海上を渡る風は心地よく、波にうねりがあるもののお穏やかであった。船上の者たちが目にする風景は、彼らに異国を感じさせていた。
イリオネスはパリヌルスとオキテスの傍らに座った。
『おう、パリヌルスとオキテス、クレタの様子はどうだ。ここまで見てきたところでは、浜は荒れていないように見受けられるが、、、、』
『そうですね、軍団長。それは浜に上がってみなければわからないのでは。クリテスから聞いたのですがギリシア語が通用するといっていました』
『そうかそうか。ところでだが、統領は向こうに見える島に興味があるらしい。。状況を見てどちらか、いや、出来れば、浜にも島にも上陸してみたいといった様子だ。俺もそれがいいように思う。少々の危険を冒してでもそうする。二人とも頼むぞ。危険を感じた時は相手を倒す、問答無用だ。頼む。そのようにオロンテスにもギアスにも言っておいてくれ.
じゃ~な』
話をしている間に、島がすぐそこに見えてきた。浜を出て1時間半弱、彼らは目標の地点に到達していた。クレタ島と島を隔てている距離はそう遠くはない、約6スタジオン(1200メートル)ぐらいと目測で見当をつけた。イリオネスはギアスに声をかけた。
『ギアス、もっと島へ近づいて、島を通り過ぎるのだ。それからターンして島の対岸と思われる浜の地点に舟艇を乗り上げてくれ。島への乗り入れは、そのあとだ、いいな、判ったな』
『判りました』
ギアスは、緊張の面持ちで漕ぎかたを叱咤した。
イリオネスはパリヌルスとオキテスの傍らに座った。
『おう、パリヌルスとオキテス、クレタの様子はどうだ。ここまで見てきたところでは、浜は荒れていないように見受けられるが、、、、』
『そうですね、軍団長。それは浜に上がってみなければわからないのでは。クリテスから聞いたのですがギリシア語が通用するといっていました』
『そうかそうか。ところでだが、統領は向こうに見える島に興味があるらしい。。状況を見てどちらか、いや、出来れば、浜にも島にも上陸してみたいといった様子だ。俺もそれがいいように思う。少々の危険を冒してでもそうする。二人とも頼むぞ。危険を感じた時は相手を倒す、問答無用だ。頼む。そのようにオロンテスにもギアスにも言っておいてくれ.
じゃ~な』
話をしている間に、島がすぐそこに見えてきた。浜を出て1時間半弱、彼らは目標の地点に到達していた。クレタ島と島を隔てている距離はそう遠くはない、約6スタジオン(1200メートル)ぐらいと目測で見当をつけた。イリオネスはギアスに声をかけた。
『ギアス、もっと島へ近づいて、島を通り過ぎるのだ。それからターンして島の対岸と思われる浜の地点に舟艇を乗り上げてくれ。島への乗り入れは、そのあとだ、いいな、判ったな』
『判りました』
ギアスは、緊張の面持ちで漕ぎかたを叱咤した。