ホンマのとこ。

取材活動で思ったこと、伝え切れなかったこと……って伝えきらんかい!と自分への叱咤的ブログです。

恐るべしハッチ。

2008-04-30 19:48:18 | Weblog
今朝。なぜか5時に目が覚めた。
努力したが、眠気が吹っ飛んでいる。

涙。

ということで、仕方なく起床する。
新聞に目を通し、
テレビのチャンネルをガチャガチャ変えていると
7時半から
サンテレビで「みなしごハッチ」が始まった。
(※ウィキペディアによると
ハッチは
1970年4月7日~71年12月28日まで、
毎週火曜日午後7時00分~30分にフジテレビ系で放送)
小さい時、見たような記憶があるようなないようなで
ヨーグルトを片手に見る。

今日のストーリーは
ハッチがシロアリ軍団に捕らえられ
アリ塚を作らされるというもの。
画面いっぱいにハッチの苦しむ顔が映る。

がんばれハッチ!

さらに。
ハッチと同じく捕らえられたバッタのおじいさんが
シロアリに反抗して
牢屋に閉じ込められたと思うと、
完成間近のアリ塚がなんと熊に襲撃され
アリ塚が崩れた結果、
バッタのおじいさんが瓦礫の下敷きになって死亡、
作業で疲れ果てたハッチが
力を振り絞ってお墓を立てる、
というハードコアパンチングな内容だった。

奴隷、
死、
弱肉強食…
という子供にはどきつい、
隠れたメッセージが織り込まれており、
小さい時に
これを見ていたとしたら
どんな顔で、
どんな思いで見ていたのだろう。

てか、思うに
作者は最初から
これら隠れたメッセージを
子供に理解してもらおうとは
思っていなかったのかもしれない。
てか分かっても怖いよな(震)

ま、分かる人だけ分かったら良いよ、
あ、何なら横にいるおかあちゃんが解説してやってよ、と。

作り手としては乱暴だけど
志が高い。

ハッチを見終えて
このキーワードが浮かんだ時、
逆に現在のアニメは…と言わず
現在の世の中に流れているモノは
作り手としては丁寧だけど
志が低いのかもしれない、
という命題に気付く。

例えば、自局を含むデイリーニュースは、
「分かりやすく」が至上命題で、
今はどのニュースでも
テロップがあふれかえっていて
聞き取れる発言ですら
きっちり付けられている。

となると
視聴者は、
反射的にテロップに目を取られ、
発言者の顔を見ることはできず
発言者が泣き顔なのか、笑い顔なのか、
あるいは怒りを含んでいるのか、
という情報はそっちのけとなり、
伝わり方が極めて一元的なものとなる。

つまり丁寧に作ることが
必ずしも受け手にプラスになるとは
限らないということだ。

わがニュースBIZでは
4月のリニューアルに合わせ
会議を重ねた結果、
実はこの「いらないテロップ」を
極力減らす方針を打ち出した。

例えば橋下知事が
「それは僕の考える
政治的決断ということです」と言ったら
以前ならそのままテロップで出していたが
今は「政治的決断」
というキーワードだけ抽出するようになった。
これもいらない場合もあるかもしれない。

以前のパターンは
一見、丁寧だが
実は作り手自身、何も考えず
そのまま発言を書き写すという単なる「作業」だったのだが、
新パターンは作り手自身、
「何がキーワードか」を見抜く「仕事」をせねばならず
結果的に視聴者にも
ニュースのキーワードが伝わりやすくなる。
…ということに気付いた。

ま、
ミツバチの8の字ダンスのように
話がいったりきたりしましたが、
テロップ毒に侵されていなかった昔の子供は
ハッチの作者の隠れたメッセージを
もしかしたら
「なんとなく」感じ取ることが
できていたのかもしれないね、
ってことです。










シアワセ段階世代。

2008-04-28 20:00:00 | Weblog
まず、はじめに。
17日付ブログで
「大阪センチュリー交響楽団」と書くべきところを
「大阪フィルハーモニー交響楽団」と書いていた、
という間違いを読者の方にご指摘いただき
訂正しています。
す、すんませんでした。

