WATERCOLORS ~非哲学的断章~

ジャズ・ロック・時評・追憶

バスケ女子日本代表が決勝Tへ

2021年08月02日 | 今日の一枚(K-L)
◎今日の一枚 524◎
小関佳宏
久石譲ギター・ソロ・アレン
 明日の手術を前に、いろいろな説明を受けた。お陰で、バスケ女子日本代表のナイジェリア戦の主要部分を見ることが出来なかった。接戦だった序盤は見たが、帰ってくるとすでに20点以上リードしていた。
 それにしても見事だ。ディフェンスの連携ミスがやや目立つが、長身プレーヤーの渡嘉敷を欠き、サイズでの圧倒的な劣勢を、インサイドプレーヤーの身体を張った守りと、アウトサイドプレーヤーのタイトなディフェンス、そして驚異的な3点シュートで対抗していく。オフェンスにおける連携プレーも随所に見られ、この点は男子チームと対照的である。応援したくなるバスケットである。
 次のゲームは明後日のようだ。手術後の回復が順調であれば、見れるかもしれない。

 今日の一枚は、仙台出身のクラシックギタリスト、小関佳宏の2014年作品、『久石譲ギター・ソロ・アレンジ』である。知らない人だった。入院という状況が無ければ、聴くことも無かったかもしれない。ベッドの上でアップルミュージックをいじっていて目に止まったのだった。
 このアルバムが目に止まったのは、最近またギターを弾くようになったからだ。意外なことだが、ガットギターの音色に魅了されている。若い頃はエレクトリックギターなどスチール弦一辺倒で、ナイロン弦など眼中になかったが、最近はクラシックギター、といっても例のジャパニーズ・ビンテージのダイナミックギターにナイロン弦を張って弾いている。ソロギターを弾くのだ。ソロギターで1番弦を単音で弾く場合、スチール弦だと響きが貧相に思える。やはり、ナイロン弦の優しくふくよかな響きがいい。
 小関という人のこのアルバムには、ナイロン弦の魅力がいっぱいに詰まっている。美しく、表現力豊かな響きである。こんなに豊かな音が出るのかと感嘆することもしばしばである。
 退院したら、新しいガットギターを手に入れたいものだ。



バスケ男子日本代表敗れる

2021年08月02日 | 今日の一枚(K-L)
◎今日の一枚 523◎
Keith Jarrett & Charlie Haden
Last Dance
  入院4日目である。明日はいよいよ検査のための開腹手術である。今日はいろいろと手術前の予定があるようだ。初めて身体にメスを入れるので、もちろん恐怖感はある。
 昨日、オリンピックのバスケ日本代表のゲームを見た。史上最強の代表といわれ、強化試合でも期待される結果を残していたので、一勝もできなかったのはやはり残念だ。
 全体としては、やはり、まだチームになっていない。バスケットになっていないのだと思った。突出した実力と自信をもつ八村、渡辺のNBA組が、個人能力で突撃と自爆を繰り返した。バスケットに向かおうとする姿勢は素晴らしいと思うが、それはやはりスタンドプレーなのだ。ボールが回らず、そこでボールが止まってしまった。
 相手のアルゼンチンのシュート力は凄かった。長身プレーヤーが次々とスリーポイントを決めた。これが、本気の世界レベルなのだと思った。富樫選手のサイズではまったく歯が立たなかった。すでにマッチアップしたそのままの状態でフリーなのだ。その意味では、HCのフリオ・ラマスの目指したサイズの大型化の方向性は正しいといえるのだろう。であれば、なぜ田中選手をガードにコンバートしたにもかかわらず、実際の試合で富樫選手のプレータイムを伸ばしたのか疑問が残る。
 オフェンスのシステムの中で個の力を発揮させるとともに、ディフェンスでは女子の代表のように、前からプレッシャーをかけるバスケットが見たかった。

 今日の一枚は、キース・ジャレットとチャーリー・ヘイデンの『ラスト・ダンス』でる。『ジャスミン』の続編のようだ。発表は2014年だが、録音は2007年だ。
 チャーリー・ヘイデンは、1990年代以降、優れたデュオアルバムを数多く録音したが、この作品もその一枚である。チャーリー・ヘイデンは、演奏の方向性を示し、コンセプトを明示するが、演奏ではあくまで脇役に徹してサウンドを支え、メインの演奏者の個性を引き出している。このアルバムでも、楽曲のイメージを抽出し、歌心溢れるアドリブに変換するキースの個性が全開である。とても聴きやすく、手術前のちょっとだけ不安な心を優しく包むような一枚である。