)ものと
なりそうな気がしました。

珠洲での用務を終えて戻り。

曽々木海岸方面の様子が気になり、
仕事も終えたことなので
少し遠回りですが、寄ってみることにしました。

ところが、海岸線を結ぶ国道249号線は
曽々木トンネルで通行止め

途中の案内看板に従って迂回路を進みました。

上時国家そして曽々木海岸近くの上時国家

平家の末裔とのことで立派なお屋敷です。

時間も遅くなっているので中には入らず、
駐車場にあるお土産店を覗きます。

義母がここで、花刺しを求めている間に
店員さんに伺うと
このGW前半はとても、黄金週間とは思えないほど
閑散としているそうです。

やはり、ただ一箇所とは言え、
観光スポットを結ぶ国道が通行止めで
遠く迂回をしなければならないのが
響いているようです。


曽々木から西方面曽々木から輪島へ向かう
西方向へは、道路は通じています。

途中数箇所、復旧工事のため
交互通行になっていましたが、
眼下の渚には何事も無かったかのように
波が寄せては返しています。

千枚田全景奥能登の観光名所のひとつ千枚田

ここは、被災していないようです。

複雑に入り組んだ畦は
見事に草が刈られていました。


千枚田の代掻き良く見ると人影が…

カメラのレンズを最大望遠にして
漸く田んぼの代掻きをしていることが判りました。

複雑な形の小さな田んぼ
絶対に機械ではできません。

一枚一枚を鍬で耕し均してゆく作業
根気以外の何者でもありません。

しかも天気は小雨
重い雨合羽を着ての作業は
重労働です。

観光客が気楽にパチャリと
美しい棚田の光景を
カメラに収められる背後には
このような地道な活動があるのです。


このルートを進むと東側から再び輪島市内に入ります。
その手前に午前中訪れた稲忠さんがあります。

すると乗っていた義母が
どうしても気になるものがある
そうで、再び立ち寄りました。

「復興祈念 輪島総ざらえ市」は
漆器会館2階奥のスペースで開催されていました。

立派なお重などが地震で崩れ、
やはり傷があります。

店員さんは何処にどのような傷があるか
丁寧に説明してくれました。

輪島塗は、購入後も直してくれることが
セールスポイントの一つになっています。

いくつかの塗師屋(ぬしや)さんとも
交流させていただいた経験から
この程度なら直せば判らなくなるなぁ
というものも中にはありました。

直せるとは言え折角の秀作でも
一旦傷がつけば半額以下

勿体無い限りです


義母が総漆塗りの衝立の前から動きません。

気になっていたのは、これのようです。

幸い4箇所ある傷は、すべて周囲の角
加飾されている真ん中の図柄部分は無傷です。

無傷なら正札は決して高くないお値段。

それが6割引の価格に

義母は普段は、コツコツしていますが、
いざとなったら本物をドンと買う豪気な処があります。

僕が嫁いで((^^;ゞ)来た頃から
玄関に素敵な衝立がほしいと
岳父と話していたことを
思い出しました。

お店の方も柔軟に対応していただき、
三ヶ月間を掛けて修復した上で
特別価格で決着しました。


微細とはいえ、二階の屋根を
全面的に直さなければならない我が家

怖くて蔵の中がどうなっているのか
一ヶ月経っても誰も入ろうとしていません。

それなのにこの買い物

被災者が被災した漆器店から被災した作品を買う

ん~と思うような光景でした。


成約御礼にと、
水菓子を頂き、手土産まで頂戴して
お店を後にしました。

車中で
「なぁ~ん。
 自分ちで傷つけたと思やぁ~ そんなもんやわいね~
 安い買い物やった」と笑う義母。
「その代わり、記念やさかい『玄関の邪魔や』と言わんといてね」と…
(^^;ゞ