さて、週末雑感。

読売時代の無二な同期、
美和子嬢宅に元同期と連れ立ち、
ご子息のたー君(8か月)に初見参。
写メ通り、かわいい。

美和子嬢のダンナは
同じく読売の先輩で
もはや他人ではない感覚ということで
親戚みたく
たー君の未来について語り合う。

話題にのぼったのは
「携帯電話」の存在だ。
携帯をいつ買い与えるか。
いや、この問題で頭を悩ましている
親御さんは少なくない。

1976年生まれの私が
最初に持った
「コミュニケーションツール」は
ツーカーホン関西のポケベルだ。
手にしたのは、確か高3。
若い読者には分からないと思うが
当時付き合っていた彼女に
「1112324493」を送ってみたり
彼女から自宅の番号が入ったら
家に電話して、のサインだったり。

ああっ。きゅん。

とはいえ、
ポケベルを受け、彼女の家に電話しても
怖いお父さんが出て
「娘になんのようだね」と
喧嘩をけしかけられ
あの、その、と、しどろもどろになりながら
普段使ったことのないような
「いえ、あの○○さんとは
非常に良いお付き合いをさせていただいておりまして」
と普段使わない言葉を使いつつ
正座になりながら誠心誠意、会話した。

やっと彼女につながったところでも
そのお父さんから
「いつまで話してんねやー」の野次が飛び、
我が家の母親からも
「いい加減に切りなさい」と
横から縦から槍が入る。
切った後、双方の家庭で
大喧嘩となったのは間違いない。

そんな日々を経て
携帯電話を持った
あの喜びと言ったら。
ちなみに携帯を手にしたのは大学1年。
コードレスみたいな
でっかいシロモノで
もちろんインターネットとかは不可能だったが
料金もバイト代で稼いだし
親も怒る理由がなくなり、
干渉されることもなくなった。
多分、この時、大人になったな、と
実感した記憶がある。

家の電話で
親から干渉された時などは
最高にうっとおしく
親に食ってかかってたけど、
今になってみれば
僕たちはシアワセな団塊ならぬ段階世代だ、と思う。
コミュニケーション1つを取っても
家の電話→ポケベル→重携帯→軽携帯
と、ランクアップするごとに
これまでにはない便利さを得て
それと同時に
例えば「24時間いつでも電話がかかってくる」という
不便利さも知った。

携帯は便利である。
でもそれは不便利さを知ってるゆえの便利さだ。
先日、自分なりには
「重要事案」だと思っていた仕事を、
一回り齢が違う、その関係者から
「当日」に
「携帯メール」でキャンセルの通知があった。
それはないんではないかい、
と「話し合った」が、
話が通じなかった。

キャンセルは仕方ない。
でも、それはやっぱり
電話で一言言うべきだと思うし、
携帯の便利さはそんなところに使うものではない。
「段階世代」なんて言っていても
他山のストーンとした事件だった。

と話が激しくそれたが
そんな軽携帯世代のたー君。
これから彼に家族に荒波がおそらく来よう。
でも、われわれ同期が親戚として付いているから
ちょっとばかりは安心してね。









朝からこみ上げてくるもの。

2008-04-25 10:34:25 | Weblog
今日は4月25日。
JR福知山線事故から3年が経った。

あの日。
新聞記者時代で
兵庫県庁の記者クラブにいて
NHKに速報映像が映されるやいなや
デスクから電話が入り
そのまま現地での取材が始まった。
およそ2か月間の現地滞在。
その2か月でいろいろ思うところがあり
取材後、雑誌に転職した。

ということで
この事故へは
一言で語りきれない思いがある。
遺族や被害者とまったく違う次元のレベルの話で
同列で話すのはアホだと分かっていながら書くが
あの事故がなければ
もしかしたら新聞記者だったかもしれないし
この3年はまったく違うものになっていたのかもしれない。
私が影響する人というのは
数は少ないのだけれども
それでもその関わっていた人たちの人生も
もしかしたら変えているのかもしれない。
連日、橋下知事の番記者として
このブログでもお伝えしているが、
時々、橋下知事と面と向かい合って話していると
「何で僕はここにいるんやろ」と
おかしくなる、というか
不思議に思う瞬間がたびたびある。

