携帯ナビゲーションの道は一日にしてならず

携帯ナビゲーションの道は一日にしてならず (ITmedia)

　神尾寿氏のITmedia記事、auのナビゲーションサービスについて。ケータイGPSのナビゲーションについて興味のある方は、それほど長くないので見ていただければと思う。
　記事での指摘はうなずけるものばかりだ。

　このナビゲーションサービス、KDDIとQualcommの、BREW 戦略がその力を発揮しているようだ。逆に言うと、コンテンツプロバイダ任せ(記事)ではｉアプリの制限を越えられず、結局 EZ ナビウォークに相当するほどのサービスは展開できない。NAVITIME のｉモード向けサービスが、それをよく示している。
　ただ、SA700iS に内蔵されている「ナビゲーション」は比較的使いやすい(少なくとも NAVITIME のｉアプリよりは使いやすい)。SA700iS のように「標準機能化し、端末と一体的なサービス開発体制の構築」(記事)ができれば、ドコモケータイでも使いやすい GPS アプリケーションを実現できることが分かる(SA700iS は BREW を載せているという特殊事情はあるが)。

　しかし、ナビゲーションサービスがいかに「解約率の低い」(記事)優良コンテンツだとしても、auですら75万人程度(*1)のユーザー数しか獲得できていないサービスに対して、ドコモが「標準機能化し、端末と一体的なサービス開発体制の構築、さらにキャリア内部でのノウハウの蓄積と人材育成」(記事)という負担の大きな活動をすぐ(903iの時期(*2))に開始するとは思えない。もし開始できたとしても、「一日にしてならず」(記事)というのだから、すぐにEZナビウォークのレベルに達することはできないだろう。

(*1) 「GPSケータイ市場の動向と今後の展望のさわりによると、05年12月でauのGPSケータイは1,574万台だそうだ。
(+2) 903iの時期には、ドコモケータイの複数の機種にGPSが載ると言われている。

　わたしはドコモに囲い込まれ SA700iS を使っているが、せっかく GPS を載せていても 700i系なのでいくつかの地図コンテンツサービスが利用できない。903i が出る頃には買い換えたいのだが、この記事によるとナビゲーションなどの使い勝手の面ではあまり当てにはできないようだ。

　ナンバーポータビリティが実現したときに乗り換えるのか。その MNP が実現される2006年秋は 903i の発売時期だ。一縷の望みを、903i と展開されるサービスにかけている。