『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  1289

2018-05-17 07:50:41 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 アエネアスが乾杯の声がけをする。
 一同が酒を飲みほす、肴の焼ける香ばしいにおいが鼻を突く、接待サービス担当が一同に程よく焼けた肴を手渡す、塩が振られる、口に運ぶ。
 『おう、焼け具合がちょうどいい!』『おう、旨い!』
 一同の昼食が始まる。
 オキテスがパキオテ頭領に声をかける。
 『パキオテ頭領、新舵構造の造作の件ですが、夕刻の早い頃合いに出来あがります。試乗航走していただけるように段取りしています』
 『おう、そうか。ありがとう。感謝する』
 『それまで間があります。私らが建造していた新船、戦闘艇が2日前に完成いたしました。試乗していただくように段取りしていますが、いかがでしょうか?』
 『ほう、新しい船か?乗せてくれるのか?』
 『はい、そうです。水夫頭殿も、そして、ほかに三、四人くらい同乗いただいて結構です』
 『そうか、いいときにこちらの浜へ来たな。オキテス殿、それは願ってもないことだ。ぜひ乗せてくれ』
 『解りました』
 昼食が進む、頃合いを計って、パンを手渡す、客人らがパンをちぎる、口に運ぶ。
 パキオテ頭領が首をかしげる。
 『ほっほう、このパン、いい香り、いい風味だな』
 水夫頭がパキオテ頭領と目を合わせる。パキオテ頭領が声をあげる。
 『おう、オキテス殿、このパン、旨いっ!初めて口にする、いい香り、いい味だ!感動、感動!』と言って水夫頭に声をかける。
 『おい頭、お前の舌の具合はどうだ?』
 『このいい味のパンに驚いています』
 『おう、オキテス殿、このパン、どこに行けば買える?』
 『このパンは、私ら自前の窯で焼いているパンです』
 『なに!ここで焼いている?』
 『はい、そうです』
 『このパンを自前の窯で焼いているとはな、驚きだな』
 『はい、キドニアの集散所にパン売り場を持っています』
 『ほっほう、そうか。それは大したもんだ。恐れ入った』
 パキオテ頭領は、感動あらたに驚く。
 一同はパンを味わって昼食を終える。
 『アエネアス統領殿、言葉に甘えて昼食を馳走になりました。ありがとうございました。そのうえ。水夫ら一同にいたるまで昼食の配慮、ありがとうございました。重ねて礼を言います』
 『いえいえ、気にしないでください。遠路を遠しともせずおいでいただいた。我々、感謝の気持ちでいっぱいです』
 パキオテ頭領はアエネアス、イリオネスらと握手を交わす、オキテスは水夫頭と手を握り合う、パキオテ頭領がオキテスと接待サービスを担当した者に感謝の言葉を告げて場を去っていく。
 オキテスが加わって三人が建造の場へと歩を向けた。


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