WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

ローランド・カークの遺作

2012年08月14日 | 今日の一枚(Q-R)

☆今日の一枚 322☆

Rahsaan Roland Kirk

Boogie-Woogie String Along For Real

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 いやー、最高だ。心はウキウキ、ワクワク、ドキドキだ。なぜだか、頬が自然に微笑んでいるのが自分でもわかる。こういう作品は、私は手放しで「絶賛」してしまう。何の文句も不平もない。盲目のマルチリード奏者、ローランド・カークの「遺作」、『ブギ・ウギ・ストリング・アロング・フォー・リアル』、1977年の録音作品だ。

 私が持っているCDの帯の宣伝文句は、実に的確にこの作品を紹介しているのでここに掲載しよう。

「天才ローランド・カークの遺作。半身不随になりながらも、ブルース、ブギウギ、ホンキー・トンクといったトラディショナルなスタイルを基調に人間愛に満ちたスピリチュアルな世界を表現。愛と感動の大名盤。」

「スピリチュアル」などというと、最近では超常現象や神秘主義、またジャズ業界では歌心のない理解不能のフリージャズを意味するが、そんなことはまったくないのでご安心を・・・・。大変聴きやすく、実に楽しい、歌心溢れるアルバムである。「スピリチュアル」は「歌心」ぐらいに考えておくのが適当ではないか・・・・。

 CDの帯の裏側にはさらに具体的にこのアルバムを紹介した一文があるが、その中の一部には

「古いジャズの伝統的なスタイルをカークなりに再現してみせたタイトル曲をはじめ、カークならではの深いブルース・フィーリング、どす黒いソウルや、彼のユーモアセンスといったものがまるで玩具箱をひっくり返したように、さまざまに飛び出してくる大傑作盤。」

とある。実に的確な文章だ。


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