WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

哀愁のヨーロッパ

2007年01月31日 | 今日の一枚(E-F)

●今日の一枚 122●

European Jazz Trio     Europa

Watercolors0002_3  ヨーロピアン・ジャズ・トリオの2000年録音盤。当時新進気鋭のギタリスト、ジェシ・ヴァン・ルーラーがゲストとして4曲に参加しており、なぜか、スウィング・ジャーナル選定ゴールド・ディスクのマークがはいっている。

 ヨーロピアン・ジャズ・トリオというグループに私は懐疑的だ。このCDも発表後割合はやい時期に購入したが、1~2度聴いただけで、CD棚に放置されることになった。何というか、演奏が予定調和的に思えるのだ。原曲のメロディーを大切に演奏する姿勢はある意味で買うのだが、演奏自体があまりに当たり前で、驚きや新鮮な感動というものがない。かつての、マンハッタン・ジャズ・クインテットに通じるものがある。決して、悪いアルバムではないような気がするのだが、なぜか聴く気がしなかったのだ。

 今日、本当にしばらくぶりにかけてみた。読書のBGMとしてだ。どうだろう、驚いたことにBGMとして聴くにはすぐれたアルバムだ。決して読書の邪魔をしないし、人の神経を荒立てることもない。何よりとても気分よく読書の時間を過ごせる。アイロニカルな言い方に聞こえるかもしれないが、まっとうな意味で、BGMに適した音楽だと思う。よく見てみれば、帯の宣伝文句もこうだ。「香気漂うピアノ・トリオ、完成したヨーロピアン・エレガンス」……なんだ、そうだったのか。製作者側もそのようなコンセプトで作っていたのですね。

 ジャズにもいろいろなジャズがあり、いろいろな聴き方があるのだ。


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