雨の後 陽射し戻りて 息をつく 冷たき風に 梅花揺れるや
ひのひら ろくべえ
陽射しは戻ったが、冷たき風は頬を撫で、すぐそこまで来てる
愛しき人を待つように、首を長くして暖かき春を待ちわびている。
采配する人は、その心を知ってか知らずか、なかなか暖かき日を
くれようとはしない。待つものは地団太を踏んで、首を長くし、今か
今かと、イラつく気持ちを抑えながら待っている。そんな春の気候
梅の花だけは、次から次へと開き、その美しさと香りを届けてくれる。
待つ者にとっては、匂いだけ鼻の先にたらされ待たされる、馬の鼻先
の人参のような、春であろう。自然というものは思い道理にならない
そんなことは解りきっているが、心はなかなか納得しない。おさまらない
そんなジレンマな日が続けば続くほど、フラストレーションは溜まって行く
しかし、慌てることはない、必ず貴方の傍に来てくれることは間違いない
のだから。「果報は寝て待て」である。慌てない、焦らない、諦めないで
待つことにしたいものである。「待てば海路の日和あり」である。
「待つ」ことの大切さを教えてくれる今年の春である。
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