1年後のきょう。
おそらく自分はこの会社にいると思うが
この3年を思うと
そうとも言い切れない。
それは、自分の意志でいたいと思っても
ムリになるのかもしれないし、
何かをきっかけに
自分の意志が「いたい」と
思わなくなるのかもしれない。
フラフラしていると思われるかもしれないが
この3年で人生とは
そういうものが分かった、
というのも自分にとって
3年の重みである。

今日は朝刊各紙も事故を取り扱っているが、
朝日新聞の社会面トップに泣けた。
詳しくは実際に読んでいただければ幸いなのだが
初めて取材に応じたある女性の話で、
夫婦で行くはずだったイタリア旅行の出発の前日、
夫を亡くした。
女性は仕事を辞め、1年間自宅に引きこもった。
しかし、
同じく旅行に出かける予定だった友人夫妻に先月、
女の子が生まれ
心が揺さぶられたという。

僕が泣けた一文はこれだった。
【3年前の4月25日朝。
先に出勤する成美さん(=女性)は、
洗面台で歯を磨いていた国博さん(=夫)に
後ろから抱きついた。
「行ってくるね」。
それが最後の別れになった】

今日という日常が、
明日続くとは限らない。
当たり前かもしれないが、
こういう日や、事件事故が起きないと
それをつい忘れてしまう自分は
やっぱりアホだと思う。

一方。

古巣の新聞では
雑誌時代に遠くから見守っていただいていた
元Meets編集長の
江さんの記事が載っていた。

神戸の特集だったのだが
神戸のムスリムモスクを
こう書いておられた。

【「アアア~~~」
日本人にもそれとわかる
コブシ回し。
アザーン=礼拝への呼びかけの声である」】

僕も新聞記者時代、
神戸に住んでいて
何度と周辺を取材したり
歩いたりして
このアザーンを聞いていたが
一度もこんなフレーズが浮かんだことはない。

江さんをはじめ
雑誌時代に
それまでの人生にはない
名フレーズを持った方々に
たくさん会えたことを思うと、
人生は予測不可能だけれども
楽しさにも溢れているのだと思う。

明日の僕。
楽しさに溢れていますか?

2008年4月25日。
午前10時35分。

橋下知事の文化論。

2008-04-23 19:10:37 | Weblog
きょうも大阪府庁はかしましい。

総額1100億円の財政再建プランを打ち出した
改革プロジェクトチーム(改革PT)と、
そのプランに基づき
予算を削減、ストップされそうな各部局の
協議が今日から始まった。

今日のニュースBIZでも取り上げたが
例えば
消防車なども通れない
住宅密集地の道路整備事業は
これまで府が市町村へ補助していたが
これらが打ち切られる。
ということで
トップバッターとなった
改革PTと住宅まちづくり部の協議は…。

改革PT「もう府が予算をつける時代ではない」
担当課 「府の地域防災計画の柱は『減災』。
     府民の命を守るのが府の仕事」
改革PT「効果がない」
担当課 「効果はある」

こんなやり取りを5月1日まで繰り返した上で
その協議をもとに
橋下知事が6月までに決断を下し
正式な府の財政改革方針を取りまとめる。

で。

その橋下知事が
きょうの定例記者会見で、
古巣の先輩の
「大阪フィルハーモニー交響楽団など
『文化』についての姿勢」についての質問に
こう答えた。
以下、要旨。

【どの文化にお金を使うか。
結論は出ていないが、
文化は「時代にさらされて残ったもの」で、
文化は「淘汰されるもの」。
ただ、間違った形で淘汰されてしまわないよう、
気をつけなくてはならない。

行政は、文化を作り出せない。
音楽であろうが何だろうが、
行政が旗振って「文化はこれだ」とは言えない。
文化を行政が引っ張るものでも、作るものではない。】

このものさしで図ると、
おそらく大阪フィルハーモニー交響楽団は消える。
間違いなく消える。





真の自己主張。

2008-04-22 19:39:07 | Weblog
予告通り、
今日のニュースBIZでは
財政改革プランで補助金打ち切りが示され
存続の危機にある
大阪センチュリー交響楽団を緊急特集した。

