迷歩録 一生懸命

　寒さ抜け　　暖かき風　　頬撫でる

　　　　　　　　　　鳥よ羽ばたき　　畑の煙り

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ひのひら　　ろくべえ





　　　一生懸命という言葉は、主に仕事や、学業に使われがちだが、そうではなく人生に一生懸命

　　これが相応しいのではないだろうか。

　　　遊びであろうが、恋であろうが、恋愛であろうが、人生に起きる全てのことに本気で立ち向か

　　い、追求する心これが今生きているという事を実感できる近道なのかもしれない。しかし多くの

　　人は、仕事や学業となると一生懸命頑張りますなどと表現するが、遊びや恋愛になると、ぼちぼ

　　ちなどと表現して一生懸命さを隠し、気楽な人生を装う、これこそが人生の充実を奪い取ってい

　　る根源なのかもしれない。人は遊びというものは人生のほとんどである。この遊びを充実させる

　　ために働き生活を安定させようとする。つまり生きる基盤は遊びにあると言っても過言ではない

　　だろう。仕事はそのために大事である。しかし仕事と遊びどちらが大事と問われれば、断然遊び

　　であろう。それが大事、真面目な人とか、いい人などと評価を求めること次第が、人生を充実さ

　　せたくない。軽い人生を熱望していることにも他ならないのではないだろうか。

　　　対人援助職で大切なのは、この遊び心をいかに伝えるかとっても大切なことのように思う。病

　　気の人や高齢者の人など多くの人が、遊び心を持たない人が多いような気がする。そんな人に限

　　って、一つのことを思いつめ、行き詰ってしまっているのではないだろうか。仕事のヒントも遊

　　びの中にある。恋愛体験豊富な人は世渡り上手、仕事も熱心というのは納得のいくところである。

　　　一生懸命それはあくせくという意味ではない。自分の人生に向き合い、自分を知れという事で

　　もあるのだろう。勇気と一生懸命は両輪、どちらも大切、自分を見つめることで他人の人生観も

　　理解できるようになんるのであろう。対人援助職の自分を知り学びたいものである。