ひらけいメモBlog@goo

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Super Mapple Digital雑感

2007-07-02 17:16:57 | 位置情報・地図


 Super Mapple Digital の新版、Ver.8 が発売され、購入した。

 ただ地図ソフトは現状インターネットに接続して使うタイプのもの(ここではネットワーク型とする)がよく売れている。BCN ランキングによると、最も売れているものはソースネクストの「ゼンリンデータコム デジタル全国地図 Ver1.5 説明扉付スリム」だと言う。これが27%のシェアを確保している。
 次いで売れているのが意外ではあるが、インターネットに接続する必要の無いもの(ここではスタンドアロン型とする)の「ゼンリン電子地図帳Zi9 DVD全国版」。地域限定版も3位にあり、合わせて15.3%のシェアだ。
 4位はネットワーク型の「MapFan.net Ver5.5。5.6%」。5位がスタンドアロン型の「プロアトラスW2」。4.5%。
 メーカー別で見ると、ソースネクスト29.8%。ゼンリン24.6%。アルプス社20.8%。インクリメントP 14.2%。昭文社8.8%。ソースネクストの地図ソフトはゼンリンits-mo Navi for PCのパッケージ版とすれば、ゼンリンのシェアは半分を超える(ここにはネットワーク型とスタンドアロン型が混在している)。わたしが購入しようとしている昭文社製は 8.8% しか無い(ネットワーク型の Mapple Online も含まれているかもしれない)。

 そもそも地図ソフトは購入するものなのか? という疑問も大きいだろう。ネットワーク型で言えば Google Maps や Mapion BB で、普通に使う分には十分であると考えられる。携帯を重視したようなモバイルPCでもブロードバンド環境につなげば、かなり軽快に地図閲覧が可能だ。
 ただ、先の BCN ランキングの結果を見ても、スタンドアロン型は「ゼンリン電子地図帳Zi9」「プロアトラスW2」合わせて20%は売れている。昭文社も合わせればもっと割合は増えそうだ。
 多少参考になる考え方として、デジタルな励みというコラムが最近書かれていた。ノートPCを持ち歩く方にとっては常にインターネットに接続できるとも限らないし、地図をよく使うのであればローカルHDDに入れておきたい、ということのようだ。わたしも似たような考え方で、地図ソフトをノートPCのローカルHDDに入れている。
 コラムの筆者はプロアトラスがお薦めのようだが、GPS 好きとしては Super Mapple Digital(+カシミール3D)を推しておきたい。


 その理由は、Super Mapple Digital には、ローカルHDDに入るという以外に、「Windows Mobile 搭載 PDA に対応している」という大きな理由があるからだ。元々地図には「持ち歩きたい」という要求があるので、PC に比べて持ち歩きやすい PDA で地図が見られるというのは大歓迎だ。これに GPS を組み合わせれば有用な地図ビューアとなる。さらに PC 版と PDA 版とで同一のカスタム情報ファイル(ポイントの登録情報)を利用できるので、使い勝手がよい。さらに Pocket Mapple Digital Ver.8 では GPS ログを NMEA 形式で保存できるようになったので、電池さえもてば GPS ロガーとしても使うことはできる。
 ちなみに its-mo Navi も PDA 版がある。使ったことがあるが、これはネットワーク型であるために使いづらかった。保有していた GPS も通信カードも CF タイプで同時に使えなかったというのもある。さらに Pocket PC 2003 Second Edition 以降に正式対応していないので、今となっては実質使えない。

 ということで私は PDA 対応というメリットから Super Mapple Digital を購入しているのだが、最近、この最大のメリットがさほど大きな意味を持たなくなってしまった。
 それは、
・ケータイ地図サービスの充実とGPS対応
・スマートフォンの増加と対応地図サービスの開始
からだ。