内内への御礼。
今回は
複数の記者で取材したため
船頭多しでマウンテンだったが
安藤ディレクターの
鮮やかな手さばきで
「商品」にしていただけた。
多謝感謝。

さて。
日曜の話。
フジ系「報道プレミアA」を見て思ったこと。

やはり増田明美さんは
大信頼できる人、ってことだ。

バレーボール中継を欠かさず見る私にとって
解説として呼ばれている
元全日本のKだのNだのは
解説でも何でもなく、
解説もどき中に
「いけー」「よっしゃ」とか言っちゃって
アナウンサーから
「あ、いま解説の立場をお忘れでしたね」
と突っ込まれ
「すいません。つい」
と、発言することに悦を感じているようだ。

一方、
増田さんは
各マラソン中継でも
決して感情的にならず
選手目線で
目や手、足の動きから
その選手の体力や精神状態を
「過不足」なく伝えていて
少なくとも
マラソンベタな私にとって
分かりやすく心地よい。

で、プレミアAでは、
中国五輪のマラソンコースで実走が行われ、
土佐選手ら日本のオリンピック出場選手も参加した、
というニュースがあった。
その模様を現地で増田さんが取材していた。

このニュースは
選手の「走りにくかった」という声を集め
「いかに中国の道路は硬く、走りにくいか」をテーマに
展開された。

コースで、ボールを跳ねさせたり
あるいは掃除機で空気を吸い取って
どれだけ空気が汚れているかを検証していた。

言わずもがな中国の道は
日本に比べ、「硬く」そして「汚い」ことが
分かりやすく証明されていた。

スタジオでは
反中急先鋒の桜井氏が
このところの「聖火騒動」も絡めて
中国の品格を問うていた。

ここで安藤さんが
現地の増田さんに中継で呼びかける。

「なんだか
中国の道って走りにくいみたいですね~」
と、キャッチライトに
激しく照らされた安藤さんが切り込む。

「そうなんですよー。
中国ってほんと道も空気もダメです」
…と、KやNなら言っていたかもしれない。

しかし。
増田さんは違う。

話をまとめると、
中国の道は硬いって言うけど
ヨーロッパの道も硬いし
そこを走っている選手もいる。
何より、選手は道を選べないことを
選手が分かってます。

みたいな趣旨だった。

増田さんは
マスコミ慣れもしていらっしゃるし
インタビュアーの質問の意図も
おそらく理解されている。
もちろん「聖火騒動」もご存知だろう。

その上でのこの返しは
さすが以外に何ものでもない。

自己主張というと
東京都知事だの
そういう面々が浮かぶが
本来の自己主張というものは
こういうものだと思う。




続・クラッシック魂。

2008-04-17 17:34:48 | Weblog
14日付のブログで書いた
橋下改革を前に
風前の灯な「大阪センチュリー交響楽団」。
取材を終えて
クラッシック魂に魅せられ
事務局長に「練習風景もぜひ見たい」とお願いしたところ
快諾を受け
今日、お邪魔した。

というか
楽団の事務局は
なんと緑地公園にあって
豊中生まれのホクセッツアーとして
まさに灯台下暗し。

で、練習は
なんと4時間。

指揮者は
「音が顔にブアッとくる。もっと抑えて」
「みんな、音が『われがわれが』になっている」
と、
素人が一聴しただけでは
何が悪いか分からない演奏だったが、
その「感覚的」な指揮者の指示に
メンバーは感覚的に対応。
指揮者が「GOOD」サインを出す。

そんな感覚的な音が積み重なっているからこそ
素人な私が、
なんだか泣きたい気分になるのだが、
感覚的に「すげー」となるのだろう。

楽団はここ3~4年、
自立の道を図っていて
小学校や福祉施設で出前コンサートを開いている。
コンサート自身も
入場料を調べたところ、
「私」の楽団のおよそ半分だ。
だから、「のだめブーム」とかで
クラッシックの面白さに気付いた
ライトな層も気軽に来れる。
という活動ができるのも、
大阪府の補助があってこそなのだ。

