クワガタ~スズメバチ等の覚書

   Photo & Text by こよみ

クワガタ関連の書物・2

2022-01-19 22:56:25 | クワガタムシ関連

以前にも「クワガタ関連の書物」の記事を書きましたが

今回はその2になります。

 

↓ 「クワガタ関連の書物」過去記事

クワガタ関連の書物 - クワガタ~スズメバチ等の覚書き

いよいよGWも終盤にかかりました。今日はクワガタ関連の本を取り上げてみます。順位は綴りごとに本の大きい順にしてありますので後尾ほど小さな本と...

クワガタ関連の書物 - クワガタ~スズメバチ等の覚書き

 

 

GPイseibutuse 生物の科学  遺伝  vol.72  2018  No.4

 [特集Ⅰ]クワガタムシ研究最前線

 

   株式会社エヌ・ティー・エス. (B5/フルカラー/定価1600円+税)

 

この本は他記事でも紹介しましたが

巻頭から50ページに渡り「クワガタムシ研究最前線」と題して特集が組まれており

クワガタムシの進化発生・行動・自然分散・幼虫の栄養・共生酵母菌類などについて

詳しく報告されています。

特に共生酵母菌類に関する記事はクワガタ飼育に直結する内容で

自然蛹室と共生酵母菌類とのつながりがわかり

人工蛹室がもたらす不都合も見えてきます。

また、繁殖の難しい系統種飼育のヒントにつながりそうな内容もあり

そこには飼育者の間ではあまり語られない世界があります。

価格もさほど高くなく、飼育者ならぜひ持ちたい1冊です。

 

Stag Beetles of China III 中華鍬甲(B5 524ページ)

 Authors : Huang Hao & Chen Chang Chin, 2017.  

 Publisher : Formosa Ecological Company.

 

2017年に発刊された中国のクワガタムシ図鑑シリーズのⅢ(524p)です。

台湾のクワガタムシも含め掲載されています。

英語と中国語で記述されており私には読みこなすことはできませんが

同定の要となるような交尾器・脚部・頭部等に加え

小型種では必要に応じて拡大図があり、わかりやすくしてあります(尺度有)。

各種図は、実物大ではないので実際の大きさは感じ取りにくいですが

詳しく解説されていることが伝わります。

体長の記載有無や、ごちゃごちゃして見える部分もありますが

そこは、お国柄なのかな?と思います。

台湾のクワガタムシ図鑑もそうですが

各種の細かな違いや小型種の超拡大図などは

日本の図鑑よりわかりやすく、工夫されています。

 

↓ わかりやすく見やすい台湾の図鑑 臺灣鍬形蟲

 

現在、Stag Beetles of Chinaシリーズは入手困難になっていますが

古書で探すと見つかるときもあり、たまに流通があるようです。

 

LUCANUS WORLD No.16〜29 

 連載:おこぜあいご/オオクワガタその系統と分類  株式会社環境調査研究所

 

こちらは雑誌の中の連載記事の紹介です。

今も昔もクワガタ愛好家に絶大な人気を誇るDorcus

近年では和名でいうコクワガタ系がちょっとしたブームにもなっています。

LUCANUS WORLDのNo.16〜29には

おこぜあいごさんによる「オオクワガタその系統と分類」という連載があります。

連載は1999年10月発行のNo.16から始まり

2001年12月のNo.29まで計14回、総ページ数は82ページに及びます。

毎回、各種解説と専門的なことがわかりやすく書かれており

ヤマトサビクワガタがなぜDorcus属なのか?

大図鑑でネパールコクワガタがDorcus属になったわけなど

素朴な疑問にも触れられたりしています。

この連載を読めばDorcus属に対する基本的な考え方の一つがわかり

私は今でも読み返しています。

古くからクワガタムシをされている方には懐かしい雑誌で

比較的入手しやすいバックナンバーです。

Dorcus属に興味のある方にはおすすめの連載記事。

 

休眠の昆虫学 季節適応の謎

 田中誠二・槍垣守男・小滝豊美著, 2004年3月5日 東海大学出版会(3200円) 

 

タイトル通り、昆虫の休眠について書かれた1冊です。

直接クワガタムシに関する記述はありませんが

昆虫のもつ体内時計の秘密や、休眠時の体内の状態など詳しく書かれており

読み込んでいくと冬季低温休眠中のクワガタムシが

温度を上げても覚醒しない理由なんかもわかるような気がします。

クワガタムシの飼育繁殖にも参考になる一冊です。

 

ダニのはなしⅡ 江原昭三編著  1990.技法堂出版株式会社.

 

野生のクワガタムシにはダニが付着していることがあります。

このダニはクワガタムシの体表でいったい何をしているのか?

そのあたりについての記述があります。

これを読んでからは

在来の野外個体に付着するダニ(クワガタナカセ)に対する考えが変わりました。

クワガタムシとは切っても切れない関係の「クワガタナカセ」の話があります。

 

以上、今回は直接・間接・連載記事含め、五つ紹介させていただきました。



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