WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

室根まきばの湯もコロナ対応

2021年08月29日 | 今日の一枚(O-P)
◎今日の一枚 539◎
小曽根 真
Ozone 60
 退院して以来、諸手続きや買い物のほかは自宅で過ごしていたが、明日から仕事に復帰することもあって、今日は近隣の日帰り入浴に行ってみた。岩手県一関市大東町の室根山の中腹にある《まきばの湯》である。気仙沼市の自宅から車で45分程度の、時折訪れる日帰り入浴施設である。浴槽もそれほど大きくはなく温泉でもないが、交通の便が悪いこともあってめったに混んだりはしない。窓の外に広がる牧場の眺めと、空いている休憩室でゆったりと寝転ぶことができるのが魅力である。料金も安い。なんと、大人320円である。
 しかし、コロナ禍はこの地にも及んでいるようだ。岩手県独自の緊急事態宣言が出されているとのことで、当分の間、一関市在住の人以外の利用はできないとのことだった。今日は知らずに来たということで、特別に利用を認めてもらったが、今後しばらくの間は自粛せねばならないようだ。これまでは、施設利用の際、名前と電話番号を用紙に記入すればよかったが、ついに一段進んだ対応となってしまった。岩手県がコロナ0人記録を更新していた頃が遠い昔のようである。
 さて、しばらくぶりの《まきばの湯》である。最高だった。青空に雲が漂う牧場の風景を見ながら入浴し、ガラガラの休憩室で横になって休んだ。気持ちの良い涼しい風を感じながらうとうとし、一時間ほど眠った。入院していた汗臭い病室が夢のようである。
 今日の一枚は、小曽根真の2021年作品、『OZONE 60』である。小曽根の還暦を記念した2枚組作品だ。クラッシック中心の一枚と、ジャズの書下ろし新曲からなる一枚からなる。apple musicで聴いている。小曽根の作品は数枚しか所有していないが、何となくフィーリングの合うピアニストだと思ってきた。入院をきっかけに、apple musicで小曽根真を聴くようになった。波長の合うアルバムがたくさんある。購入してコレクションに加えたいとも思うが、一方で退職を控えてこれ以上物を増やしてどうするのだとの思いもある。膨れ上がってしまったコレクションを電子データ化しようと考えたりすることもあるのだ。当面は、apple musicをステレオ装置につないで、小曽根を聴き込みたいと思う。

蜂との闘い

2021年08月29日 | 今日の一枚(G-H)
◎今日の一枚 538◎
Grand Fank
We're An American Band
 1か月ほど前、庭周辺の草刈り作業中に、足を蜂に刺された。痛かった。本当に痛かった。蜂に刺されたことはこれまでにもあるが、比べものにならないほど痛かった。10分以上のたうち回り、もがき苦しんだ。スズメバチにやられたに違いないと思い、病院に行くことも考えた。痛みが少し落ち着くと、家族のためにこのまま放置しておくわけにはいかないと思い、刺された付近を探して蜂の巣の駆除に取りかかった。巣は意外と小さく、市販の強力スプレーで比較的簡単に撃退・駆除することができた。スズメバチではなかった。アシナガバチだった。
 昨日、妻が慌てて二階から降りてきた。寝室の外側の壁に蜂が巣を作っているという。外に出てみると、まだそれほど大きくはないが、蜂の巣があった。一匹の黄色い大きな蜂と何匹かの小さい蜂が見えた。今度こそスズメバチかと一瞬緊張が走ったが、どうも巣の形状が違うようだ。スズメバチかと思ったのは、数日前、家の庭でスズメバチを見かけ、殺したからである。一匹だけだったが、栽培している甘いフルーツミニトマトを食べに来ていたのである。追い払ってもすぐにリターンし、いつまでも居座り続けたので、シャワーで放水し一瞬地面に落ちたところを踏みつけた。なかなか絶命しなかった。さらに踏みつけ、絶命した後は仲間が来ないように土に埋めた。
 昨日の蜂の巣は、ホームセンターで購入した「ハチ・アブ、バズーカー・ショット」で容易に駆除することができた。もちろん、完全防備で取りかかった。今回も、アシナガバチだったようだ。アシナガバチといっても油断はできない。webで検索すると、こんな説明があった。
アシナガバチは、ハチ目スズメバチ科アシナガバチ亜目に属する昆虫で、スズメバチに比べるとおとなしい性格だといわれています。ただし、毒性が強い種類もおり、刺されたときの痛みがスズメバチに勝るとも劣らないほどになることもあるので注意が必要です。 
 今年は、蜂と関わることが多いようである。
 今日の一枚は、グランド・ファンクの1973年リリース盤『アメリカン・バンド』である。このアルバムは以前に一度取り上げたことがある(→こちら)。入院中、apple Musicをいじっているうちにこのアルバムに出会し、しばらくぶりにちょっと聴いてみた。私の古いレコードには収録されていないボーナス・トラックが入っていた。ボーナス・トラックにはそれほど興味はない。所詮、選ばれなかったトラックである。ところがである。ボーナス・トラックのStop Lookin' Backは何だ。アコースティック・バージョンではないか。カッコいい。いい演奏である。入院中、このトラックを10回以上は聴いたかもしれない。
 中学・高校生の頃、恥ずかしながらグランド・ファンクが大好きだった。恥ずかしながらというのは、グランド・ファンクは中身の薄い能天気な、つまりアメリカンなバンドとみられる雰囲気があったからだ。私が聴いたのはリアルタイムより5年以上遅れてのことだったが、まだとこかにそういう雰囲気はあったように思う。例えば、渋谷陽一『ロックミュージック進化論』(新潮文庫)は、次のように記す。
グランド・ファンク・レイルロードは、当時とても高い人気を得ていたアメリカのハードロック・バンドである。ツェッペリンの前座として登場し、本命のツェッペリンを食ってしまった事で有名である。ただ、人気はあっても音楽的水準は低いという事で、意識的なロック・ファンから嫌われ、グランド・ファンクをけなすことがロック・ファンの良心とさえ言われていた。
 かわいそうなバンドである。あれから40年以上経過したが、今聴いても得体のしれない熱いものがこみあげてくる。おやじロックといわれるような懐古趣味では片付けられない、身体の深部で細胞が共鳴するような気がするのだ。