楽団をつぶさないで、
という署名は今日現在およそ5万通集まっていて
小学生たちからは
手紙も添えられていた。
僕と同じで、
ああいったホンモノの音に出会う機会は
ないよりあった方がいい、
ではなく
公が率先して確保すべきなのだ。

橋下知事直轄の改革プロジェクトチームには
出資法人も
府立施設も
そして大阪センチュリー交響楽団も
同じ「団体」扱いだろうが、
その性質も
色合いもまったく違う。

橋下知事はきのうの会見で
「財政改革案は
府民や議会の意見を聞いて変えることもある」
と話した。

大阪センチュリー交響楽団は
文化の一つとして残すべき、
という主張を込めて
来週火曜日に緊急特集することにした。
このニュースだけは
視聴者に、というより
府庁に向けて作りたい。

追伸。
14日のブログを読んだ何人かの方から
「何かできることを」との
メールをいただきました。
個別にはメールをお送りしましたが
署名は明日、提出ということで
締め切られました。

あとは
こんなクレジットカードがあることを
今日、知りました。
OMCのカードなんですが
「OSAKAメセナカード」というので
利用金額の0・3%が
大阪センチュリー交響楽団を運営している
大阪府文化振興基金に寄付されます。
交響楽団のチケットや
文化施設の割引もされるお得なカードとなっています。
興味を持たれた方は
「OSAKAメセナカード」で
ググっていただければと思います。








唖然。呆然。会議は踊る。

2008-04-16 21:48:09 | Weblog
知事会見後、午後2時から開かれた
「水都大阪2009」の実行委員会の取材に繰り出す。
出席者は橋下知事のほか、
大阪市の平松市長、関経連の下妻会長……
と、そうそうたるメンバー。

「水都大阪2009」は
川や堀など水路を中心に発展した大阪の歴史を
国内外にアピールしようと大阪市と大阪府、経済界などが
来年8月から約50日にわたって開くイベントだ。

きょうの実行委員会では
これまで積み上げてきた議論から導かれた
具体的なイベント案を「承認」し
「発表」する晴れ舞台となる「予定」だった。

午後2時前。
橋下知事が会場入りする。
でもなんだかおかしい。
というのもいつもは
ニコニコしながら周囲と握手を交わすのだが、
今日はそれがなく
表情は硬いまま。無表情。
おかしいな、と思ったが
体調が悪いのかな、くらいに考えた。

取材は会議開始の冒頭5分までで
後は別室で待機して
「晴れの舞台」=記者会見を待つ。

待つ。待つ。待つ。
で、気付けば、記者会見開始予定時刻の
午後3時より30分も過ぎた。
この時点では「会話が弾んでるのかな」
くらいに思っていた。

40分後。
平松、橋下、下妻の3氏が会見場に入ってくる。
そして、実行委会長でもある
平松市長から開口一番、衝撃的な言葉が飛び出した。

「橋下知事が
全提案を否定されたので
今日は話がまとまらなかった」。

つまり、話が振り出しに戻ったのである。

橋下&平松両氏が就任する前の
昨年5月から会合を重ねていたのだが
イベントの開催自体が黄信号となった。

固まる記者団。

行政的にも
常識的にも
ありえない話。

これは記者的な話だが
オンエアギリギリの話は
「予定稿」をあらかじめ作っておいて
それをベースに軌道修正していく。
今日もその準備を勿論していたのだが
根底からひっくり返った。
というか、
橋下知事が一部難をつける、はあっても
「全否定」の想定はなかった。

橋下知事は、その会見で
「担当職員から計画の内容について聞かされておらず、
きょうになって反対するのは申し訳ない。
しかし、効果の見えないものにお金は出せない。
橋や護岸壁のライトアップといった
人を引き付けるアイデアを出すことが先決」と釈明した。

