昨日、久しぶりの連休を利用してクルビデンスオオクワガ幼虫の餌替えをしました。
クヌギ・オオヒラタケ菌床200ccプリンカップから
エノキ・カワラタケ菌床800ccプラボトルへの交換です。
↓ オスの終齢幼虫 プリンカップの中は少し窮屈になったようです。
昨年11月はじめに割り出したときは卵と初齢幼虫合わせて10頭(個)でしたが
そのうちの一つは卵のまま菌に巻かれ☆になっていました。
残り9頭のうち終齢オスが4頭、終齢メスが3頭、後の2頭はまだ2齢で
雌雄判別しないまま新しい菌床に移しました。
↓ 交換のタイミングはいまだによくわかりません。
↓ 交換終了
メスは7月くらいに羽化しそうです。
オスはもう一度餌交換して9月くらいに羽化しそうです。
そして、2齢が羽化するのは10月くらいになりそうです。
昨日の作業は特にこれといった変わったこともなく極々平凡に終了。
あまりにもあっけなく早く終わってしまったので
久しぶりに休眠中の親オスの様子をみることに・・・
こちらは唯一室内自然保管です。
生きてました ↓ 健在です
↑ 2013年5月に羽化、元親の出身地はブータンのチェカ
体長は78mmup、このくらいのサイズになるとそれなりの迫力があります。
↓ 体の厚みは薄く、樹皮下に隠れたりするのに有効です
ブータンのクルビデンスは「赤いクルビデンス」
として騒がれた過去があります。
インド~ブータンにかけて確かに上翅に赤みがかった個体も中にはいるようです。
↓羽化して数日経過したインドの個体(70mm前半)
ここまで赤い訳ではありません(アナログ写真)
Dorcus curvidens クルビデンスオオクワガタは
北東インド、ネパール、ブータン、ミャンマー
タイ、ラオス、ベトナム、中国南西部等に分布しています。
また、中国に分布するhopeiオオクワガタと本種との関係については
hopeiオオクワガタをクルビデンスの亜種とする考えがありましたが
中国の大揺山で本種とhopeiオオクワガタが
同じ木で同時に採集されたことでクルビデンスは独立種とする考えが
今の主流になりました(水沼 2000)
クルビデンスオオクワガタの大きさは野外では80mmあたりが最大級となりますが
飼育では85mmを超える個体も出ています(金井 2002)
この記録は今も抜かれていません
お化けです。
↓ ネパール産(70mm前半:アナログ写真)
↓ ラオス産(60mm後半:アナログ写真)
ここまで東南下すると大あごの形はずいぶん変わります。
クルビデンス野外生体は2000年前半にはアンタエウスのお供的(?)な感じで
比較的多くの地域から日本にもたらされていましたが
最近ではあまり入ってこなくなりました。
↑クルビデンスオオクワガタ(ブータン産)
去年はこの親から3頭の新成虫を得ました。
昨日餌交換した幼虫も同じ親からです。
種親(雌雄)はそれしかいません。
upしたブータンのクルビデンス画像は全て同じ個体です。
今年もこの親から一桁内採卵を試みます。
幅800mmx奥行400mmx高さ1500mmほどの植物用簡易温室に
余裕があるくらいの細々飼育、これが私の管理能力です。
参考文献
水沼 哲郎, 2000.Stag Beetles Ⅱ.ESI.
金井 貴雅, 2002.LUCANUS WORLD
No.31.株式会社環境調査研究所.
藤田 宏, 2010.6世界のクワガタムシ大図鑑.
有限会社むし社.
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