平和1丁目 ~牧師室より~

福岡市南区平和にあるキリスト教の平尾バプテスト教会の週報に載せている牧師の雑感

2006年7月16日 ジダンは最優秀選手

2007年04月21日 22時42分23秒 | Weblog
   ジダンは最優秀選手

 サッカーワールドシリーズのフランス対イタリアの決勝戦を観た。フランスチームの将軍の異名をとるジダンが、突然イタリアの選手の胸元に頭突をして、レッドカードとなり途中退場となった。
 試合は、1対1の引き分けとなり、PK戦の末、イタリアが優勝した。あのままジダンが出場し続けていたらどうなっていたかわからない。しかし、最優秀選手賞は、ジダンに輝いた。イタリアの新聞は、それまでのプレーが光っていてもあのように暴力行為をして退場処分になったジダンが、どうして最優秀選手なのか理解できないと憤慨し、一面に「恥と共に去りぬ」と揶揄した。
 ジダンは、この大会を最後にサッカー選手を辞めると告げていたからだ。しかし、多くの人々は知りたがったはずだ。ジダンはどうして、頭突などしたのだろう。レッドカードになるかもしれないと思わなかったのだろうか。それとも、退場処分されても構わないから、頭突でもして懲らしめないと気がすまなかったのだろうか。
 イタリアの選手はジダンにこう言ったらしい。「アルジェリアのテロリスト」。ジダンは、移民で、貧しい家に生まれ育ったという。彼は、このとき、フランスの勝利など、どこかに吹っ飛んだ。そして、自分が本当は何者でどこに立っているかに気づき、正直に振舞ったのだった。
 私たちも、本当の故郷は天国であると何かのきっかけで、はっと思えるときが来る。そのときは世のしがらみから解き放たれて、主のもとに帰ろう。


平良 師

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