対する平松市長からは、
驚き、怒り、戸惑いの声が並んだ。
そりゃそうだろな。

唯一、緩和剤になったのは下妻会長。
「まーこの4年間、いやでも橋下さんとは
付き合わないといけないから
これで関係がどうこうとかはないよー。
おれが(橋下知事と同じ)37歳だったら怒るけど
もう年だから。ワハハハハ」。
さすが、大人である。

橋下知事の夢である
「水と光あふれる街づくり」は
実は、全て大阪市内の話で
大阪市の協力なしではできない事業ばかりなのだが、
きょうの「否定」が
今後の大阪市の態度を
硬化させてしまうことは間違いない。

とはいえ、
自分自身もこのイベントが
本当に必要かは検証する必要があるとも思う。
とはいえ、
これまで各方面が調整しながら
積み上げてきたものを
たった1日でゼロに戻す、
というのは大人のやることではないとも思う。
卵が先か。
鶏が先か。
橋下知事の取材をしていると
やっぱり、この命題に突き当たる。
ふぅ。

ここからは関係者への御礼。
午後4時20分に仕上がった原稿の編集で、
惜しみない協力をして下さった
皆々様に改めて感謝いたします。
ありがとうございました。




速報。橋下知事会見。

2008-04-16 13:17:54 | Weblog
午前10時30分から
橋下知事の定例記者会見が開かれる。

4月12日付のブログでも書いた
「削減のその先」について
質問をする。

知事の答えを要約すれば
「まだ固まっていない」とのことだった。
「財政改革」がまず先で、
何をやるにもまずは赤字解消から、が理念の模様。

卵が先か、
鶏が先か。
そもそも料理するフライパンを買うのが先か。
自問。

母校へのラブレター(多分2通目)

2008-04-15 21:27:47 | Weblog
立命館大学の生命科学部で、
入学者が定員を大幅に超えたため、
他学部への転籍を募集し
実際に8人が転籍していたことが分かった。
入学直後の人数調整は異例の措置だという。

理由は、産経新聞によると、
【大学の説明では、
生命科学部には一般入試で9298人が志願、
2957人の合格者があり、
266人が入学手続きをした。
推薦入試などを含めた入学者は
予想の1・1倍程度を大きく上回り、
定員(280人)に対し、
1・48倍となる415人にのぼった。

入学者が学部入学定員の1・4倍を超えると
文部省から大学への補助金が
一部カットされることになっているが、
同大学は「入学者が増え過ぎたので、
大学として機関決定を経たうえで転籍者を募集した。
教育環境を良くするための措置で、
補助金の問題とは関係ない」と説明している。】

商魂たくましい
この立命経営法も去ることながら
立命に生命科学部なる学部があることを
初めて知った。
ええい、ムチ ムチ。ぴしっ。

ということで立命館のHPを早速見ると、
僕の大学時代にはなかった
映像学部、
情報理工学部、
んでもって薬学部まであった。

ほほー。

あ、大学時代と言っても
この際、きっぱり申し上げておきますが
僕は、
就職活動の面接@東京で
某社の幹部に「リ、リュウタニ?」
と間違えられた龍谷大出身だ。

その龍谷大で、
懇意にしている、ある方からメールをいただく。

メールによると、
母校の人気が著しく低下しているらしい。
その低下というのは
「受験人数の落ち込み」と
「偏差値」といった数字に表れ、
関関同立に次ぐ
産近甲龍の地位にいたものの
最近、近大と甲南が抜け出し
学内であせりがあるそうだ。

そこで、最近幹部会では
「立命さんと同じく
新設学部を立ち上げるべき」
という声が盛んだという。

いや、ほんまやめとき、
と元恋人としてきっぱり言いたい。
あんたはやっぱり分かっちゃいない、と。

龍大というのは
私見だが
高校時代、成績表で3でも5でもなく
「4」を取った子が多く
この数字の持つ意味で分かっていただける
「真面目ちゃん」が多数派だ。

一方で
「第一志望が龍大!」がきわめて少ない。
入学時、友人8人の誰もが
「滑り止め」だった。

ここに龍大の悲劇がある。

入学当初から、みんないきなり疲れている。
というかささくれ立っている。
でも真面目ちゃんだから卒なく勉強して
単位も取っちゃう。
就職活動も前年実績を参考に
「こんなもんかな」と
卒なくこなしちゃう。

