貧乏石好き

つれづれなるままに石をめぐりてよしなきことを

クリオライト

2021-12-03 19:55:26 | 単品

Cryolite。氷晶石。この和名がいい。氷がそのまま石に結晶した。確かにそんな石。

Na3AlF6。ナトリウムとアルミニウムのハロゲン化鉱物。ケイ素も酸素もなし。偉い。同じフッ化鉱物にはフローライト、クリーダイト、アタカマイトがある。
グリーンランドで主に産出し、かつてはアルミニウム精錬のためにさかんに採掘されたが、現在は枯渇によって閉山。さぞやきれいな結晶が溶かされたことでしょう。フローライトなんかも同様だそうだけど。
英名はギリシア語で氷あるいは霜を意味するクルオス kruos に由来する。まあ「氷晶石」は適訳ですね、珍しく。(悪態をつくな)
最初クリオライトと聞いた時は、ギリシャ神話の女神クリーオ(記憶の女神ムネモシュネーの娘で歴史の女神だとか)の方かと思ったけど、そっちは Klio なのね。LR問題はほんとにめんどい。

ウィキさんには《物質名はヘキサフルオリドアルミン酸ナトリウム(Sodium aluminium hexafluoride)》とある。まあ読み下せばそうだろうけど。六弗化曹礬とかにしてはいかが?(また悪態を)
《屈折率が低く1.338で水とほぼ同程度であるため、透明な結晶を水の中に入れるとほとんど見えなくなる》ともあるけど、よほど透明なものじゃないとだめね。この子はしっかりと「私はここにいます」と主張する。(試したのかい)

無色で透明/半透明という石はいろいろある。水晶がいるしね。それを並べて、はい何でしょう、とか聞かれてもあちきは絶対答えられないでしょう。
これだって、はい氷晶石です、と言われてここにあるから、ああ、ほんとに氷のような石だと感嘆するけど、水晶です、と言われても、嘘だろ、とはならないでしょう。
けれど、これは氷晶石であって、ほんとに氷が石になったような石であることは確かです。(何が言いたいのかよくわからんw)
まあ、これは氷晶石です。氷のような石です。(わかったよ)これを見ていると、グリーンランドというか、氷で閉ざされた世界が思い浮かびます。だから、いい石なのです。好きなのです。(はい)

ほかにグリーンランド産鉱物として有名なのは、ヌーマイト、トゥグトゥップ石(ツクツパイト)などがあります。
氷に覆われた未知の大地。神秘的ですけど、最近は気候変動で氷が融けたとかいう話もあったり、地下資源をめぐってきなくさい国際政治があったりと、詩的な幻想をぶち壊す情報ばかりです。
特産鉱物たちはその中でどうなっていくのでしょうか。


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