とんでもない大地震に見舞われたのに
我が家を置いてでも営業再開を次々と果たして
前に進もうとする能登人の底力を
垣間見たような気がしました。


この市は、5/14までだそうです。

早乙女

2007-05-01 23:59:54 | 田舎暮らし雑記
手元の電子辞書によると…
田植えをする女。植女(うえめ)
とあります。

田植えをする男
の呼び方は…
何方かご存知の方
どうかご教授ください…(^^;ゞ


今年の田植えさて、昨日は我が家の田植えでした。

天気予報は曇り…のはずでしたが…
結果はピーカン(^^;ゞ

好天の日の田植えは
天からと水面からの両面から直射日光
これが結構堪えます。


今年の田植えは賑やかでした。

金沢から
和紅茶・地酒を呑もうキャンペーンのAさん
北陸観光施設情報のTさん
お二方が応援・体験に来てくれました。


昨年から、お二方には田植え体験をお勧めしていたのですが、
Aさんは、去年から
Tさんは今年が初めて
のご参加です。

写真手前の青い帽子がTさん
写真奥の白手ぬぐいの頭がAさん
ちなみに、黒シャツは叔父。かがんでいるのは義母で、
右のフレームアウトに義叔母もいます。

Tさんは、金沢をかなり早くご出立になって
我が家に8時前にご到着。

Aさんは、やや遅れての到着でしたが、
それでも8時からの開始予定にはバッチリ間に合いました。


一年に一時期しか使わない機械は
使い始めは調子が出ないものです。

やはり義叔父の田植え機が不調で
左端1列が植わらず、急遽
近所の親戚の機械を借りてきたり、
もろもろハプニングはあったのですが、
機械の植え損ね、機械の回転場所(植えられない)での
追植えを総勢の人手でやりました。


娘もでてきて、植え終えた苗箱をタワシで洗ってくれました。

長男・次男は全く手伝いをしなかった(強制しない親が悪い)のに
洗いにくい苗箱数十枚を黙々と洗ってくれる娘にも感謝

未経験の方には意外と思いますが
足腰が疲れ果てた後に
苗箱を洗うのは、とっても苦痛なのです。(^^;ゞ


機械植えは午前中で完了。
田植えの昼食これが今年の田植え昼食
ほとんど山の幸です。

早朝から肉体労働なので、食事の美味しいこと
調理担当にも感謝

皆で少しだけごろ寝をして
午後からは1時間ほどで片付けました。


ここからは、お楽しみタイムです。

自宅から程近い複数の温泉のうち、
疲労回復に利くと感じている
岩井戸温泉の潮の香亭

体をほぐして
さぁ、打ち上げの宴会!
日本酒・花おぼろ地酒を呑もうキャンペーン提唱者でありながら、やんごとなき理由でどうしても帰沢するというAさん。
を尻目にTさんと僕の二人で乾杯ぁ~い(^^)

呑み始めは午後5時
写真は、Tさん差し入れの「純米桃色にごり酒:花おぼろ」

純米桃色にごり酒・花おぼろこのお酒の桜の花を思わせる淡いピンク色は特許製法による天然酵母が作り出した色

震源地に近い輪島の中島酒造店さんのものです。

どうです?
綺麗な色でしょう

要冷蔵のため、Tさんから頂いて
僕らが肉体労働をしている間
冷蔵庫でお待ちいただいていたんです(^^)


三人で大騒ぎをしていたところ、
お隣の富山県から
おわら風の盆で有名な八尾から
Tsrさんご夫婦が復興支援のため能登に遊びに来ていることが判明

親しいTさんの誘導で
帰宅途中経路の我が家へ急遽招聘
Aさんお帰りの後の鴨に…(^^;ゞ

Tsrさんとは、一度おわら真打の会で
お世話になっていたことがあり
面識がありました。

Tsrご夫妻おもてなしのお酒は(助手席の奥様のみでしたが)
Tさんと共通の友人である山形県上山のトイチさんから頂いた
特別依託限定醸造ワイン「粋.いきワインかみのやま」白(タケダワイナリー製)


奥様は初対面でしたが
なんと…沖縄の方でした。

首里城近くがお里なのだそうです。
沖縄のお話で盛り上がった話など
次から次へと話が湧いてきます。

で…
とっても失礼なのですが、
父親と娘?
と思えるほど奥様は童顔

実際、良く間違われるそうです…
奥様はそれがショックで堪らないそう
(そりゃそうです)

でも、ご主人も中々のハンサムで
ちょいと鬢に白髪が混じっていることを除けば
立派な青年(^^)

いゃあ、実にいいご夫婦でした。


Tsrさんご夫婦が八尾へお帰りの後、
くたびれ果てているはずのTさんと僕なのに
何故かその後も家族を交えて延々と…(^^;ゞ

最後は
義妹のお土産の
沖縄泡盛8年物「瑞泉」をちびり…


朋来る  また楽しからずや
美酒あり また楽しからずや

一年の作付けを終えた後の
なんともいえない充実感と
楽しい人々との一献

いやぁ極楽極楽