この構造がある限り、
新しい学部を作ったところで一緒なのだ。

だから
「4」の子を
「5」にするか
あるいは「1」にしちゃうかすることで
大学は活性化できる。
それは何か。
新学部を作ることではない。
授業しかない。

卒業して唯一と言っても良いほど
印象に残っているのは
やっぱり2年間学んだ仏教学だ。
これは、周囲の友人も言っていて
仏教から今の経済や社会を読み解くような講座が
あっても良いし、
となれば、法学部とか社会学部とか
そんな壁を取っ払って
仏教学部にしても良いのかもしれないし、
あるいは、半年間、寺にホームステイして
修行+勉強を両立すれば
飛び級にしちゃう、とか
実はこれは真剣に母校に提言した話なのだけれども
立命になくて
龍大にあるものは「仏」
そして「親鸞」さまなんだから
それを最大限活用しなくてどうする、ということだ。
そんな授業を受けた学生の中から
「5」ではなく「6」な学生が出て
龍大を引っ張ってくれるかもしれない。

そのためには
僕ら卒業生から
「どんな授業があったら良かった?」と
ガシガシ聞いて下さい。
(現役生は、自分もそうであったように
良い授業とは、で
「単位がいかにラクに取れるか」が
ポイントになるので、あまりよろしくない)

いや、なんちゃらコンサルタントより
思い入れと愛情ある提言がたくさん集まると思います。

それではおなかがグーグーと鳴って
めまいがしてきたので、今日はこの辺で。
一筆啓上。


















クラッシック魂。

2008-04-14 22:46:53 | Weblog
橋下改革で
来年度から補助金が廃止とされた
大阪府文化振興財団運営の
大阪センチュリー交響楽団の
コンサートが今夜、開かれ
さきほど取材を終える。

クラッシックのコンサートなんて
ほんと久しぶりだが
心がぶるぶると震えた。

音の大波や小波や起こすように
あっち向いたり
こっち向いたりしながら
体全身でタクトをふる指揮者。
まるで糸の上を歩いているような
繊細な音ながら
集団でその音を合わすバイオリン部隊…。

1曲がおよそ1時間続き、
集中力も体力も半端やないと思われる。
いや、取材そっちのけで
聞きほれた。

公営地下鉄の取材時に学んだが
民間が儲からない、と判断した分野に
手を出すというのも公の仕事だ。
文化は儲からない。
民間は手を出したがらない。
それを支援するかどうか。
利益を生まない文化を支援するか。
それは前日、このブログで書いた
「成熟した」街、人がする判断だ。

演奏後、ある女性バイオリストが
インタビューに応じてくれたのだが
「高いビルとか
そんなんが並んでも
文化がない街なんてスカスカ」と。

民間が儲からない、と判断した
某ニュータウン開発を
府がやります!ってのとは話が違う。

財政再建のために、
1100億円に収支を合わせるために、
この財団を切り捨てるべきではない、
と鼻息を荒くしたところで
来週の火曜日に特集する予定だ。

最後に。
この財団を賛助している企業がある。
こんなちっぽけな
ブログで書いたところで
どうにもならないが
「成熟した」ご判断をされている企業は
どうしても書き連ねたい。
ええ迷惑かもしれませんが。
で、中には、商売敵の名前もあるが
そんなの関係ねえ、どころか
リスペクトである。

岩谷瓦斯
岩谷産業
H&K FACTORY
NTTドコモ関西
OMCカード
大阪北生協
オリックス
オリックス野球クラブ
関西テレビ
産経新聞
サンケイビル
シニア情報新聞フロンティアエイジ
おおさかパルコープ
全日本芸術協会
全労済大阪府本部
大和証券SMBC
竹中工務店
DMNコミュニケーションズ
なにわ名物いちびり庵
日本クルーズ客船
日本モーターボート競争会住之江事業所
阪急電鉄
非破壊検査
ビューテック西日本事業所

あと匿名1社、ってのも痺れる。