 ケータイ向け地図サービスは、例えば DoCoMo 製 FOMA では、ゼンリンデータコム「ゼンリン地図+ナビ」およびナビタイム「NAVITIME」がプレインストールされている。
 これらはケータイの機能を活かしたネットワーク型で、詳細な地図も用意されているし、徒歩ナビ・カーナビの機能も提供されている。検索機能は PC 版の Super Mapple Digital よりも充実している。また NAVITIME では PC 向けサービスとの連携も登録可能数は限られているが用意されている。
 さらにケータイならではの機能として、機種によってはネットワークアシスト型のGPSを搭載していることが挙げられる。これにより、初期測位が高速であり、かつ初期測位の感度が高く使い勝手が高い。カメラとGPSを連携させた写真への位置情報記録機能もある。
 わたしは SA700iS, N903i と GPS 内蔵ケータイを利用し、ソフトは NAVITIME を利用しているが、正直これを使うようになってから PDA の出番がほぼ無くなってしまった。PDA 用の GPS は SiRF star III 搭載のものを使用しているのだが、ケータイ GPS よりも測位できない場所は多いし、測位に時間がかかる。また PDA は小型軽量ではあるが、この面でもケータイの方が上回る。結果、無理に PDA を持ち出す必要性がなくなってしまったのだ。
 地図をスクロールさせて閲覧するという面では PDA+Pocket Mapple Digital の方が優れているが、NAVITIME やゼンリン地図+ナビは表示も高速で、大きな不満を感じるほどでは無い。利用できる場所の面でも、FOMA は今や国内では多くの場所で接続できるので、ローカルSDメモリに地図が無いことも不満にはならない(さらに au ではスタンドアロンGPS+ローカル保存地図を利用できるサービスも開始され、この面での PDA+Pocket Mapple Digital の優位性はさらに小さくなった)。ただし、PC でスポットを登録してそれを持ち歩くという面では、まだまだ Pocket Mapple Digital の方が便利だ。情報の階層化もできるし、複数のカスタム情報ファイルを用意できるので、簡単にスポット情報を入れ替えることができる。
 なおケータイで地図サービスを使うと通信費用が問題になるが、パケット定額制にすれば(安くはないが)この点はクリアされる。


 PDA と言えば、最近はスマートフォンが流行りだ。スマートフォンで無い PDA で最近国内で発売されたものと言えば、カーナビ機能を持った Mio P350 くらいだろうか? ところで Mio と言えば C311 や C325 など PND(Personal Navigation Device/Portable Navigation Device)なのに Pocket Mapple Digital を搭載した製品もあるが、またそれは別の機会に。
 スマートフォンは通話・通信機能を持った Windows Mobile 搭載の PDA であり、Pocket Mapple Digital が活躍できる。実際この流行りをもたらした W-ZERO3 では、Pocket Mapple Digital と GPS を組み合わせようという記事を複数見かけたことがある。最新の Windows Mobile 6 にも Pocket Mapple Digital はサービスパックで対応するという。
 ところが今、スマートフォン向けの地図サービスとしてネットワーク型地図ソフトが出始めている。NAVITIME や、Google Maps for Mobile だ。
 NAVITIME は W-ZERO3 シリーズ用がまずは提供されている。これは PHS による基地局測位が可能だ。ノキア「Nokia E61」用は外付けの Bluetooth GPS ユニットに対応している。最近ではSoftBank「X01HT」、NTTドコモ「hTc Z」にも対応した。今後発売される Advancec/W-ZERO3[es]にはGPS対応のものがプレインストールされる。
 Google Maps for Mobile は既に「Windows Mobile 2003, 5.0 and above」に対応しているとあり、さらに Advanced/W-ZERO3[es] の紹介記事では Google Maps for Mobile が対応するとある。
 これらの特徴はネットワーク型であるということだ。スマートフォンは元々ネットワーク接続機能が内蔵されていて親和性が高い。従来と異なりネットワーク型だから使いづらい、ということは今や無い。


 今まで PDA 用の国内向け地図ソフトが添付されるということで独自の地位を築いてきたと思われる Super Mapple Digital だが、PC 向けはもちろん、PDA(スマートフォン)向けでもネットワーク型に脅かされようとしている。持ち運びのできる地図という面では、さらに GPS が搭載されたケータイ向けの地図サービスの充実も著しい。
 地図を表示する、という地図ソフトでは、最新地図を提供するという以外の機能向上は、なかなか難しいのかもしれない。そんな中でも、特に PDA 版での更なる使い勝手の向上や、PC 版での機能向上(例えば、すぐに挙げられる点ではネットワーク型 Mapple Online のような、クチコミサービスなどネットワーク上情報との連携)なども考えられる。今後の展開を期待したい。
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